海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2003年07月08日(火) 徳島からの手紙

今日、カナダからではなく「JA全農とくしま」の米穀特産課から手紙がきました。

内容は阿波町産山田錦の生育状況で、数枚の写真入りで丁寧にレポートしてあり、いまのところ梅雨半ばとはいえ真夏日がほとんどなく、ただ蒸し暑い日が続いているものの、平年並の作柄とのことです。

こういう手紙は毎年定期的にくるわけではありませんが、送っていただくと徳島の山田錦の様子がわかってうれしいもので、ユーザーとして愛着がわこうというものです。

ほろよいの蔵もすくなくとも年2回は、蔵だより「湖畔の酒蔵より」を製作し、お得意さんにお配りしていますし、今年からはホームページも運営していますので、その更新のネタ探しにいろいろと苦心しています。

物を買っていただくためには、こうした商売とは直接関係のない情報提供も必要なのだろうと思います。

いいたかないが、それに比べて滋賀県酒造好適米の総本山「JA東びわこ」は何をしているのだろう。玉栄と吟吹雪は今どんな状態なのでしょう。

春秋に見学会を実施されるのは以前に比べると格段の進歩なのですが、まだまだ徳島県のアプローチの仕方に比べるとのんびりしたものです。

私たち販売者が常日頃行なっている得意先管理のような考え方は、まだまだ生まれてはいないようです。









2003年07月07日(月) 酒の会議 3連チャン

午後2時〜4時 今津酒造組合で、月1度の定例会、『湖西5蔵元セット』の販売状況や、宣伝方法、今後の展開について議論。

せっかく地元のお酒を組み合わせたギフトセットを去年のお歳暮と今回のお中元に発売できたのだから、もっともっと地元小売店さんに地酒に興味をもってもらい、お酒のプロとして消費者さんに地酒をもっとすすめてもらうように、歳暮シーズンまでになにか勉強会みたいなものを企画してはどうかという意見がでました。

でもねえ、企画はいくらもいたしますが、どれだけおいでになるやら。悲観的になるほろよいです。

がんばっている蔵元さんと、地酒に興味がある消費者さんがいても、それを結びつける、「プロの知識を持ち」「やる気と実行力がある」卸会社さん、小売屋さんのなんと少ないことか。

5時〜6時 びわこホテルで「チーズと日本酒の会」の打ち合わせ。小川酒店さんとチーズプロフェッショナル和泉さん、広報担当の幡さんと。

和泉さんとは初対面ながら、なかなか気さくでお話のうまいお嬢さんで、チーズ談義、酒談義に花が咲きそうな予感。楽しみです。

ほろよいの印象なのですが、これまでナチュラルチーズは、日本国内では非常に若い状態で販売され、完熟したチーズが口にはいることはあまりなかったような気がします。完熟したチーズ、完熟した日本酒の絶妙のマッチングを実現させたいと思います(今津の会議が遅れたもので、他の3人さんにはお待たせしてしまいましたごめんなさい)。

6時〜9時 大津「八景館」にて滋賀県旅館組合青年会の役員会に滋賀県酒造組合連合会需要開発委員長としての立場で参加し、懇親会にて幹部役員のみなさんと懇談。

秋以降の旅館組合青年会の事業に、地元の清酒メーカーの組合としてどのように参加できるか、また滋賀県の地酒について旅館組合のみなさんにもっと理解を深めてもらい、最終的には、ナショナルブランドの酒ではなく、もっともっと地酒をお客様に提供してもらいたい、そういう思いを役員の皆さんにお伝えいたしました。

おみやげがわりに、近江銘酒蔵元の会の「全蔵元20本入りセット」を持っていったのですが、これが大好評。旅館組合の8人の役員さんはいきなり全部キャップをあけて品評会の開始です。

それぞれが自分なりに(的を得ているかどうかは別として)、それぞれのお酒の評価をし、美味しい順にビンをならべていかれる人がおられます。たちまちのうちに自分の好みのお酒を何本かみつけそれ専門に飲んでいる人もおられます。

このへんの屈託のない味への好奇心はやはり、料理の世界に生きておられるからでしょうか。この日はビールよりもお酒をたくさん飲んでもらった懇親会でした。

























2003年07月06日(日) 美酒宴遊会リハーサル

7月21日にマキノプリンスホテルで開かれる「美酒宴遊会」のリハーサルがありました。

リハーサルとはいっても出品するお酒をホテル関係者がきき酒して「ああでもないこうでもない」と批評するくらいだと考えていたのが大きなまちがいでした。

その日は、わざわざ大津プリンスホテルの北野総料理長がおいでになり、マキノプリンスホテルの若村支配人、吉野料理長、和食担当責任者の山岡さんなどが勢ぞろい、当日と同じコース料理を出して、実際に私の提案するお酒とマッチングさせ、提供温度や酒器を選定するという本格的で気合のはいったリハーサルになりました(こんなことならお昼ご飯を抜いておけばよかった)。

