きまぐれがき
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2005年06月04日(土) |
ディープスロートは私 |
二日前になるけれど、ニクソン大統領を辞任に追い込んだウォー ターゲート事件の情報源は、当時のFBI副長官だったという朝日 新聞の記事を興味深く読んだ。
ワシントンポストの二人の記者が、ウォーターゲート事件の真相を 暴いていく映画「大統領の陰謀」で、ボブ・ウッドワード記者(ウェ ーブがかかった金髪が美しい若かりし頃のロバート・レッドフォード が演じている♪)が薄暗い地下ガレージで会った、あの男だ。 いったいこのディープスロートは誰なのだろう? 知りたいけれど、そんなことはいつのまにか漏れ伝わってくるもの だと思っていたら、そんなこともなく今頃になって意外にも自分か ら名乗り出てきた。
このディープスロートから「君たちの命が危ない」と言われたボブ・ ウッドワードに、「大切なのは報道の自由、この国の未来」と答え た編集主幹のベン・ブラッドリーは、ジャーナリストを目指す者の 鑑でもあり神なのだと、新聞社に就職してまだ青かった愚兄から よく訊かされていた;; なにしろ兄は小学生だった頃に、ご近所に住んでいらした天声人語 を執筆されていた某氏になのか、それとも社旗をたてた車になのか、 憧れていのだから笑ってしまう。
なんでもこのディープスロートを知っていたのはウッドワードともう 一人の記者カール・バーンスタインと当然ながらベン・ブラッドリー の3人だけだったようだ。 情報源を明かせと攻められ続けた年月だったろうな。
それが今、あっさりと「ディープスロートは私」。 それも、長官のポストに昇格できなかったことが情報を提供した 理由の一つだったなんて、ニクソン、もうちょっと信頼関係を結べ なかったのか。 無理だな。あの猜疑心しか持ち合わせていなかった大統領には。
ひつこく緻密に取材を重ねた二人の記者のうちボブ・ウッドワードの その後の活躍はめざましいけれど、彼の「司令官たち」を読んだ時 には取材力と権力の中枢を網羅する人脈にびっくり。 この後に続く、パパブッシュもの、クリントンものもついつい読んでし まう。 なにしろボブ・ウッドワードに取材されるのは光栄とかで、みんな しゃべりすぎて暴露しちゃうのだ。
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