ヒトリゴト partIII
 Moritty



こわい話

2005年05月28日(土)



最近会社に珍客が多い。昨日は警視庁から警察官がやってきた。その警官は、当然警官の制服を着ていたのだが、初めて学生服を身に着けた中学生みたいだったので、「児童就労だー!逮捕だー!」と言って陰でみんな盛り上がっていた(口が悪いね。子供だね)。
それは別として、その警官が言うには、このビルのテナント全ての従業員名簿(住所・氏名・緊急連絡先等)を作っているので協力して欲しいとのこと。警視庁と言えど個人情報保護法っていうのもあるから、なぜそのようなものが必要なのかを問いただすと、

「もうすぐ災害があると言われてますよねぇ。」

「災害?」

「地震ですよ」

「はぁ。」
(一般的には言われているけど…。もしかして何か具体的な情報でも入手しているのかな?)

「地震があればこのビルは崩壊しますよねぇ。」

「…? …!」
(崩壊?このビル37階建てでかなり頑丈なビルみたいだけど、ここが崩壊するぐらい大きな地震が起きるとでも言う情報が入っているの!?)

「そうすると身元不明者とか行方不明者がたくさん出ますよねぇ。」

「…」
(崩壊すればそりゃそうでしょう、そんな説明しなくたってわかりますよ、子供じゃないんだから。)

「だから名簿が必要なんです。」

「はぁ。」

なんだかとても不安になった。市民をむやみに不安に陥れるなんて、警察官としてなってない、本当に児童就労かもこいつ

と一瞬怒ってみるものの、冷静に考えれば、近いうちにビルが崩壊するほど大きな地震がくる可能性は本当にあるのだ。非常用グッズを買っとく?いやいや、非常用品なんて買っておいたって、いつどこにいるときに地震が来るかなんてわからないから、それよりも悔いの無いようやりたいことをやって楽しんだほうがいいな…なんてことを考える私は刹那的なのだろうか。でも、人生は刹那なんだ。

(写真:国会議事堂を隠し撮り)

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