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観劇三昧その二 - 2003年10月13日(月)

横浜日劇の概要は、写真を含めてこのページをチェックしてもらうと良いだろう↓

神奈川新聞のあるページ

横浜日劇は上記ページにあるとおり、神奈川県内で営業している中で最も古い映画館で、内装は替わったというものの、その内装たるや純然たる映画館と言う感じで、最近シネマコンプレックスと言う形で新しいビルだの商業施設に入っている映画館とは全く異なっている。横浜の中心部には、このような古めかしい映画館がまだいくつか残っているが、スクリーンのある舞台がタイル張りだったり、トイレに行く際は客席の横を通っていくなどの構造は、正に見たことの無い造りである。現在、横浜日劇は横浜日劇を拠点に市内に映画館6館を抱えている。私は以前、横浜日劇の向かいにあるシネマジャック(横浜日劇系列)で映画を見た記憶がある。私の感知している横浜日劇は、どちらかと言うと洋画専門館で、洋画をそれ程好んでみる方でない私は、今まで入ったことが無かった。ただ、この映画館の二階に濱マイクの事務所セットがそのまま残っていることは、当然以前から知っていた。

さて、濱マイクシリーズについてであるが、私が濱マイクシリーズを知ることになったのは学生時代である。暗い浪人時代、私はよくビデオを借りて夜な夜な映画を観ると言う暗い息抜きをしていたのだが、その頃から邦画を観始めた。それまでは一般の人々同様、「邦画なんて」と言う姿勢を取って来たが、観てみると「今までの自分は、単なる邦画食わず嫌いだった」と言うことを認識し始め、今では

「一番好きな映画は邦画かな」

と言う風になった。これに同意する人は殆ど会ったことが無いが、それは邦画を観ると言う人が殆どいなかったからだろう。邦画に対して消極的なイメージしか持っていなかったのは私も同じだし、趣味を押し付けるのも趣味じゃないし、そもそも相手が殆ど興味を感じていないのが分かってしまう時点で、話にならんから熱心に勧めるなんてことは殆どしたことが無かった。

濱マイクシリーズを好きになった理由は、主演が永瀬正敏であること、監督が林海象であること、舞台が横浜であること、の3点であろうか。

学生時代、休みのたびに東南アジアを旅行していた私だが、林監督の当時の作品はアジアからの流入者を描いたものが多く、そんな私の趣向に合ったようである。私が最も好きな俳優である永瀬正敏が出ていたのも当然大きい。と言うより、手に取ったのは林監督-永瀬正敏と言うコンビが作っていたからだろうか。舞台が横浜であるというのは、都内の学校に通い続けた私にとってはあまり必然性は無いが、学校を終えて結局横浜に就職した私は、横浜に潜在的に愛着を持っていた。特に、全くおしゃれな横浜からはかけ離れた、言ってみれば本当に「港町ヨコハマ」が香る歓楽街である京急沿線の日の出町から黄金町の雰囲気は、正に魅力が満載と言う感じだった。

濱マイクシリーズは、横浜日劇の2階を改造して作った部屋を事務所にして、私立探偵稼業をしている地元の元不良・濱マイクが主人公の映画である。舞台は横浜黄金町一帯であり、近所の酒屋などがそのまま使われている。マイクは子供の頃母親に捨てられ、横浜日劇の福寿祁久雄に引き取られて育ったという経緯を持っている。因みに福寿祁久雄は実在の横浜日劇支配人である。その縁で横浜日劇の二階に事務所を構えているということである。福寿祁久雄は映画には出てこないが、製作には参加しているらしい。

その濱マイクシリーズを、何とその映画の舞台である横浜日劇で観られるのである。これを逃す訳が無い。とそれはだいぶ上で書いたが、そんな訳で私にとっては「念願叶ったり」と言う心境だった。

