みゆきの日記
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先週、柴田さんが私の住む街に出張で来ていた。 私はそれを彼のFacebookで知る。
前回、たしか夏前に来た時は連絡してくれた。もちろん会うことはできなかったけど、 連絡頂戴ね、いつもどこに泊まっているの?などと聞いたのは私。 ホテルに逢いに行く妄想を膨らませたりして、しばらくドキドキしたけど、 逢いになどいけない、そんなリスクを自分がおかさないことはわかっていた。
夏に私が一時帰国した際にも、私は連絡しなかった。 なんの障害もない夜があったのに、何度も連絡しようと思ったけどできなかった。 なぜか連絡するのが恥ずかしいと思った。 私はいったい何が恥ずかしかったのだろう? メッセージも一度も送らず、秋の柴田さんのお誕生日にもメッセージを送らなかった。 2005年に再会してから初めてのことだ。 柴田さんを忘れたわけではない。 こんなにしょっ中考えているのに、もうそんな素振りを見せてはいけないと思う。
こちらに来ていたのに、私に連絡をくれなかったことを知って、 でもFacebookで知らせてくれたのを見て、なんとなく奇妙な満足感を覚えた。 いいね!を押しておく。 いつかそんな時がきたら、このもどかしい日々を一緒に笑いたいな、と思って、 そんなことを考えること自体がどれほど酷いことかを思ってまた自己嫌悪。 可能性をどこかに残しておきたい私はズルい。 夫にはなにも落ち度はないんだもの。
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