きまぐれがき
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曽我さんの夫とお嬢さん二人を乗せたチャーター機がジャカルタの スカルノ・ハッタ国際空港の上空に姿を現した映像をTVが映し出し た時、どっと涙が流れてしかたがなかった。
曽我さんがおっしゃった「私って何てややこしい人生になってしまっ たんでしょうね」 そこまでではないにしても、この言葉はお二人の お嬢さん、他の拉致被害者の子供達にもあてはまると思うと、たま らない。 再会の喜びの陰で、ご家族のそれぞれの胸の内では複雑で苦しい 思いが幾重にも交差することだってあるだろう。
ゆっくりと時間をかけて話し合い、すべてがうまくいって 「4人で帰ってきますので待っていてください」 曽我さんがジャカルタに向かう前に残したこの言葉とおりになってほ しいと祈ってやまない。
胃痛にて、身体は腹部を谷折にした二つ折れ状態で、一日中 ソファーに転がってみたり床に移動してみたりしながら、ふと 窓の外に目をやると、綿を千切って散らかしたような空が広が っていた。
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