みゆきの日記
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昨年の秋、結局柴田さんには一度会った。 青山の何度目かのお店。 土曜日の夜だったから、柴田さんは少し無理して出てきてくれて、 その時に、柴田さんのお母さんがもう末期がんで長くはないという話も聞いた。 50を過ぎて、人生の中で難しく切なく辛いことが、いろいろと起ってくるステージにいる柴田さん。
その後、柴田さんとは連絡を取り合うこともなく、しばらくご無沙汰していた。 昨日、久しぶりにきたメールには、年末にお母さんが亡くなったことが書かれていた。そして、春かと思われていた海外赴任が延びたこと、皆で集まりましょう、というようなことが書かれていた。
私も、昨年、とても大切な人を癌で亡くした。 そのことは私にとってとてもとても大きな出来事で、でも、柴田さんへの返事にはそのことは書けなかった。 いろいろと思うことがあったんだけど、そのことは書けず、結果的にかなり表面的な言葉を書き連ねたようなメールになってしまい、 そんなメールを送ってしまったことを少し後悔している。
もうすぐ春が来る。 春になるといつも柴田さんに会いたくなる。 暖かく湿った春の宵、また柴田さんと二人で杯を重ねたい。 でも、なんとなく、もう会わないような気がしている。
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