日々の泡

2001年12月31日(月) 年末の夜空/マイヨール逝去によせて

昨夜(30日)は、昇ったばかりの満月と木星がたいへん近くて、
気球とゴンドラのようなパラシュートとパラシューターのような
あるいは懐中電灯とその光の輪のような位置関係で
やたらと明るく耀いていたのがおかしかった。

やはり晦日、大晦日は忙しく、
年末らしいことを書きたいと思いつつも終わってしまいました。

−−
ずっと前に「グレート・ブルー」という映画を見たときのこと
(最初に公開されたバージョンです)。
主人公のダイバーがいなくなってしまうラストで
恋人の女性は妊娠した状態で取り残されるのが切なかったんですが、
あれを仮に女の側を主人公にして考えると
彼女の愛した男は実は人魚で、海に帰ってしまったんだ…という
昔話のような解釈もできると思ったことを覚えています。
この監督さんはだいたい、主人公の最後の運命をぼかした感じで描くのですが
主人公が天性の「水の人」のように描かれていたので、
そんなメルヘンな落ちも似合うような気がしたのですが。

その主人公のモデルになったダイバー、ジャック・マイヨールが最近亡くなりました。
海に帰ったのではなく(←いや、それはわかってますが)自殺だったそうです。
「本当にイルカか何かが間違って人の姿に生まれたような、海の申し子のような人」
みたいだったと、彼に会った人が書いていたのをかつて目にしましたが、
たぶんこの人は、天然自然に海に馴染んでいるというよりは、
海の深さに惹かれ、焦がれ、激しく攻め続けた人だったのじゃないかしら。
自殺という報道を聞いて、憶測しただけなんですがね。

私の「フランス人」に対する乏しいイメージは、
マイヨールとか(そういえば同名の彫刻家の代表作は「地中海」だったなぁ)
「沈黙の世界」のジャック・イヴ・クストーとか
ゴムボートのチーム(女性含む)組んでグリーンランドまで漕いでいっちゃう人たちとか
アフリカ大陸にがしがし車乗り入れてレースしちゃう人たちとか
馬と一心同体となってサーカスや劇団を結成している人たちとか
すごく片寄ったサンプルによって形作られています。
自然とか動物に対する攻略のしかたが、私たち日本人とは
きっとすごく違うだろうな、という漠然としたイメージなんですが。


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蟻塔

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