濱マイクシリーズ三部作は、必ず最初に依頼人がマイクの事務所を訪れるというシーンから始まる。カメラワークは、いつも横浜日劇の全景が入るアングルである。その場所で足を止めて、横浜日劇を観る人が、今日は多い。ファンだろう。

依頼人は二階のマイクの事務所に向かおうとするが、かならずもぎりのおばちゃんに「ちょっとあんた、映画館に入るならそこで入場券買ってもらわないと」と言って止められる。依頼人は「私は映画を見に来たんじゃなくて、二階の探偵事務所に用がある」と言うが、「映画を見なくても映画館に入るなら、入場券を買わねばならない」と言うおばちゃんのロジックの前に敗れ、映画館入口にある味のある券売り場で券を買い、おばちゃんに券をもぎってもらって二階のマイクの事務所に行く。

マイクの事務所に入った依頼人はマイクに仕事を依頼。その後、マイクは階下に降りておばちゃんと軽く話した後で、劇場前に常に置いてある愛車、メトロポリタンに乗り込んで劇場を後にする。必ず最初に前進して、右に切り返し、そしてハンドルを左にして走り去る。そのとき、オープニングテーマのサビが流れている。

と言うのを、彼女に劇場の前で説明。メトロポリタンも今日は特別の日と言うことで置いてある。

「この車がまずあそこまでキュッと出て、それでこっちに切り替えして、左折してこの道をブーンと走っていくんだ。」

メトロポリタンの前で記念撮影している女性ファンもいる。

劇場内に入ると、特別グッズと言うことでSwoopと言う雑誌を貰う。これは横浜ローカルのダブロイド雑誌と言う感じで、この号は全ページにわたって濱マイクが特集されている。中々クールな紙面だが、中身の記事も中々興味深かった。

映画館内では、まだ「わが人生最悪の時」を上映中だった。私と彼女は場内に入る。予想はしていたものの、座席はほぼ満席だった。やはり固定ファンが多いのか。

DVDを3作とも持っていて、何度もこの3作を見た私には、入った途端に台湾マフィアの兄弟と兄の嫁役の南果歩が出ているシーンを見て「ああ、もうこんな場面か」と言う風に思う。私の記憶どおり、ちょっとしたらクライマックスがやってきた。一作目から見られれば、と思ったが。

休憩時間、私はマイクの事務所を見学する長い列に加わった。この事務所は今度撤去されてしまう。これが最後のチャンスである。先ほど、カメラ機能を持ったクリエを持って走ってきたのだが、落としてしまって買ったばかりのクリエの首がグラグラしてしまっているのがいささかブルーだが、とにかく映画で依頼人が上っていく、マイクが駆け下りてくる階段を上り、看板で仕切られた事務所に入っていく。

事務所内はマイクの机や、今は亡き前横浜市長高秀秀信から表彰された表彰状なども掲げられている(これは三作目にチラッと出てくる)。横浜日劇に合うレトロな小道具や、窓から見える客席など、まさに映画で見たとおりだ。10人で3分ずつの見学時間の間に、ファンは必死に記録をカメラに残そうとしている。注意書きに「物に触れないで下さい」などとあったが「写真やビデオはご自由にお撮り下さい」と書いてある。人数を区切って若干の説明を加えていた初老の男性がいるのだが、恐らくあの人が支配人の福寿氏であったと思う。質問とかすれば良かった…。

2作目、「遥かな時代の階段を」が始まるので、私と彼女は席に戻った。

2作目、「遥かな時代の階段を」は、一作目では殆ど触れられなかったマイクの生い立ちやそれを取り巻くエピソードが物語の中心となる。2作目では、川の利権争いにマイクは巻き込まれるが、そこで父親と母親に出会うことになる。父親は劇中で「白い男」と呼ばれている川を支配する闇のボスで、母親は黄金劇場(実在する)に出ていたストリッパーである。岡田英次・鰐淵晴子と言う豪華キャストが両親だ。

