■ 日々の歩み。 ■
徒然の考察・煩悩・その他いろいろ発信中。

2004年08月25日(水) なにをいまさら。

 ここのところ、集中力と毎週同じ時間に同じものを見る、という忍耐力不足で、
すっかりテレビドラマを見なくなっていまして。


そんな中、久々にドラマを見て泣きました。
泣くなんて、生易しいものじゃなかったな。嗚咽が止まらなくて、
呼吸困難になるかと思った。しかも、国営の大河だよ。

三谷脚本だし開始初回は見たけど、確かにいつもの大河よりは
気の利いた台詞も多いなと思ったものの、毎回欠かさず見るほどじゃあないよなあ
と思って、実際、今回見たの初回以降2度目なんですが。

あの話は、前半が学園ドラマ並の無邪気で希望に溢れた空気に満ちているほど、
怒涛の後半が面白く、壮絶に切なく活きてくるんだよなあ。
そうだった。佐藤浩市の芹沢鴨暗殺も、見とけばよかった。ちっ。


…なんて、知ったような口を叩いていますが、実は私、新撰組について
まったくと言っていいほど、話を知りません。
主要登場人物くらいしか知らない。


そんな人間が見ても、前回の山南さんの最期は、凄かった。
山南さん役の堺クンの、顎が細すぎて、頭でっかちに見えちゃう
華奢な宇宙人ビジュアルと、泣き笑いっぽい張り付いた笑顔

かなりオモロだったけど、そんなのはどうでもいい。

みんなが山南さんを助けたいと思っていて、でも山南さんは、みんなで
築き上げた新撰組のためにも、武士としての自分の矜持のためにも、
死を覚悟してしまっている。

近藤さんと連れ戻された山南さんが2人きりで話し合うシーン。
近藤さん役の慎吾チャンの目に、涙の膜がずっと張っていて、
でも、決してそれは零れ落ちることがなかった。

あんなに綺麗で切ない泣きの演技、見たことなかった。


山南さんと対立していた(らしい)「鬼の副長」土方さん。
本当は、山南さんを憎んでなんかいないのに、本当はみんなと同じように
山南さんに生きてほしいと思っているのに、組の統率のためには、
自分達が定めた局中法度を破るわけにはいかない。

そんな土方さんの葛藤を誰よりも理解し、「貴方は正しい」と言う山南さん。
確かに色々なしがらみの中、2人は反目しあっていたのかもしれないけど、
誰よりも判りあっていたのか。

自分本来の優しさや脆さと、信念を貫くための非情さの間で揺れる土方さんは
痛々しいくらい切なかった。


優しい嘘をつき続ける明里さんも原田も永倉も源さんも沖田も、
みんな優しくて切なかった。

誰も本当に悪い人なんていないのに、自分達で定めた柵や、
自分自身を律する厳しさに雁字搦めになって、みんなが苦しんで
やがて破滅に向かうしかないなんて、純粋すぎてせつな過ぎる。
夢を追いかけて、夢に縛られて、夢に自滅してしまうなんて
なんて儚くて悲しく、美しいんだろう。

みんな力いっぱい抱き締めてしまいたいほど、可愛くて痛々しくて、
でも、本当に男らしい、サムライなんだよなあ。涙がとまらないよ。


これから、辛く悲しい展開がたくさん待っていることが判っているけど、
それこそがあの話の、面白さなんでしょう。
いまさらながら、嵌ってしまいそうです。


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まめ。 [HOMEPAGE]