きまぐれがき
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2004年06月04日(金) アダムの誘いで古きよき時代へ?

ジンマシンを抑える薬を飲むと、それが半量であっても指先から
しんしんと眠気とだるさが襲ってくる。
先月末、そんなダルダルの身体を引きずるように行って来たのが
アダム・クーパーの「オン・ユア・トウズ」。

フェスティバルホールはどうも苦手な劇場だ。
前の方の席だと舞台に立つ人の足元がまったく見えなようにでき
ている客席なのだ。
それを知らずにバレエを観てしまった時の悲劇は忘れられない。
足元を観ることができないバレエなんてと、ずっと座席でもがき
ながら設計者を呪っていたほどだ。

今回は5列目。ここなら大丈夫だろうと踏んでいたところ、この
辺りの席でも座高を高めにしないと観ることができないのだった。

リチャード・ロジャースといえば、オスカー・ハマースタイン2世と
コンビを組んでからの作品しか知らなかったけれど、この「オン・
ユア・トウズ」はそれ以前にロレンツ・ハートとのコンビで一時代を
築いた頃の作品なのだそうだ。
これがアダムの初ミュージカル。

そんな往年の作品にと、以外な感じがしないでもなかった。
だってあの白鳥のアダムが、だもの。

ところが、おぉう!歌もうたえちゃう!
タップも軽快かつダイナミック!
コメディーセンスもあるじゃない!
待たせて待たせて、待ちくたびれた頃に炸裂するダンスの「10番街
の殺人」。 
ほんとのところは、ここの場面でジワ〜ッと満足感が沸いてきたりして。

ジュディ・ディンチ主演の「リトル・ナイト・ミュージック」もそうだっ
たけれど、古きよき時代の作品をこうして甦らせて成功にもっていく
アダムの心意気には、英国人かたぎなるものを感じる。
それに比べて、古いものを大切に扱おうとしない我が国のありさまを、
嘆きたくなってくるのは、飛躍? 
だって演劇界、イプセンの作品にかなり冷淡な時代があったのでは?と
ひそかに思っているのですよ。




いただいてしまったポスター。




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