ヒトリゴト partIII
 Moritty



ちょっとした偶然

2005年05月17日(火)



久々の日記になってしまった。この二ヶ月、結構慌しく、遊びも含めれば、バルセロナ、姫路(神戸)、香港、ロンドンと短期間に4箇所を行き来したことになる。そんな風に移動が続くと自分の本当の居場所というのがわからなくなってくる。

先週ロンドンに行ったとき、ヒースロー空港の入国管理待ちで並んでいてふと気が付くと、私の前に見覚えのある女性が並んでいた。「梅田さん?」と声をかけるとその人は振り返った。やはり彼女だった。梅田さんは長年勤めていた米銀を一年数ヶ月前に辞めてから一度も会っていなかったので一年半ぶりくらいの再会だ。その日私の乗るはずだった便は整備の遅れとかでかなり遅延していた。一方の梅田さんは、連休明けのせいか思いのほか道路がすいていたためリムジンバスが予定より随分早く空港に着いてしまったそうで、私が乗る予定だった一つ早い便に乗ることになったという。偶然に偶然が重なったわけだ。さらなる偶然にも、私がその日予定していたディナーがドタキャンされたので、一緒に食事をすることにした。(これが素敵な男性だったら運命的なものを感じてしまったかもしれないほどの偶然なんだけど*^o^*b)

梅田さんは外資系投資銀行の前線で働くキャリアウーマンだったが、今はぷー太郎だという。やりたいことがあって、今は準備期間だそうだ。彼女の話によれば、3年程前にたまたま受けた健康診断で肺癌が見つかり、幸い手術で腫瘍は摘出できたものの再発の可能性も低くないと医師からは脅されたそうで「人生は自分のものなのだから生きているうちくらいは自分のやりたいことをやりたい」と思うようになったという。「私も仕事辞めた方がいいのかな?」と言うと、「辞めた方がいいかどうかは、あなたが辞めたいかどうかだよ」と言われてしまった。おっしゃる通りなんだけど、最近の私は義務感て生きているようなものだったので、「自分のやりたいこと」という概念すら新鮮に思えた。「すべき」「であるべき」という気持ちで何かを決めると絶対後悔するし、無理して決めなくても答えは自然と出てくるのであせる必要はない。「時」は自らやってくる。自分がどうしたいのかをまず考えなさい・・・・・

ふと、そんな話をする彼女と同じ病気で逝ってしまった母が重なって見えた。私は唯心論者ではないが、母が梅田さんの口を借りて私に何かを伝えようとしているように感じた。「人生は一度きり、悔いのないように生きなさい」
当たり前のことなんだけど。

(写真:ロンドンバスとアンダーグラウンド)

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