2003年12月08日(月) |
県境は、うっすら雪化粧 |
仕込みとビン詰めと発送の間をぬって、国境スキー場にお酒の配達です。
あす9日は、いよいよスキー場開きで、山小屋ではテーブルのセッティングや、お掃除でお忙しいようでした。
こちらは、スキー客さんを相手に湖西のおみやげコーナーを設けておられ、少しながら、ほろよいの蔵の本醸造と純米酒もならべてもらっています(暖房が効いた山小屋にならべるわけですから、あんまりデリケートで高価なお酒は置けないしねえ)。
お客様はスキーをめあてにおいでになり、お土産を買われる方はあまりおいでにならないので在庫は少なめです(シーズンオフになって返品が何本も帰ってきたら目も当てられません)。
人工雪の製造機がフル稼働している脇をぬけて帰ろうとしたら、山の上のほうが本物の雪でうっすらと白くなっています。
ほろよいの蔵のある琵琶湖岸では、さほど冷え込まなかったのですが、やはり福井県と滋賀県境の豪雪地帯はちがいます。
この調子で、どんどん冷えてもらいたいものです。
2003年12月07日(日) |
微生物にホリデイなし |
静岡県の、かの有名な醸造指導技術者の方がのたまわれたお言葉です。
生まれて死ぬまで数週間くらいしかかからない、単細胞生物なら話はわかりますが、世話をするこちらは、子供やら嫁やら、会社の銀行口座の残高やら気にしながらの仕込みですから「たまには休ませてくれよう」というのが、正味の気持ちです。
とはいうものの、12月はほろよいも、単細胞生物のようにがんばってます。
今日は日曜なのに、先日お送りしたDMに反響があり、たくさんの御注文をいただきました。
こんな、場末の造り酒屋でも「気にしていただいているお得意様」がおられるというのはありがたい話です。
まだ第1週が終わっただけの師走。お正月まで、まだまだ、たくさんの悲喜劇がありそうです。
今日、高島郡内全域に「初しぼり」の折込みチラシを入れました。
例年、発売1週間前くらいに地元マキノ町と隣の今津町に入れていたのですが、今年は思い切ってエリアをひろげました。
いわゆる「上撰」「佳撰」といったレギュラー酒の販売が低迷し、年末商戦がけっこう厳しい様相になりそうで、今一番消費者さんに「引きの強い」商品を前面に押し出そうと考えたからです。
10数年前なら1級酒(現在の上撰)200本とか、2級酒(現在の佳撰)300本といった注文をいただいたのですが、今はそんな御注文は間違ってもいただけません。
元旦にうまいお酒が呑めるよう、ここが踏ん張りどころです。
ちなみにチラシの「ばぶるはじけてます」は、ほろよいのコピーです。「蔵元秘伝」とか「伝統の杜氏の技」とかお酒のパンフには難しいお題目が多いので、逆にくだけたユーモアーのあるキャッチフレーズを考えてみました。
週刊文春に昔連載されていた糸井重里の「萬流コピー塾」は、学生時代愛読したものです。
いま、もしこれを応募したら「梅」か「餅」くらいはもらえるでしょうか?
