きまぐれがき
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長い間使っていたブレッドナイフが切れなくなったので、近くの デパートへ買いに行く。 地方の小さなデパートでは品揃えに限度があるけれど、家で使う 家庭用品でブランドなどにこだわらなければここで間に合うのだ。
...と、切れ味さえよければなんでもいいと思ってやってきた包丁 売り場で、ブレッドナイフは1本しか置いてないとなると、あら 希望のものとは違うしなぁと、購入を迷いだしてしまうのだから勝手だ。
いつだったか本で見た英国のアンティークのブレッドボードとナイフ ...ほんとうのところは、あのようなのが欲しかったのかもしれない。 そのボードはスズカケノキででき、ナイフがすっかり収納できるように なっているのだ。 やはりスズカケの木でできたナイフの柄の部分には彫刻がほどこしてあり、 刃の形はとてつもなく優雅だった。 持ってみるとほどよい重さにちがいない、使い心地もよさそうだった。
ずらりと並んでいる料理包丁の傍にいると、鋭い刃先がすべて私に向かっ て飛んでくるような気がしてきて早くこの場を離れたい。 ナイフはコレしかないのだから迷っていても仕方がないと買ってしまう。 そして急いでティールームへ向かう。
おもちゃのようなナイフ... 刃の部分は画像では黒くなってしまったけど、ステンレスでピカピカ 安く光っている...
椅子に腰掛けホットした。 思いっきり深呼吸をしたい。居並ぶ刃物たちの傍にいた時には、刃が怖く て息をするのを押し殺していたのだと思う。
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