きまぐれがき
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二階の窓から、遠くの夜空を彩る花火を見物。 高みで大輪の乱れ菊のように花開いた花火が、尾を引いて 地上に降ってくるのを、打ち上げているすぐそばで地べたに 敷いた敷物に仰向けに寝転がって見てみたい。
連続して聴こえて来るドカンドカンという花火の音に サーシャは気がつかないで眠っている。 気がつかないはずがない、もう聴こえないのだ。 昨年までは狂ったように吠えまくっていたのに。
私たち家族の声も、サーシャの耳には聴こえない。 花火を見るために明かりを消した真っ暗な部屋で、私は泣いた。
武田百合子の「富士日記」、河口湖恒例の花火大会は楽しかった。 石屋のおじさんが消防団の半纏だったかなにかを、いなせに だったかどうだったか。。着るところをおじさんの家にあがり 込んで見物してから、やっと花火の見物だった。
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