川と言うのは、黄金町にも流れていて、私の会社の前に河口を開いている大岡川である。川はかつてから麻薬ルート、犯罪者の逃亡ルート、売春婦の流通ルートなど、数々のアングラな取引に使われている、言ってみれば闇の宝の川である。川の利権は「白い男」が握っており、川には地元のヤクザや警察も手が出せない。大岡川沿いの商店なども全て「白い男」の傘下にいて、手出しするものは容赦なく殺されると言う世界だ。

「白い男」は戸籍が無く、戦後復員してきて黄金町に流れ着き、そこで闇市を仕切るまでになった。川の利権を握っていたヤクザをたった一人で全滅させ、GHQと取引をして川の利権を得、それ以来川に君臨して来たと言う設定だ。

当然、この白い男と言うのは林海象の創作であると思うが、モデルとも言えるべき人物がいたらしい。戦後の野毛闇市を仕切ったテキヤの大将で、そのことは劇場に入った際に貰ったSwoopに詳しく書いてある。桜木町一帯を仕切った肥後組組長・肥後盛造と言う人物である。

米軍に接収されまくった横浜の中で、唯一接収されなかったのが、今も飲み屋街が広がって私も度々飲みに行く野毛である。ここで闇市が形成され、それを仕切ったのが肥後盛造だったそうだ。肥後組は博打の鶴岡組と「血で血を洗う」抗争に明け暮れたと言う血腥い極道そのものの世界を生きてきた完全なヤクザある反面、カタギ衆に手を出すことはせず、特に組長肥後盛造はしょっちゅうビシッとした身なりで野毛を歩き、問題を自ら解決する人望家だったようだ。この辺は一般人と全くかかわりを持たない「白い男」とは異なる。現在も肥後組は横浜の露天商を仕切っているらしい。

2作目は私もかなり好きな映画である。大岡川が物語の中核を占めるので、風景もあの界隈を良く映している。第一作目はモノクロだったが、二作目からはカラーになる。黄金町だけじゃなく、山手の方も撮影されたり、一応幅広い横浜が描かれる。

白い男に追われるマイクは、横浜中を逃げ惑うが、最終的には白い男(父親)と対峙し、結局生還する。白い男は死に、マイクの宿敵である帰化日本人ヤクザである神野(佐野史郎)に川の利権は渡るという結末になるものの、とりあえず母親と茜の初の対面もあったりと、中々微笑ましい。

2作目が終わり、次はいよいよ最終の「罠」である。私は売店でビールを買い、さらに写真集まで買ってしまった。館内に戻ると、館内からマイクの事務所をカメラで撮っている人とかもいる。Maiku Hama Detective Officeと、モロローマ字で「Maiku」と書いているが、これはわざとそうしているような気がする。何しろ、濱マイクは本名と言う設定なのである。日本人の普通の名前、のように扱っている気がする。

3作目、「罠」。これは横浜黄金町の露出度は低下する。サイコ系のノリになる映画で、永瀬正敏が二役で出ていたり、悪役である山口智子の比較的艶かしいシーンが出てきたり、マイクに真面目な恋人が出来たりと、今までの流れからすると若干趣が異なる。また、二作目で敵だった杉本哲太は、今度は麿赤児扮する中山刑事の部下としてマイクを支える役回りに転じ、さらに一作目で敵として、二作目で川の利権を手にした黒狗会組長の神野役をしていた佐野史郎は、マイクの彼女がボランティアをしている教会の神父役で出てくる。そのまま「杉本」と言う登場人物役で冷酷な悪役を演じていた杉本哲太と、これまた冷酷なヤクザを演じていた佐野史郎が、180度転回した役回りを演じているのも面白いところだろう。

3作目で比較的目立つのは、ナンチャンこと南原清隆が演じる白タク運転手星野、それから師匠役で劇中の役目もそのまま「宍戸錠」と言う宍戸錠である。特にナンチャンは今作では大活躍で、私が一番好きな、

