罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
孤独。 漆黒。 模索。 探し続けているのは 多分暖かい光。 それが俺を焼き尽くしても。
制圧する技術を。 圧倒する知識を。 打開する知恵を。
悲観する感情を。 楽観する気性を。 無知なる感性を。
絶望する選択を。 反抗する能力を。 甘受する容量を。
欲しい物を手に入れるには対価が要る 失わない為に己を壊し それぞれがまた何かを失っていく 完全が無いのは知っていても 決定的な何かを喪失している疎外感 埋める為にまた何かを捧げるだろう
戦う為の力 知る為の知 使う為の心
心情を理解すればするほどに 理解に苦しむ論理が展開される 見当違いの思い込みが 世界を確実に蝕んでいく 誰も悪くない 誰も善くない 唯誰もが自分は善いモノだと思い込んでいる 願っている そしてそれは決定的な間違いではない そしてそれは決定的な崩壊の要因
自我と他我の障壁を薄くすれば アイデンティティの拡散とその希薄さに耐えられない 自我と他我の障壁を厚くすれば エゴイズムの横行と孤独感に耐えかねる どちらが非でなく どちらも是だ
拡散が日常の俺達にはそれは恐怖ではない だからそれを悟られない為に障壁を厚くする 恐怖を与えない為のエゴだと理解している でも他人を想う事と障壁の厚みは別だと思うから 平和が一番などとは俺は思わないから
戦う為に捧げるだろう。 知る為に捧げるだろう。 使う為に捧げるだろう。 これからも。
しかし、 光の対価は何を捧げるのか?
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