きまぐれがき
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2004年11月19日(金) エリザベス・レックス

エリザベス女王(タイトルはエリザベス・レックス、すなわちエリザベ
ス王であるけれど、ここでは女王と記します)の愛人エセックス伯の
処刑前夜から処刑が行われた早朝までを、シェイクスピアが回想す
るかたちで始まる物語。。

シェイクスピア一座が楽屋として使っているウィンザー城の納屋に、
女王が訪ねて来た。
エセックス伯の助命嘆願ができるのは唯一女王だけで、その刻限は
すぐそこに迫っている。そのような時に、女王は、エセックスの恋人
といわれている梅毒病みの女形俳優に逢いにきたのだ。
またエセックスと共に投獄されている貴族の男は、シェイクスピアの
パトロンにして、生涯の恋人でもあったという。。

この程度の予備知識だけで充分だろうと思って観てきた「エリザベス・
レックス」。
ところが、そんな予備知識など何の役にも立たなかったよぉと、泣き
たい舞台だった。

確かにそのような状況下で繰り広げられているドラマではあるらしい。。
けれど、耳で聴いたものと目で見たものとが、瞬時に脳内で処理され
ないのである。配役それぞれのシチュエーションのみが浮かび上がって
くるだけで、それ以外はなんにも頭に入ってこないとは、どうしたことな
のだろう。
これは全面的に、理解能力に欠けている私側に問題があるのだろうか?

訳が解らない舞台を見つめていると眠気が襲ってきて、首がゆらゆら
揺れてくる。もう私はいったい何を観ているというの?状態だった。

終幕「女王陛下に神のご加護を」と声をかけられたエリザベスが、振り
返ってうなずきながら浮かべた笑顔が、まさにエリザベス・レックス!
強烈な印象を残して脳裏に焼き付いてしまったので、物語など、どうで
もよくなったと、自分に思い込ませながら帰路についたけれど、どうも
スッキリしない。
せめて、原作であるカナダのティモシー・フィンドリーの戯曲の日本語版
があったならと。。

そうそう、梅毒病みの女形俳優はバレエの小林十市なのだったよ。





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