おやつの時間にコーヒーをふるまうのがこのところの日課だ。 ばあばはアイロンかけを終えて家事が一段落するころ。 コーヒー飲む、と聞くと、ばあばは必ずお願いしますと言う。 ゆったりした時間は、たいてい二人ではじまる。
ちょっと前までは手動のミルで時間をかけてガリガリ。 でも今は電動のミルがあるのですぐに豆を挽くことができる。 沸かしたお湯をトポトポとドリッパーに注ぐ。 豆が泡を立てながら雲のようにふくらむ。 少しずつ、褐色の液体が落ちてくる。
匂いにつられてか、タイミングよく お母さんが仕事部屋から出てきて、いい香りね、と言う。 体の調子がよさそうなときは、じいじにも声をかける。 じいじも言葉少なにうまい、とつぶやきながらカップに口をつける。 私もピーナッツをつまみながらコーヒーを楽しむ。
いつのまにか、4人でテーブルを囲んでいる。 思えば我が家は朝食は取ったり取らなかったりだし、 昼食でも学校や仕事で誰かが欠けていることが多い。 下手をすれば夕食でも全員がそろわないときだってあるのに、 食事以外でみんなでテーブルを囲む時間があるなんて不思議。
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