欲望の箱 ■2002年09月08日(日)■ あらゆる自分の欲望を 1つの箱に押し込めて 雁字搦めに鎖を絡めて鍵をかける。 箱の上に自ら腰をかけて 気がつかない振りをして その番をしよう。 箱が何かと問われたら こう言おう。 「随分前からあるようだけど 中身が何かは知らないね」 鍵の存在を問われたら 「関係ないからわからない」と答えよう。 そして 何かの機会に その人は 箱に興味を示すかもしれない。 「コレは何?」と訊かれたなら わたしは待ってましたとはおくびにも出さず おもむろに鍵を取り出して 「興味があるなら 自分で開けてごらん」 そう言って その人に鍵を渡してしまうのだ。 あとは野となれ山となれ。 鍵を開けることを躊躇って その人が鍵をわたしに返したなら わたしはまた知らん顔で 箱の上に座り 幾月の星を眺めて 知らん顔を続ける。
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KATE ささやかでもない一日 マイエンピツに追加 |