フーチーひとりごと。
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「そっかそっかぁ」
大好きだった昔の彼氏がよく言ってた言葉。口癖だったな、これは。 俺の話を聞いてるんだか、聞いてないのかわからんけど、俺の話が途切れると 「そっかそっかぁ」って言うねん。 まるで「俺はおまえの話ちゃんと聞いてるぞ」てな感じに。 多分また、テレビとか見ながら話してんねやろな。
でも、俺は彼のこの口癖が好きだった。
彼に合わせるつもりはなかったけど、憧れる部分はあったな。 影響を受けたとこもあるし、マネしたりしたとこもあった。 彼が勧めてくるものにはことごとく反発したけど(笑)
彼の好きなところを聞かれたら「優しいとこ」とかありきたりの答えしかできないけど、俺が彼から貰ったものは沢山あった。 貰ったというよりも、俺が勝手に盗み取っただけやけど。 盗み取ったことがバレないように彼のまえでは出さないようにしてたけど、時々、わざと彼の仕草や、口癖をマネした。 「マネすんな」って彼は言うけど、その顔はまんざらでもなさそう。
彼と別れた後も、彼から盗ったものはしばらく俺の中にあった。 年下の子と知り合って、俺は必然的に年上という立場になった。 あの時彼から盗ったものをフルに活用して俺の憧れる年上像を自分に投影した。 だけど「盗品身につかず」とはよく言ったもんで、俺はそれを自分の物としては使いこなせなかったんよなぁ。
カバーはできてもオリジナルじゃない。 できてもサンプリング程度にしておかんと。 やはり恋はオリジナルでやらんと続かんわ。 だけど、しっかりアレンジして自分のものとなったこともあるけどね。
けど、かわいくない? 好きな人の影響をモロに受けてしまうのって。 ね?
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