2004年06月16日(水) |
フランス人2名様御案内 |
午後6時過ぎ、営業にまわっていた小林君も退社して、そろそろ店を閉めようかなあと思っていたところに、金髪の女性(40歳後半くらい)ともう少し年配の黒髪の女性が御来店、日本酒の蔵元をのぞいたのは初めてだから、記念の写真をとりたいのでシャッターを押してくれとのリクエストです。
せっかくですからと雑談しながらお酒のテイスティングでもと思っていると、年配の女性はフランスのアルザス(ドイツとの国境地域で、過去何度もドイツ領になったりフランス領になったりした地域ですから、子供が学校で教わる言葉がドイツ語になったり、フランス語になったりして「飛ぶ教室」なんていう小説がうまれた所です)地方の出身で、弟さんは貴腐ワインを醸造しておいでとのこと、それならば「雪花」「花嵐」だとおすすめしたところ、いたくお気にいってもらえました。
なりゆきで、シーズンオフですが蔵でもごらんになりますかと聞きますと、ぜひともということで、2名のフランス人の方に蔵見学していただきました。
弟さんがワインを造っていて、日本人と国際結婚して大阪にお住まいという年配の女性の方は、実家のワイン仕込み蔵と似ていて、とっても懐かしいわと喜んでおられました。
お二人とも古いものにはとっても興味をお示しになり、ディスプレイしてある飾り壷やら蔵の様子をデジカメに記録しておられました。日本人以上に古いものを大切にされる美徳をお持ちでした。
今日はマキノプリンスホテルにおとまりとのこと、いい一夜をお過ごしできればと思ったほろよいでした(単に金髪コンプレックスだけなのかもしれませんが)。
2004年06月14日(月) |
「店じまいセール」顛末記 |
先日の日記に書いた「店じまいセール」の得意先にお邪魔しました。
どんな風になっているのやら、心配しながらの訪問でしたが、まったくの杞憂でありました。
店頭には大きなPOP看板が何枚かあって、真っ赤な字で「店じまいセール」と大書してあります。さすがに何人もの人に誤解を与えてしまったことを反省してか「新たなスタートを切るための店じまいセール」であることが付け加えてあります。
いつものように、おはなし好きの御店主の御母堂と話し込んでいると、店頭のPOPをごらんになった人や、ほろよいが受け取った「店じまいセール」のハガキを受け取ったお客様が、心配そうに次から次へとお店にやってきます。
ほろよいがいた2時間弱の間に、そんなお客様が10人ほどおいでになり、口々に御店主やらお母様に「店じまいセール」の真意をお尋ねになります。
廃業ではなく、リニューアルのための「店じまい」であることを知ると、皆さん一様に安心した表情をお見せになり、再出発を祈念するための御祝儀に、ワインやら地酒をお買い求めになっていきました。
このお得意様は、お母様にしても、御店主にしても、それぞれに多くの御友人をおもちで、日ごろ裏表のないお付き合いをなさっているだなあと、ほろよいもずっと思っていたのですが、今日のこの様子を見て、ああ、ここは本当に地元の方に愛されているお店なんだなあと、しみじみ思いました。
日ごろ人付き合いの下手なほろよいも、見習わなければなりませんね。
県内で地酒とワインを手広く販売されている、大切な取引先より突然のハガキ。
「店じまいセール」とデカデカ書かれ、文面はといえば、
この地で約200有余年商いさせて頂き誠にありがとうございました。しかしながら近年のお酒を取り巻く環境や経済の低迷・変化によりこのままの形態での営業を行なうことが困難になってまいりました。…(中略)…200年の私どもの歴史の中で初めて「店じまいセール」を行なわせていただきます。……云々
これはもしかして廃業!うちの売掛金はどうなるんだっ!