「物凄く困ってる時だけ俺に電話してくるのやめてくれない」

と、愛車を運転しながら無気力にマイクに言うセリフは、喋り方も間の取り方も、かなり上手い。看護婦の変装をしたナンチャンも、妙に肩幅が広くて笑える。

南原清隆の演じる星野は、普段は白タクの運転手をしているが、マイクの要請で収集した情報をマイクに流している。マイクはこの情報を探偵稼業に使うわけであるが、星野の人を食ったキャラクターは、濱マイクシリーズでは重要な位置を占めている。マイクは私立探偵を一人でやっているとは言え、実質上は星野とコンビを組んでいると言っても良いかも知れない。林海象が何故ナンチャンに目を付けたのかは不明だが、私は当たり役だと思っている。

ナンチャンを重要人物と位置づけられているのは、誰がこの映画を見ても明らかに分かると思うが、Swoopにも横浜で最も長く個人タクシーをやっているタクシー運転手が取り上げられているのが、中々嬉しい。

三作目までが終わり、横浜日劇の一日も終わった。席を立って私も映画館を出たが、今日はやはり濱マイクシリーズのファンが集まる日ゆえ、横浜日劇の外観を時折振り返りながら帰る人ばかりだった。普段は映画館を振り返ることなどしないだろうが、今日だけはいつもと違う。私にしても、車に行くまで3度ほど振り返ってしまった。


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観劇三昧その一 - 2003年10月12日(日)

本日は、恐らく2年以上振りとなる新谷さん(サークルの先輩)の舞台を見に行った。新谷さんは私が所属したサークルの45代目の会計をやっていた方で、卒業後は柄本明が座長である東京乾電池に所属している、所謂「芸人」である。最近は新谷さん自身、あまり舞台には立っていなかったようなのだが、この秋の連休で東京乾電池内の若手ユニット「ヤニーズ」の第六回公演に出演することになったとの情報を、後輩野中から得た。因みに「ヤニーズ」とYahooで検索してみると、ジャニーズばかり出てきやがる。これを狙っているのか否かは分からないものの、例えば「2ちゃんねる」の演劇掲示板でのヤニーズの評判は高い。

劇場は下北沢の小劇場である。今回は彼女を誘ったのだが、下北沢はウチからだと明らかに電車で行く場所である。というより、どこからでも電車で行く場所だと思うが…私も当然電車で行こうと思っていた。しかし、昨晩土曜出勤から帰って来て(しかも終電逸して途中からタクシー)、インターネットを見ていたら、こんなものが目に入ってしまった。

濱マイクの事務所が消える3日間<シリーズ3本立て>

横浜随一の風俗街を有する黄金町に、横浜日劇と言う映画館がある。ここは普段は洋画をリバイバル2本立てとかで上映している場末の映画館であるが、永瀬正敏主演で、当時「単館上映映画観客動員数史上最高」と言う金字塔を打ち立てた「濱マイクシリーズ」を上映し、かつその舞台にもなっている、ファン溜飲の「濱マイクの聖地」でもある。濱マイク探偵事務所のセットは横浜日劇に残されていたが、今度二階部分(映写室と探偵事務所のセットがあるフロア)を改装することで、何とこの事務所セットが消えてしまうらしい。そのメモリアル企画として、この三連休で改めて濱マイク三作の上映、並びに最後の事務所見学の機会が持たれると言う。

これを逃すわけには行かない。例えば私が北海道に住んでいても、これを知ったら三連休に横浜に訪れるであろう企画なのに、横浜に住んでいる私が行かずしてどうするんだ、となるのは当然である。

