紫
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新しくできた父の位牌と小さな骨壷が、壇上に並べられました。
そこに供養されている位牌とお骨の数は、想像していたよりも意外と少なく、これならいつ来ても父の位牌を探し出せそうです。
永代供養。
ほかの人たちの骨といっしょに父の骨が一つの壷の中に混ざるのかと思っていましたが、この1年、家のお仏壇にいたときと同じように、父のお骨はそのまま。
聞くと、大きな骨壷は壇上に並べるスペースがなく、すぐにほかの骨といっしょにされることがあるとのことでしたが、小さな骨壷はできるかぎりそのままそこに置いているとのこと。
あぁ、よかった。
この1年。
お墓をどうしようか、どこのお墓に入ってもらおうか、など母を悩ませ続けてきた父のお骨。
いろいろと考えた結果、永代供養を選びました。
お寺に向かう車の中で、母が言いました。
「釣りが好きだったから、海にまいてあげてもよかったね」
それも、よかったかもね。
でも、こうしてお参りに行ける場所があることも、残された者にとって大事なんだな、と思います。
いつか母がお骨になったときも、父のお骨の隣に置いてあげよう。
そんなことを考えていたら、またまた母。
「私は、あの寺に永代供養してもらわなくていいからね」
……え……?
「私は六甲山にまいてよ」
……は……?
とりあえず、母がお骨になったときにあわてないように、今から散骨の方法を調べておかないと。
去年の葬儀の日と同じくらい暖かい暖かい今日。
「やっぱり、悪い人じゃなかったんや」
母がつぶやきました。
そんな私も、1年経って、ようやくおだやかな春を迎えられそうです。
久々に「青春18切符」を使いました。
岡山県の「日生(ひなせ)」まで。
何をしに行ったかというと、2〜3年前から有名になりつつある「カキお好み焼き(カキオコ)」を食べに。
比較して食に対する欲求が少なく、かつ少食な私ですが、この冬、毎週のように、いえ、毎日といっていいほど、カキオコの話を聞かされ、そして、同じ町にある水餃子のジューシーさを説明され、刺身を食べさせてくれる魚市場もあり、在来線で2時間ほどで着く町「日生」に、どんどん興味が傾いていきつつあた冬のある日……、友たちに声をかけてしまいました。
「18切符で日生に行こう!」
1月下旬に決めた日生ツアー。
やっときょう、実現しました。
カキオコの店「もりした」は話好きな店主と、それを仕切る女将さんとの会話が楽しく、もちろんカキオコもおいしく、ペロリとまではいきませんが、珍しく全部食べられました。
でも、満腹!
腹ごなしに「みなとの見える丘公園」まで登り、絶景に感嘆。
午後になっていた市場にはカキ以外の売り物はなかったけれど、しばし休憩タイム。
水餃子の店「山東水餃大王」は、中国に住んでいた友にしてみればイマイチだったらしいけど、私はおいしくいただきました。
こんなふうに食べてばかりの1日。
私の胃袋にしては、よくがんばったな。
でも、何がいちばん楽しかったか、というと、友といっしょに電車の旅ができたこと。
楽しい楽しい1日。
こんな旅、これからも、たくさん、していきたいな。
おやすみ。
地球上に香るにおいって、いくとおりあるのでしょう。
花の香り。
土の香り。
風の香り。
夜の香り。
自然の香りはたくさんあります。
たくさんあるけれど、今の時代は制限のある香りになりつつあります。
このなかで、香りを重宝した平安時代の香りって、どれだけ残っているのでしょう。
香りって、その時を思い出す格好の材料だな、って思います。
きょう、久々に友の手によって、バイクのエンジンがかかりました。
私の懐かしい香りが、アクセルをまわる音とともに、ぷんぷんと。
あいにく、私はバイクのエンジン音を聞き分ける耳はありません。
友が「安定してきたよ」といいながら、バイクをふかすけれど、よくわかりません。
でも、この香りはわかります。
あぁ、バイクの香り。
今年も、走るよ。
どこか、大地を。
旅、できるようにしてくれて、ありがたとう。
ひとり旅、最高です。
おやすみ。
思いがけず、友の結婚記念日に同席することになりました。
この友とは、もうかれこれ20年ちかい付き合いになります。
20年近い付き合いになるけれど、けっこう頻繁に会うようになったのはこの2〜3年。
私の仕事の都合だったのでしょうか。
友の結婚披露パーティーにも参加できず、もう年賀状友だちになりつつあるのかな……、と思っていた友でした。
それでも、私が大阪に来て、旅人たちとの交流を再開し、私の古い仲間たちともまた「遊び」を深めていくうちに、友とその家族ともまたよく会うようになり。
今では、友の家族全体が大事な「友」です。
そして、きょうはその友夫妻の11年目の結婚記念日。
今度、高学年になるおしゃまなおねえちゃんと、もうすぐ小学生になるやんちゃな弟くんが、ピアノを披露してくれました。
あぁ、なんだかその一生懸命さに、ありがとう。
そして、プロのギタリストさんが演奏。
しみじみ、しみじみ、とした夜。
とてもとても、いい時間を過ごせました。