決まったメニューとお酒のサービスはこんな風です

                  乾   杯
  <雪冷え:純米大吟醸生 花嵐(マキノ山田錦)スパークリングワイン風>

                  前   菜 
       鮎風干しうるか風味、白瓜サーモンチーズ射込み、
        烏賊の酒盗あえ、鶏肝松風、雲丹ずんだあえ 
            <雪冷え:辛口純米生原酒>
           <花冷え:竹生嶋 純米大吟醸>

                  造   り 
              鱧おとし、あしらい一式
         <常温:特撰金紋 竹生嶋 特別本醸造>

                  魚 料 理
     福井小浜湾産ひらめ『竹生嶋』の酒蒸し:貝類のユイルソース
             <花冷え:純米吟醸生 雪花>

                  焚き合わせ
     文銭豆腐(うなぎ、海老、アスパラ、麩、湯葉、蓮根、銀杏)
         <日向燗:竹生嶋 純米酒 マキノ里山米>

                口直し(シャーベット)
             <純米吟醸生 雪花 みぞれ酒>

                  肉 料 理
      和牛フィレ肉のステーキ:フランス産マスタードソース
              夏野菜の付け合せ添え
     <人肌燗:常温熟成 吟醸原酒 忘憂(ぼうゆう)2001年>

                  サ ラ ダ
                 トマトのサラダ
                    
                  ご は ん
近江米こしひかり、地元野菜の漬物、奈良漬(竹生嶋蔵元特製)、味噌汁

                  フルーツ
                   無花果

                  食 後 酒
       <常温:常温熟成 純米大吟醸 鬱金(うこん)1993年>


             <お酒の温度を表現する言葉>
       雪冷え:摂氏5度くらいのキンキンに冷やした状態
       花冷え:摂氏10度くらいの、やや冷えくらいの状態
       日向燗:摂氏30度くらいの、ほのかに暖かい状態
       人肌燗:摂氏35度くらいの、体温よりやや低いくらいの状態


あちこちでお酒の会は開かれていますが、料理が変わるとお酒も変えて、提供温度にも心配りする会は、これまであまり開かれていないと思います。まさに料理と酒とサービスのプロが集合しないとできない企画ではありませんか。

これで税・サービス料込みで7.000円とはまことにお徳。当日は、ほろよいはもちろん、北野総料理長も参加され、料理と酒談義に花が咲きます。御期待ください。

6日現在、予約人数は10人ということで、20人の定員にまだ余裕があります。御希望の方はおいそぎください。





















2003年07月05日(土) リスク

7時起床、今日は社員さんが休みで、ほろよいは小売の店番です。土曜、日曜はマキノにドライブに来たり、温泉にきたりする人が地酒を買いにみえますので、お店を閉めるわけにはいきません。

8時すぎに店にでて、掃除とお酒の補充、ずっと気になっていたプライスカードの書き換えなどやっているとすぐに10時です。

すでに発送済みの県外消費者さん向けの通販のパンフをいじって、地元小売屋さんが「竹生嶋」の注文をとるパンフを作成です。

うちのお酒を小売屋さんに売ってもらうためのパンフレットで、これまでは喜んで作っていたのですが、近頃どうも納得がいきません。

酒販店さんは「販売のためならメーカーが何でもやってくれる」と思い込んではいないでしょうか。これまでは、まさに販売に関しては上げ膳据え膳状態で、自分が売っている酒の宣伝や、印刷物を自分のお金で作ったことがない小売屋さんが大半を占めているのが現状です。

当然POPや、チラシ作成、通販のノウハウなど身につくわけがないのです。

今でこそ、ほろよいもパソコンを使ってチラシやらポスターやらそこそこのものを作れるようになりましたが、10年前など稚拙も稚拙、今見るとなさけないほどです。何度もいろんな批判や、文句などを言われながら今の販売ノウハウが出来上がったのだと思っています(他の業種から見るとたいしたことはないけど)。

今の酒販店さんに一番足りないもの、それは「リスク」を背負うことです。商売人というのは、リスクを負わない限り必死に売ろうとはしません。

「中元セットを30セット仕入れた、まあ並べておけばそこそこ売れるだろう。残ればメーカーや問屋さんに言って返品すればいいのだから・・・・。」

この考え方からは何の工夫も進歩も生まれません。

酒DSのただ単純な価格競争に、これだけシェアを席巻された責任のいくらかは、既存の酒販店さん自身にもあるのだと思います。











2003年07月04日(金) マキノ観光協会

夜、マキノ観光協会理事会がありました。

ほろよいは、地酒を製造販売しているために「特産品部会理事」などという訳のわからない仕事をしています。

マキノ町は戦前からスキー場が営業されていたことから、スキー場かいわいのエリアは民宿村として何十年もの実績を重ねておられ、観光客の接待ノウハウをしっかりと持っておられます。