ただ、これを最後まで観ると、映画館を出るのが22時になってしまう。彼女とメシ食ったりしているうちに、昨晩同様電車が終わってしまいかねない。

という訳で、昨晩の休日出勤⇒タクシー帰りと言う悪夢を繰り返さないために、車で出かけた。ハッキリ言って、都内に車で行くのは得策ではないのは百も承知であるのだが…。

さて、車で家を出た私だが、順調に下北沢までは到達するものの、駐車場などまるで見つからない。毛管路地が張り巡らされている下北沢で、しかも休日で狭い道は人がたくさん。こんな道を車で通るのは無謀であるが、そんな道でもデカいベンツが走っていたりで迷惑千万である。しかも踏み切りの前で停めるなバカ。

結局隣の世田谷代田周辺に結構ある駐車場の一つに停めて、電車で下北沢に向かうというバカな行為をしてしまう。

彼女はすでに下北沢に到着しており、劇場にまで着いていた。まあ、劇場は駅前だが。

喫茶店で時間を潰し、本多劇場グループの一小劇場である、下北沢OFF・OFFシアターに向かった。ここは以前来たことがある。

彼女にとって、このような小劇場で舞台を観ると言うのは初めての経験である。といっても、私だって新谷さんが劇団員をしていなければ、恐らく観ることは無かっただろう。私は新谷さんの舞台以外を観たことが無いので色々言うことは出来ないのだが、小劇場の舞台を初めて観る人にとっては、このような演劇は今まで知らなかった世界を垣間見る言う状況になると思う。テレビや映画とは全く違う。私自身、来週結婚する同じく一年先輩でサークルの部長だった岩武さんから「行ってみろ」と言われて行ったときは、まるで異空間と言うのを感じたものである。狭い劇場に観客がひしめき合って、舞台では全く名前も顔も知らない「芸人」が、それぞれの役回りを演じているのである。小劇場はマイクも使わないし、芸人も無茶苦茶近くにいる。幕は無いが、照明を消すことで幕の代わりになるのである。因みに私が新谷さんの舞台を見ていて好きなものの一つは、一番最初に全く何も見えないくらいに照明が落ちて、次に照明が点いた時には舞台で役者が既に配置についていると言うもの。一気に芝居に引き込まれる。

さて、今日の話は、いつも通り、良く分からない状況設定である。

あらすじ:

妻と死に別れ間際の男・テツオ。彼は最愛の妻の死の床の傍にいる70代の老人であるが、細胞の成長が人より2倍遅いという関係上、70でも30代の体を持っている。結局妻が亡くなって途方に暮れるが、実は妻に惚れる前に、初恋で無茶苦茶惚れた女がいたらしい。その女は死んだ妻と知り合う切っ掛けをもたらした人物で、落ち込む親父を見かねた息子は、その女性を探しに行ってみようと旅を持ちかける。こうして、息子と一緒にテツオは思いでの地、函館へ向かうのだった。

って、全然イントロだけなんですけど、新谷さんはここまでの話では出てこず、青函トンネルを通過中の快速「海峡」の座敷列車に乗り合わせた、水産加工工場の跡取り息子(だったかな)の役回りで出てくる。主役ではないが、いつもの通り、オイシイ役だったと思う。あの役は新谷さんにしか出来ない役回りである。

新谷さんは東北人と言う役回り上、セリフはすべてが東北弁である。新谷さんは兵庫県出身の関西人で、高校からこっちであったものの、東北に住んだ経験は無い、筈である。多分そうだよな。しかし、セリフの東北弁は彼女曰く「完璧」だったようだ。と言うのも、彼女の両親は秋田出身で、今でもお母さんは田舎から親戚が来ると、モロ秋田弁になるらしい。それを聞いて育った私の彼女は、東北弁を解する日本人としてかなり上位に位置していると言えるだろう。

さて、舞台そのものの楽しみに話を戻すとすると、舞台と言うのはテレビや映画と異なり、舞台そのものが立体的かつ広がりを持っているという特徴がある。クローズアップなどのカメラワークは勿論無いが、舞台の隅から隅まで使って、役者が色々な動きを見せている。

