罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
例えば一組のジグソーパズル 幾つかのピースを壊したり無くしたりしたなら その絵は手に入らない 有り合わせで何とかしようとしても 何か失われた絵になるんだ 僕達は何かしらを欠落してる。 まぁ誰だってそこそこの欠損は在るのだろうけど。 余りにもありふれた大事な事を、僕達は何処かへ落としてしまったろうか。 何を欠落したのかは良く判らなかった。 ただ、時に感じる、感じさせてしまう強烈な違和感。 誤魔化すのは慣れてるから問題無い。 適当な演技も容易い。 ただ、心に残る違和感。 どうしても払拭出来ない。 自分の為に生きていたい その感覚だって気付いたのはつい最近だ。 自分自身の事に直結する事象に対して頓着しない。 自身にしか作用しない事はどうだっていいのだ。 他者の利害が絡んで初めてどうしようか考えてる。 死にかけた時哀しかったのも、哀しませてしまった人がいた事が哀しかった。 死ぬ死なないはどうでも良かった。 とても危険な思考であるのは自覚している。 利害によっては死や喪失に対してとても無頓着なのだ。 躊躇い無く死も甘受し、また与えかねない。 生命の営み、それだけでは価値を見出せない。 『不必要』の傷を負った時点から 僕らはそうしなければ絵を構成出来ない 崩壊と爆発の危険を抱えたまま それでも僕はこの街に融けて在る事を望んだ 『不必要』など存在するのかを確かめる為 納得出来たらこのパズルは完成するのかな? 認識するまで僕は彷徨い続ける自動人形だ 壊れるまで
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