加えて滋賀県下でも、スキー場、登山、水泳場、果樹園、湖の珍味、山の珍味など観光資源に恵まれ、「観光立町」として生きていくための基本的な資産をもっている稀有な町といっていいでしょう。

今、マキノ観光協会に一番求められているのは、この恵まれた観光資源をいかに有効に利用し、いかに外部に積極的に宣伝するかという問題です。

いまの職員さんは観光協会のホームページでみるように、滋賀県下では、積極的な情報提供活動をしておいでで、すでにホームページアクセス数、13万以上というのは誇っていいことだと思います。

願わくば、観光誘致の司令塔となる観光協会幹部が、若手のやる気のある人材になってほしいというのが、ほろよいの心からの願いです。

いまや、この仕事は名誉職ではなく、実際に汗を流して働く実務職になっています。すでに功なり名をとげたリタイア組では、もはや観光協会の実務をとるには無理があるとおもうのです。










2003年07月02日(水) DSのチラシ

けさ、酒DS(ディスカウント・ストア)の折り込みチラシが入りました。

ビールや発泡酒、大手のパック酒などいつもの品が、いつものように安く、一般の酒販店が卸会社さんから仕入れる値段より安い値段でチラシに載っています。

いつもとちがうのは、裏面に今ブームの乙類焼酎の紹介コーナーがあり、いわゆるレア物の人気銘柄の写真が何種類も出ていることです。

ところが不思議なことには値段がまったく書いていません。店頭発表ということなのでしょうか。

私が知る限り、写真が出ているレア物焼酎の醸造元の多くは、特約店だけへの限定流通をされており、直接に酒DSが仕入れられないはずです。

したがって、今回このDSで販売されるレア物焼酎は、メーカーが希望する希望小売価格ではなく、プレミアがついた割高な価格にならざるを得ないでしょう。

超有名な焼酎や日本酒を売りさばくブラックマーケットがこの業界にはあり、特約店などから定価で買った商品を、転売して儲ける卑劣な輩が実際にいるのです。

本来、酒DSの経営理念は、現金仕入れや、大量仕入れによって流通経費をできるだけ削減し、できるだけ安く商品を販売することにあるはずでしたが、それでも粗利益率15%程度は確保しないとやっていけない、というのが昭和の末年当時の酒流通評論家のおおかたの意見でした。

しかしながら、いったん戦端を切った廉売競争のなかではそんな理屈は通用しません。食うか食われるか、自分の体力以上の安売りをつづけ、おそらくビールや発泡酒、パック酒では商売にならない状態になってしまい、DSの中でも倒産や廃業を余儀なくされた会社が日本中にゴロゴロしています(言っちゃ悪いがビールや発泡酒をこんなに利益の出ない「卵」のような商品にしてしまったのは君たちDSの責任ですぞ)。

流通革新の旗手として一世を風靡した酒DSが、プレミア付の商品で利益を出そうというのですからお笑い草です。プライドがあるなら「こんなプレミア付のお酒は弊社の経営理念では絶対みとめられませんので売れません」と言ってごらんなさい。そういうDSの経営者なら取引をするかしないかはともかく、一度酒席を共にしたいものです。

だから、ほろよいは節操のない酒DSは嫌いなのです。








2003年07月01日(火) 金紋本醸造のビン詰めでした

月がかわり7月です。
今日は朝から金紋本醸造のビン詰めでした。

本数は1000本強、火事やお付き合いのひろいお家の建前など、イレギュラーな需要がなければ3〜4週間程度で売り上げる本数です。

当地はまだまだ田舎なので昔からの習慣が残っており、火事なら「近火見舞い」、建前なら「上棟祝い」を知人や親戚にもっていかれます。

もっていかれる品は必ず日本酒で、おおかたは上撰(弊社では金紋本醸造クラス)の1.8リットル詰2本カートン入りで、とっても近い親類や、世話になっている人になると3本とか5本とか数が増えてまいります。

ホームページの「お客様からの声Q&A」で申し上げました通り、祝儀や不祝儀に地酒をお使いになる地域は、地酒が地域に根を生やしている証拠でもあり、まことに恵まれていると感謝いたしております。

とはいえ火事でお酒が売れるのは、需要とはいえ気の重いことではあるのですが。


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