例えば、テツオと息子のトオルがやり取りをしている脇で、スポーツ新聞を読んでいる自殺志願者サオトメが、二人のやり取りを聞いている。テレビなら、サオトメまで映していては人物が小さくなってしまい、あまり良く分からないカメラワークになるところだ。ワイド画面の映画スクリーンでも同様である。しかし、舞台は私の視線を左右させながら、テツオとトオルの他愛も無い会話を笑いながら見せつつ、その会話を盗み聞きするサオトメの面白いリアクションも見せることも出来る。つまり、舞台はどの部分も全く無駄に使われておらず、セットが全然変わらないのに、役者の演技によって舞台自体の表情が色々変わるのが面白い。

支離滅裂に見えるストーリーも、最終的には完結するのも、これまた面白い。舞台は多くの視点があるが、それが最終的に集約するのは、映画で言うとガイリッチーと言う風情も感じられる。

上演時間はいつもより若干長めの1時間半強だったような気がするが、非常に久し振りに観た芝居は面白かった。初めて芝居を観た彼女は劇場を出た後何度も「初めてこういうの観たけど、面白かったな」を暫く言い続けていた。

車を止めてある環七沿いのコイン駐車場から車に乗り込み、次は一路黄金町を目指す。環七⇒目黒通り⇒第三京浜と入れば、あとは馴染みのある横浜市内へ急ぐのみ。道は混んでいないと思いきや、やはり三ツ沢出口を出ると、いつもの通り浅間下交差点で渋滞。もうすでに3本立てのシリーズ第一作「我が人生最悪の時」は始まっているが、これは最初から諦めていた。

桜木町駅前で右折して日の出町駅で京急のガードをくぐり、京急に並走。魅惑の大風俗街・黄金町に到着。黄金町に来るのは昨年暮れ以来。黄金町の風俗街じゃない側は実は野毛山にへばりついた閑静な住宅街で、そこに会社が一棟アパートを借りて、パキスタンから派遣された出張者を住まわせているのである。ワンルームマンションだがロフトもあり、非常に清潔で、俺をロフトに住まわせてくれとお願いしたいほどの部屋だった。そこに何人かの日本人スタッフが呼ばれ、パキ料理を振舞われたのだ。美味かった。

で、今回は大岡川を渡ってすぐ左に入るブロックを目指す。目指す横浜日劇は、このブロックの中心にある。

私は横浜日劇の近くの駐車場に車を止め、いざ憧れの横浜日劇を目指した。


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教育関連ネタ - 2003年10月08日(水)

その一 ゆとり教育 見直しへ

当たり前だボケ!学校は勉強するところだ。読み書き計算くらい徹底して教えろ。子供全員が分数の計算くらいできるようになってから、総合学習でも何でもやってくれ。

その二 いじめ教諭 告訴へ

“訴えによると、男児は5−6月、曽祖父が米国人なのを理由に「けがれた血だ。自宅マンションから飛び降りて死ね」「まだ死んでいないのか。きょうやるんだぞ」などと教諭から繰り返し自殺するよう要求された。また下校時に教諭は、鼻血が出るほど鼻をつまみ回す「ピノキオ」など「5つの刑」と称した暴力から男児に選ばせ実行、何度もけがをさせた。”

これに対して男児の両親は、県とこの教諭に損害賠償1300万円を要求しているらしい。

いや、金じゃなくて、この先生に「5つの刑」から一つ選ばせた方がいいんじゃないか?