こんないい時間を与えてくれた、友とその家族に、やっぱり。
「ありがとう」。
いいよね。
たまには、こんな時間、過ごしても。
おやすみ。
ケータイの「ご利用料金のご案内」が届きました。
ふと「ご契約期間」をみると今月で10年2カ月。
このケータイ電話会社と契約する前は「東京デジタルホン」。
今でいう「ソフトバンク」に当たるのでしょうか。
家庭の電話のような大きさの機種を、みんなに笑われながらも使っていました。
それから思えば、ケータイって、小さくなったなぁ。
いちばん始めのケータイは「PHS」。
いわゆる「ピッチ」です。
これはちっちゃかったな。
なーんて、私の持つケータイの変遷を思い出していたところ。
ふと。
気づきました。
以前、日記にも書いたけれど、私が初めて携帯電話にあったのは小学校の3〜4年生のころだったと記憶しています。
新しい物好きの父が、携帯電話をもらってきたのでした。
自宅から半径2キロ以内しか通じない、なんの役にも立たない携帯電話。
あの、家の電話よりも大きかった電話が、こんなにコンパクトになるなんて。
ちょっと不思議。
でも、科学は進歩しているんですね。
おやすみ。
東京に住んでいたころ、遠方から遊びに来る私の友が行きたがっていたところは、もっぱら「ディズニーランド」でした。
今から思えば、パスポートを買っていればよかったと思えるほど、年に何度も足を運んでいました。
キャラクターのキライな私ですが、ディズニーランドではまったく違います。
ミッキーマウスやドナルドダックを見つけると、手を振ったり写真を撮ったり。
それだけ、私には夢の国でした。
きょう、ふと、思いました。
ディズニーランドや原宿、明治神宮や東京都庁に行ってみたい、という友はたくさんいたのですが、もともとの東京の名所「上野動物園」に行きたいという友はほとんどいません。
というよりも、私の覚えているかぎり、1人、だけ。
子どものころから動物園のにおいがキライな私も、あえて動物園をすすめることはしませんでした。
だって、ディズニーランドだって、ネズミやアヒルやクマがいる動物園みたいなものだもん。
なーんて言い訳は、今、考えたこじつけですが、上野動物園。
けっこう楽しいです。いや、ホント。
ということで、今日は「東京都恩賜(おんし)上野動物園」が開園した日。
1882年(明治15年)だったそうです。
開園当初から生きている動物って、いるのかな?
残念ながら、そこまでは私の興味が届かず調べていませんが。
おやすみ。
朝、起きてからの一秒一刻が、去年の今日を彷彿させます。
駅までバスに乗っている時間。
あのとき、父にはまだ意識があったっけ。
「しんどい」って聞くと、首を振ってくれたっけ。
大掃除をしている時間。
看護師さんがやってきて、父の意識レベルを何度も確認していったっけ。
無言で聴診器を当てて、父の肺の音を聴いていったっけ。
少し買い物をして帰ろうと思っていた12時40分。
友たちに会いました。
これから食事に行くとのこと。
いっしょにどうか、と誘われ、少し迷いましたが、着いていくことにしました。
なんとなく、ひとりで、その時、を迎えるのが怖かったからです。
総勢9名。
あちこちで笑い声が聴こえるなか、13時40分。
そのとき、私は、いったいどんな表情をしていたのでしょう。
最後の1時間は、ずっと心電図を見つめていた私を思い出しながら、今年は友のにぎわいを聴きながらそのときを迎えました。
ふと、思いました。
母は今、どうしているかな。
家で、ひとりで、父と向かい合っているんだろうな。
なんとなくむしょうに申し訳ない気持ちになり、一足先に帰ってきました。
母が食べたいと言っていた「点点」の一口餃子と、刺身盛り合わせを買って。
おだやかな春を迎えられるはずだったのに、今日はあいにく寒い1日。
そういえば、去年の今日も、寒かった、な。
おやすみ。
2008年03月18日(火) |
誰も知らない。何があったか、誰も。 |
なんにも知らないくせに。
おやすみ。
今月に入ってから、去年の今ごろの日記を、読むことが多くなりました。
そして、私は、毎日、夜、泣いているような気がします。
ということは、毎日、読み返しているということでしょう。
そんなつもりはないのにね。
先日、私の悔しい気持ちと、人に聞いてもらいました。
それでも、すっきりしませんでした。
いつか、すっきり、とは言わなくても、納得する日がくるのでしょう。
でも。
私はいつまでも「すっきりしない気持ち」を覚えていようと思っています。
だって。
誰もがそんな気持ちで、大事な人の死に寄り添っているのですから。
………。
おやすみ。
明日、二十歳になる友のバースデーパーティーをしました。
もちろん、サプライズで。
感情を素直に表現できる彼女は、とてもとても喜んでくれました。
そんな笑顔に、私たちもにっこり。
人を笑顔にさせてくれる笑顔。
二十歳になる友の屈託のない笑顔は、百点満点です。
これからも、よろしくね。
おやすみ。
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