きまぐれがき
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2004年02月17日(火) 1年ぶりの集い、そしてサド

近所の居酒屋にて、ビデオレンタル店で知り合ってお友達に
なったメンバーが1年ぶりに集い「しゃべりたいほうだい会」
を開催。
そのなかに映画関係のwebマスターが3名。

となると、やっぱり酒の肴は最近話題のあの映画やこの映画のこと
から、なんといっても熱がこもってくるのは、過去に捨ててきた男たち
の顔中縦横無尽に刻まれた深い皺、崩れた体型、ああ老醜をさらして
ほしくないと切なる願いを語る時だ。
また最近拾った男たちの、女の好みがどうもなぁと嘆きだしたらきりが
なく、愚痴りながらもお酒も食欲もすすむのであった。



その男たちというのが、ロバートであったりリチャードであったり
ヒューであったりマイケルであったり、ノアさんが持参した「ハリウッド
スター大名鑑」を見ながらなので、肴にはことかかない。
年齢的にはロバート・レから、日本からの小栗旬(ついに登場した!)
までだったりするのだけど、何を言い合おうが吐き出した途端に
空気中の塵と化して跡形もなくなる小気味の良さと無責任さ。
そりゃぁそうだ。
彼らは、ほ〜〜我が思いから果てしなく遠い処の住人たちなのだから。


三島由紀夫の戯曲「サド侯爵夫人」で、サドの妻ルネに言わせている
こんな台詞がある。
「年をとったと思われるのがいやでしたから。月に23ぺんも顔を
出していれば、年をとったことに気づかれはいたしません」

あの華麗なレトリックが延々と続く三島にしては、極めて現実的な
この台詞。
舞台を観た時には、牢獄にいるサドをルネが月に23回も訪ねて行く
のは、こういう理由からなのかと微笑ましく思ったものだが、今は違う。
ルネの気持ちがひしひしと伝わってくるのだ。
今の私には1年ぶりに逢うというのも、非常に辛いことになっている。



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