罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
やや壊れ気味…。 感情は停滞。 のど風邪で接客が困難。 普段と仕事中の顔が違う…。 すごい作り笑いだわ。 A-ha。
実家から離れて二週間。 驚くほど楽にはなった。 仕事も充実してやってる。 それなのに空虚。
この身体は、望まれた存在だ。 そこそこに仕事をこなし、 そこそこ愛してくれる(なんて言っては悪いが)家族がいる。
でも、それは中身が誰であれ変わらない事で。 例えそれが『僕』でなくとも。 いや、例えなんかではなく。 『本当』だったはずの彼がいなくなって、 『黒』や『僕』が演じていても、誰も気づきはしない。
今にしてわかる。 『本当』の彼が壊れたのも『気づかなかった』事に対するショック。 僕達が押し殺す事に長けていると仮定しても、 気づいて欲しかった。 思いは口にしなければ、形にしなければなかなか伝わらない。 そんな事はとうの昔に知っていたはずだったけど。
…悪循環かもしれない。 このまま『息子』の仮面を演じきる事はすなわち 『気づかれなかった』トラウマを繰り返している事に他ならない。 『彼』の願いを叶える事は…困難だ。
何度か死んでいる筈なのだ。 当然のペナルティかも知れないが。
|