刑その一 公開による投石処刑(パキスタンでの売買春罪)
刑その二 ムチ打ち100回(大抵数回で気絶・100回を待たずにショック死で絶命)
刑その三 ピノキオ10年
刑その四 鼻血10年
刑その五 金庫10年(植田まさしのマンガネタであった)


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内定式! - 2003年10月01日(水)

もうだいぶ昔って感じ。

今日も忙しかったぜ…。


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足つぼマッサージ - 2003年09月29日(月)

今日は中華街に行った。と言っても、別に中華料理を食べに行った訳ではなく、足つぼマッサージに行ったのである。

最近は忙しくて体調もよろしくなく、先週金曜日は会社の医務室で苦手な採血もかましてしまった。本日、その結果が出たのだが、体は弱くともそれは大袈裟だからだ、と言わんばかりに健康診断で妙な結果が出てこなかったのに、先週金曜の結果は中性脂肪が基準を大幅に超える量で検出されてしまった。小太りでもなんでもない体格で、これはどういうことかと思ったが、

「まあ食後に計ったからこれ位出たんでしょう」

等と言われた。その他は異常無かったけども。

まあこれが本日会社を出た後に足つぼマッサージに行く切っ掛けになったのは言うまでも無い。前から行こうとは思っていたけど。別に足つぼマッサージで中性脂肪が減るわけじゃないのに。

足つぼマッサージの店など、横浜には無数にある。ソフトタッチの英国式もあるが、やはり土地柄から中国式、その中でも激イタ台湾式が主流のような気がする。ただ、本日行った店は中華街にあるが別に中国人がやっているような店ではなく、沖縄をテーマにしたような店である。店の名前はニライカナイだ。ホームページは各自調べるように。

ホームページを見ると案外大きいような気がしたが、実際はマッサージ台が二台しかない、非常に小さい店構えである。私が行ったのは午後9時過ぎだったが、既に先客が入っており、今からだと9時45分くらいの案内と言われてしまった。せっかく石川町(桜木町から二つ磯子側、ウチとは反対方向)まで来たので、それでお願いしますと言って、中華街をブラブラして時間を潰す。料理店は既に大半が店を閉めているものの、みやげ物やなどはまだ開いている。私はその中の一軒でプーアル茶とジャスミン茶を買った。学生時代、よく大久保のアジア食材店でジャスミン茶を買ったのを思い出して。

時間が来たので店に戻り、暫く待ってマッサージが開始された。ここは悪いところをメモ書きして教えてくれると言うところじゃなくて、一通りマッサージをしてくれるところらしい。壁に貼ってある足つぼ図のようなものを見ながら、痛いところなどを確認する。その中でも案外痛かったのが胃・すい臓・十二指腸の辺り。消化器系だな。あとは脾臓の当たりも中々痛い。あとは足の甲は全体的に痛かったが、これは足の甲は肉も薄く、更に普段攻撃に晒される事も無いからだと思う。

足にはアロマオイルを塗り、それで細かくマッサージをする(因みに30分コース)。土踏まずの輪郭を強くなぞってもらうと、何か老廃物が押し出されるような気がしてくる。

確かに若干痛いものの、だんだんウトウトしてきた。やはりかなり気持ちいいな。

最初は左足をやったのだが、右足に移るときに両足をそろえて比べられる。左足はうっ血が見られないので、血が足に下っている右足と明らかに色が違う。ああ、全然違うな、と思う。

右足も丹念にマッサージされたが、やはり消化器系の位置が凝っているようで、マッサージをするお姉さんもそこを幾分集中してマッサージをする。結構しつこくやったからか、次第に痛くなくなった。コリが解消されたのだろうか。

30分コースはヒザまでだ。特にヒザ小僧をグリグリされるとくすぐったいが、このような関節は乳酸などが溜まりやすいと聞いたことがある。ということは、関節の集中する足は、それが特に顕著なのだろうな。

30分を過ぎて終わった。足しかマッサージしていないのに、効果が全身にあらわれているのか、案外ボーっとする。

「近くでしたら、スタンプカード作りましょうか」と言われ、スタンプカードを貰う。貯まったら1000円サービスだ。「すぐ貯まりますので」と言われたが、確かにリピーターは多そうである。私もまた来たいと思ったし。

靴を履く際、評判通り靴がスカスカである。これは家に帰るまでスカスカだった。

疲れているときなどは血行促進で足つぼマッサージも良いだろう。


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