おおいに驚いて、とるものもとりあえず経営者の携帯にTEL。事情を聞きますと廃業ではなく、店舗リニューアルが目的の「店じまいセール」でした。
口上から推察すれば廃業としか取れない文面、私がTELするまでにもう8人も同じような問い合わせがあったとのこと。
「店舗リニューアルにつき」と一行いれておけば、周囲の誤解を招かずにすんだのに。人騒がせなハガキでした。
2004年06月10日(木) |
畦道ロードにほろよい専務2004/徳島阿波町 |
↑阿波山田錦の苗。苗箱1枚あたり播種量150gから160gとやや多め、マキノ山田錦の苗(播種量100g弱)に比べると、1本1本の苗の太さが貧弱で細く感じます。このあたりはまだまだ改善の余地があると感じます。
かれこれ10年以上続けて購入している「阿波山田錦」の見学会でした。
今年は隣町の蔵元「琵琶の長寿」さんの息子さんと一緒で、呉越同舟の日帰り旅行となりました。
彼は大学卒業後、東京農大の小泉先生の研究室で1年間研究生として過ごし、さらに1年東京の地酒卸会社で修行されたあと、自分の蔵に戻り、ひと冬仕込みを経験されたところだそうです(ういういしくて、家業への意欲万点、少々擦り切れかけた観のある、ほろよいとは姿勢がちがいます)。
朝7時にマキノを出発、お昼前には阿波町に到着です。池本君は酒蔵の経営者の後継者として、ほろよいと同じ立場にいますので、話題も共感するところが多く、道中の時間をあんまり感じさせませんでした。
ことしも阿波町農協ははりきって山田錦栽培をすすめておられ、6月10日ルールなるものを定められたそうです。
これは山田錦の田植えの開始日を「6月10日」と定め、それより早くは植えないという決め事で、違反した場合は翌年の栽培を認めないというペナルティーまでついています。
農協が口をすっぱくして遅植えを指導しても、ゴールデンウイーク前後に田植えの時期をもってくる、自分の都合でしか米作りができない農家が多いどこかの県とは雲泥の差です。
いったい、ユーザーである蔵元の栽培方法の要望を軽んじる農家とは、何様なんでしょうか。例えば自動車会社の下請け工場であれば、親会社の設計図どおりにパーツをこしらえるのは当たり前、支払いも3ヶ月位の手形が当たり前の世界です。現金と交換に原料米を買ってもらえるだけでもよしとしなければなりません。
こんなふうに農業の世界も、努力するところと、しないところで大きく品質が変わってしまい、10年後には大きく差がついてしまうに違いありません。
2004年06月07日(月) |
北海道ほろよい漫遊記/函館 |
↑函館朝市で夢にまで見た、ウニイクラ丼を奮発。丼は美味うございましたが(ちょっとイクラのタレが塩辛かったかな)、味噌汁と漬物がいかにも貧弱なのは残念。
最終日、函館にやってきたほろよいです。
まずは函館朝市で「おみやげ」を物色、家族のリクエストでありました毛蟹をゲットです。お店の人によると、肉なら「タラバ」、ミソなら「毛蟹」だそうです。
その後は、定番観光スポットの、赤レンガ倉庫群を見学、ガラス細工やらオルゴールなどなどを、昼食後の生酒の酔いを残しながら、心地よくふらふらと見学です。
しかし、最近はどこの観光地でもガラス館やら、オルゴール館がありますなあ。かわりばえはしないんですが、やはり差別化というか、あれこれ陳列なども工夫しておられますので、ついつい見入ってしまいます。
北海道のおみやげは充実していて、毛蟹やらの海産物はもちろんですが、六花亭やロイスのチョコは、パッケージや包装紙(シックで種類がはっきりわかるように色分けされている)、陳列のための冷蔵庫まで気配りしてあり、さすがと思わせます。
