”BLACK BEAUTY”な日々
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Boogie
2006年06月01日(木) |
ルースターズと大江慎也 |
ルースターズのDVDを見る。 2004年のオリジナルメンバーによるリハーサルから、本番のフジロックのライブまでをドキュメントタッチで収録した2枚組みである。
大江以外の花田、井上、池畑は「ロックンロールジプシーズ」でルースターズのカバーをやったりと今でも現役のバンドマンである。
ただ、大江だけは20年近いブランクがある。 大江は「φ」というアルバムを最後にルースターズを脱退した。 色んな噂が当時流れたらしいが、重度の精神障害により、音楽活動の維持ができなくなったというのが真相らしい。
その後、大江は音楽シーンから完全に遠ざかり、博多の実家で農業を行っていたらしい。
再結成のいきさつはスマッシュの日高氏の熱烈なオファーがあったらしいが、20年のブランクをおいて、果たして大江は歌いきりギターを弾ききることができるのであろうか?
DVDは20年ぶりに博多のスタジオで4人が音を出すシーンから始まる。 大江はほとんど声が出ていなかった。音程も外してしまう。ギターもぎこちない。
その後、4人で居酒屋にてミーティングが行われる。 20年のブランクをまざまざと思い知る大江を少ない言葉でフォローするメンバー。
その後、都内での何度かのリハが行われ、いよいよ本番のフジロックを迎える。 本番においても大江にはかつて、狂気と正気のはざまを歩くようなカリスマ性はまったくなかった。 知らない人が見たら、爆笑問題の田中によく似たおっさんがヘタクソな歌を歌っているようにしか写らないだろう。
だけど、俺はそれでも満足だった。何より大江慎也が再びステージに上がることなど到底考えられなかったし、何度ものメンバーチェンジを経てもルースターズとはこの4人のバンドである事を改めて思い知ったからだ。
それにしても、大江はダメダメのまま本番に挑んだ。 ある意味大江慎也らしい潔さも感じた。 買って損しない作品である。
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