眠れても眠れなくても

 「無駄なことなんてない」って言われて。
 そのことばにどれだけ慰められて、励まされたか。
 あなたは知っているだろうか。
 いつも布団のなかで反芻しては、眠れても眠れなくても、朝がきたらがんばろうと思える。




 私がダメなのは私自身が一番よく知っているし、最も自己嫌悪するところ。
 卑屈にへらへら笑ってみせるけど、ほんとうはこんな自分にうんざりしている。

 「ガムシャラ」とはこのこと、とばかりに働いていた9年を、そしてこの1年を、なかったことにするような、無駄だったみたいな、そんな言い方をされることがある。
 すごく悔しくて、悲しい。
 どんな思いをしたかなんて、不幸自慢の如く語るつもりもないし。
 わかってもらおう、なんて思わない。
 本人にしかやっぱりわからない。
 「他人の痛みがわかる」なんてことば、嘘だ。
 やっぱり、わからない。
 私にも他人の痛みなんて、わからない。
 わかるはずがない。
 わかるはずがないと知った上で、想像してみることしかできない。
 きっとみんな、そうなんだと思うんだけれど。
 なのに、どうしてあんなにやさしいことばを言えるんだろう。
 欲しかったことば、どうしてわかるの?

 私、やっぱりちょっと、あなたみたいになりたいなあ。


 今夜もきっと反芻する。
 眠れても眠れなくても、朝がきたらがんばろうと思う。
2006年05月03日(水)

メイテイノテイ / チドリアシ

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