12月にはいり、いよいよお仕事が煮詰まってきました。
乙類焼酎に押されて日本酒不況とはいえ、平均月の2.5倍から3倍を売り上げないといけない12月は毎年大変です。
先日発送したDMからのご注文もいただきはじめましたし、明日は「初しぼり」の折込チラシが郡内全域に配布されます。
百万単位の原料米仕入れで会社の銀行口座の数字はみるみる減っていきます。
ボイラーからは変な音がするというんで、急遽メーカーに点検を依頼(なにかあったらお米を蒸すことができず仕込みが全面ストップです)。ハーこりゃお酒の量がふえますわ。
肉体的にも精神的にも、とってもストレスを感じる師走の入りです。
夏にひきつづき、今津小売酒販組合青年会の主催による「湖西5蔵元セット」のセットアップがありました。
今津小売組合の役員さんや、青年会のメンバー、今津酒造組合の蔵元がせいぞろいして、午前中かかって300ml詰5本入りのセットを400セット組み上げました。
ほろよいは、酒造組合側の窓口をしているため、集合時間の30分前に現場について、セットアップのためのラインをだんどりしました。
夏は役員さんが口々に思うことをおっしゃり、作業開始までずいぶんと手間取ったのですが(「船頭多くして、舟、山に登る」を地でいくような光景でした)、今回は先手必勝でスムーズにセットアップがはじまりました。
セット箱を組み立て、中に各蔵元のお酒を1本ずつ入れていくだけの単純な作業ですが、400セットともなるといささかくたびれます。
バカ話をしながらも、手だけは各自動かし続けていますが、作業中には参加した小売屋さんの性格も出て興味深いことこの上ありません。
ちょっと横着な小売屋さん(複数名おられました)は「くわえタバコ」で作業してておられ、これにはちょっとがっかりさせられます。
案の定、最後の400セット目に、同じ銘柄が2本残こってしまいました。
すでに蓋をしてしまった、どこかのセットに別の銘柄がダブって入ってしまったためでしょう(責任をもって、決まった人が決められた銘柄を指定された場所にいれてくださいと作業前にあんなに言ったのに)。
今回はまことに大味なセットアップ作業になってしまいました。
ちなみに湖西5蔵元セットの内容は以下の通りです。
福井弥平商店(高島町)/萩の露「吟醸純米」 上原酒造(新旭町)/不老泉「山廃純米・3年熟成」 川島酒造(新旭町)/松の花「吟醸」 池本酒造(今津町)/琵琶の長寿「吟醸り(ぎんづくり)・限定品」 吉田酒造(マキノ町)/竹生嶋「純米吟醸」
各300ml×1本詰で、小売価格は3.000円(税別)となっています。年末のギフト。忘年会、新年会にいかがでしょうか?
吉田酒造でも15セットを限定発売いたします。 発送の場合は実費にて、送料を頂戴いたします(ヤマト宅急便で関西740円)。
きのう半日かけてデスクまわりを大掃除。
仕込みの書類や、年末のお歳暮のチラシのゲラ刷り、小売関係の売上の記録などなどなどが山積みになっていて、ちょっとお客さんには見せづらい状況になっていましたので、ぐうたら専務も思い切りました。
日ごろ掃除などしたことがないので、家族が目を丸くしています。
ついでに、windows95を載せていた6年前のパソコンを取り外し、最近入れたXPのパソコンに入れ替えました。これで、産直関係と財務管理、販売管理が新しいパソコンで入力できるようになりました。
日曜大工で棚を組み、スキャナーやノートパソコンを収納できる場所を作って、非常にデスクが広くなりました。
これで年末の仕事もがんばれるというものです。
今日はさっそく「酒類の製造・移出等承認申請書」を作成し、今津税務署に提出してきました。
昔は仕込みひとつずつに「酒母の1仕込み方法」とか「清酒もろみの1仕込み方法」などとか、いちいち仕込み配合を報告していたのですが、今年から手続きも簡略化され、提出書類の数もかなり減って助かります。
午後からは、12月分の米の手配や、年末ギフト用のセット箱の手配など、けっこう仕事がはかどりました。
気分一新でバリバリ頑張るゾー。
酒類販売管理研修なるものを受講してきました。
今年から小売酒販免許が自由化され、まっとうな社会人なら申請をするだけで酒販店が開業できるようになりました。
すこし前まで「隣の酒屋さんから500メートル以上離れていること」などという「距離基準」をはじめ、対人口あたりの店舗数を制限する「人口基準」など、いろんな規制があって、おいそれと酒販免許などもらえなかったのですが、今では免許を申請すれば、どんどん免許がおりるようになりました。
しかしながら、お酒というのは「致酔性」がある嗜好品ですから、むやみやたらに自由化すれば「未成年飲酒」とか「キッチンドリンカー」「アルコール依存症」などの社会問題を引き起こしがちです。
こうした社会的責任を自覚した酒販店を育成するためにもうけられたのが「酒類販売管理者」だそうで、「未成年者飲酒禁止法」や「独占禁止法」など酒の販売に関するいろいろな法律のあらましや、お酒の管理のしかた、お酒の基本的な知識など、3時間の研修を受け、今津小売酒販組合理事長名の受講書をいただいてまいりました。
あたりまえのことばかりなのですが「案外いいことを教えているなあ」という印象をうけました。総じて酒販店さんは、金勘定はしっかりしているのですが、お酒の基本的な知識がなく、販売についてまわる責任を自覚しない方がけっこうおいでなので、今日のテキストを通読するだけでよい勉強になると思います。
すでに24時間営業のコンビニでは「深夜、未成年のバイトが未成年に酒を売る」というとんでもない状況が生まれています。「お酒を売ることの社会的責任」というものは、もっともっと強調されなければなりません。
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