おもう |
10代の頃の闇は深くて抜け出せることなんてないんだと思い込んでいた。 折り合えない自分に悩み、ここではないどこかを夢見ていた。 今考えると本当にちっぽけな悩みに精一杯で、それが全てだと思っていた。 ここにいる自分はあの頃の私が思い描いていた理想で、 ここにいる自分はあの頃の闇を気がつくと抜け出せていて、 それは喜ぶべき成長なのに、なんでだろう、考えると鼻の奥が少しツンとした。
あの頃抱えていた闇はだけどそれこそが私で、愛すべきものだった。 愛せはしなかったけれど。 失くしてしまったものにひとはようやく気づき後悔をする。 今までどれだけの人がこうやって後悔をしてきたのだろう。 正しく進める道なんてわからないから生きているというのに、 私たちは思い出し悔やみ続けている。
思い出し悔やみ続けるために生きている。
正解を下さいなんて言わないけれど、もたれかかれる存在が欲しい。 強がってしまう私にちょうどいい木陰なんて見えない。
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2006年05月05日(金)
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