地酒も(売れるかどうかはまた別の話なのですが)デザインのしっかりしたものがあって勉強になります。ただ120mlで300mlの生貯蔵クラスの価格設定はちょっと高いかなあ。お酒よりボトルデザインでお金を取ってるんじゃないかと思われてもしかたない感じです。
3日間ずっと、北海道の肴と地酒を楽しんだわけですが、個人的な感想をいわせていただければ、「味わいの幅のある、旨い酒に出会えなかった」ことが残念でした。
毛蟹やら、ホタテやら、シャケやら北海道の食材はどちらかといえば「旨みのある」ものが多いので、ただ辛口で旨みの幅の少ないものは、どうしても位負けしてしまい印象に残りません。ただ口の中のものを流すだけの酒ではいかにももったいない。酸やアミノ酸がしっかりあって、味わいのある純米酒のぬる燗でいただけらば最高だと思うのですが(北海道旅行経験者の皆様はいかがでしょうか)。
↓パッケージがシックで種類ごとの色分けが見事。角ゴシックの“ROYCE”のロゴもよく目立ちます。1個630円とけっこう高いのですが、持ち帰りやすい大きさで、荷物にもならないのかよく売れていて、北海道土産の老舗、六花亭の牙城を揺さぶっています。
↓こちらは変形ボトルの地酒「雪の花」。ラベルがきれいに色分けされていて、一列に陳列するとけっこうインパクトはあります。なんだか「オリーブオイル」みたいな感じがしないでもありません。
2004年06月06日(日) |
北海道ほろよい漫遊記/江差 |
↑江差の大豪商の屋敷のとなりは酒屋さんで、これまた古色蒼然たる大看板が3枚も
案の定、きのうの宴会でハメをはずし過ぎ、カラオケはがなるわ酒は浴びるように呑むわで、朝のしんどいこと。
きのうふれたように、ご年配が多かったので、ほろよいは「あこがれのハワイ航路」と「命くれない」を大熱唱。飲んでもサービス精神が残っているのは、なんだかねえ。
温泉(ここは有馬温泉みたいに、茶色い金気を帯びたお湯でけっこうしょっぱい)に入りなおし、アルコールをできるだけ抜いてフェリーに乗り込みました。
というわけで2日目は、江差追分とソーラン節のふるさと江差にやってきました。
御存知のように、明治の頃はニシン漁で多くの商人が財をなしたところ、今でも大商人の商家が何軒か保存されていて、当時の繁栄を知る観光スポットとなっています。
もうひとつの観光の目玉は「開陽丸」で、明治維新に江差沖で暴風雨で難破した洋式帆船を復元して展示しています。引き上げられた当時の砲弾やら大砲がずらりとならんでいる様は壮観でありました。
きょうのお酒は、お昼が「北の錦」の純米酒。夜は大沼公園内にある大沼プリンスホテルで「熊ころがし」(北海道では鬼ではなくて熊がころぶようです)なる辛口酒を賞味した次第
海の幸は充分においしいのに、日本酒はどちらもあっさりしていて、味わいの幅がなくてちょっと物足りない感じでした。
2004年06月05日(土) |
北海道ほろよい漫遊記/奥尻島 |
↑奥尻のマスコット「うにまる君」。フェリー到着のたびにお出迎えしてくれます。
ほろよいは今、北海道の江差沖にうかぶ奥尻島にいます。
今津酒造組合の2年に1度の懇親旅行で2泊3日の予定で道南を漫遊中です。今回は今津納税協会という税務署の翼賛組織のツアーに同行しているので、今津町の自営業の奥さん連中と一緒で賑やかな道中となりました。
奥尻に向かうフェリーでは、会社再建中の「多聞」のカップ酒とするめで一杯、文字通りの「ほろよい」状態で、デッキにでると潮風が気持ちよく吹いています。
ここ奥尻は御存知の通りウニとアワビの島で、ほろよいは御機嫌です。酒は「千歳鶴」のホテルオリジナルPBラベルで、あっさりとした(ちょっと物足りないくらいの)本醸造でした。
今日はここに一泊し、明日は江差から大沼公園にむかいます。
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