城主の日々
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2002年06月26日(水) いつもの暮らしの中で。

今日の日記はこの曲を聴きながら読んでください。

http://www.bvox.co.jp/ram_bv2002/asahi-sinbun-1.ram


喫茶店(?)でのモーニングを食べながら
朝刊の紙面に何かを見つける

サラリーマンの男「・・・・田中?」
男の声に振り向く人たち・・
サラリーマンの男「田中だよ・・・。」
新聞には「田中(真)33歳にして初代表」の文字が。

自然と足早に会社に向かう

新聞を見せながら
サラリーマンの男「コイツ、俺の友達・・」「高校の。」「同じ釜の飯食ったっつーの?」
少し自慢げに会社の同僚に話す

サラリーマンの男「おお〜、見たか。田中が出とった。」
テイクアウトのできるランチを買うための
行列でも携帯で話すのは朝刊の記事の事
サラリーマンの男「ビックリだよ。」

(回想シーン)
夜の高校のグラウンドにて

男「止めとけって、俺らのレベルじゃここまでやって」
田中「それでも俺はサッカー続けて見るから。」

会社からの帰宅の途中、
グラウンドの前で立ち止まり、何かを考えている様子。

帰宅して
新聞の記事を見ながらほとんど抑揚のない声で
妻「へぇ〜、エライね。」

サラリーマンの男「でも俺の方が上手かったんだぜ。」
少し誇らしげに話す男。

夫を見る気配もなく無関心そうに
妻「エライね。」

満足した表情で
サラリーマンの男「・・・・・エライよ。」

「朝日新聞」

このCM、よく流れているのでみなさんもご存じだと思われます。
ていうか泣けます、泣きました。まじで。ほんとうに。
このCMが流れると、ごはんを食べていても何かをしていても
手を止めてじっとみてしまいます。
そしていいようのない哀しみというかせつなさというかなにかよくわからないけど、胸が熱くなるのです。
そう、わたしはこのCMのサラリーマンそのものなのです。
「サッカー」を「音楽」に変えれば、そのまんま。
「田中(真)33歳にして初代表」のところは、さしずめ
「田中(真)33歳にしてミリオンセラー達成」でしょうか?
いや、正確に言えば、わたしは音楽を本気でやろうと思っていたわけではないので、違うのですが。

売れないバンドを地道に応援して売れさすのが半分わたしの趣味だった時期がありました。
そしてバンドが売れようものなら、売れる前から売れるとわかっていたと鼻高々でした。
CMのサラリーマンのように周りに自慢したりして。
わたしはなにをしたわけでもないのに。
まるでわたしがすごいような錯覚を覚えて。
そういうところがCMのサラリーマンそのものなのです。
このCMを見る度に、わたしを見ているようで・・・。

世の中の人の大半は新聞に載らないような普通の人です。

CMの中の田中は夢を追い続ける人です。
サラリーマンは夢をあきらめた人です。
サラリーマンがだめな人とは思いません。
ただ、見てるとせつなくなるのです。

だんだんと夢を追い続けるには難しい年齢になってきました。
それでも、わたしの周りにはがんばっている人は多くいます。

わたしは、サラリーマンです。
だから、これからも普通の生活を続け、
わたしの知り合いが新聞に載るくらい有名になったらきっと
「この人、わたしの知り合い」と嬉しそうに自慢することでしょう。


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