みゆきの日記
DiaryINDEX|past|will
柴田さんに会ったのは、地震が起こる少し前だった。 地震が起こった日の夜、柴田さんからメールをもらった。
大丈夫だった? 俺は今日は会社に泊まり、ついてないな、みたいな内容だった。
「ついてない」の理由はもうひとつあった。 新たな腫瘍が見つかったのだ。
翌日、私が心配してメールを返すと、柴田さんのメールのトーンはガラリと変わっていた。 翌日になって、地震の被害の甚大さが次第に明らかになってきたことが原因らしかった。
会社に足止めされたことや、腫瘍が見つかったことなどを、 「ついてない」と言った自分を恥じているかのようだった。
仕方ない、と思う。 誰もあんなことになるなんて、想像できなかった。
私はそんな柴田さんを尊敬する。 でも、柴田さんの身体のことがとても心配。
それ以来、連絡は一度も取れていない。 どうしているのだろう?きっと、また大変な想いをしているのだろうと思うけれど、 私からは連絡するまい、と思う。 連絡はしてはいけないのだと思う。
3人の子どもを育てている私は、毎日忙しく過ごしている。 私は、私にできることを、一生懸命やるしかないのだと思う。
|