↑ピックランド産ブルーベリー。
7月25日の日曜に「マキノピックランド美果食(みかく)まつり」なるイベントがあり、地元特産品販売コーナーも設置するとの事で、打ち合わせにピックランドに行ってきました。
JR湖西線開通30周年の記念イベントだそうで、2000人を超えるお客さんがいらっしゃるそうです。
ピックランドの支配人さんと打ち合わせをしたあと、施設内をうろうろしているとピックランド産のブルーベリーが販売されていました。
1パック650円と少々お高いのですが、スーパーで売っているのにくらべると比較にならないほど大粒です。摘み取り体験もでき、収穫期間も長く、まだまだ摘み取り可能だそうで、一度は話の種においでになるといいと思います。
25日は「みぞれ酒」と生酒の販売を予定していますので、当日おいでの際は、ぜひお立ちよりください。
取引先から電話があって、弊社が納めた酒粕が柔らかいとクレームがついたそうです。
昔のように、精米歩合70%で普通酒ばかりを造っていた時は、けっこうしまった奈良漬粕ができたのですが、今は精米歩合55%とか50%の純米酒や純米吟醸を多く造るので、どうしてもゆるめの粕になってしまいます。
従来の普通酒の粕が「味噌」くらいの硬さだとすれば、「吟醸粕」はカスタードクリームくらいの柔らかさです。
吟醸粕だから香りはいいし、甘味もあっていい奈良漬ができるはずなのですが、普通粕になれたユーザーさんにとっては、はじめてで面食らってしまうのでしょう。
販売する方がもう少し説明していただければ、消費者さんを納得させれれるのでしょうが、いかんせん「販売」ではなく「並べる」だけの商売をしている人にとってみれば、説明することすらめんどくさいのでしょうなあ。
2004年07月07日(水) |
酒が売れずに粕が出る |
↑出荷しごろになったタンク内の奈良漬粕
7月にはいり、DMを送った先から中元の発送がちらりほらりと舞い込みはじめましたが、酒販店さんからのお酒の注文はあいかわらず低調です。
ただ奈良漬粕の注文だけは結構あり、一店で4kg詰300個なんて予約をいただいているところもあり袋詰作業に追われています(お酒で一升ビン300本なんて注文は、ここ数年いただいたことがないのにねえ)。
酒粕のことを知らない方が案外いらしゃいますので、きょうは簡単に御説明いたしましょうか。
冬場の仕込み期、お酒のモロミを絞り機で絞りますと酒と酒粕に分離されます。
酒粕は絞り機の濾布(ろふ)に板状にへばりついていますので、これをヘラでかきおとし、適当な大きさに切って袋詰したものが「板粕(いたがす)」というもので、乳白色でパサパサした手触りをしています。これが粕汁の材料として使われるわけです。
お酒を絞るたびに出来る板粕を粕タンクにどんどん入れていき、上から人が踏み込んである程度圧縮し、夏までそのまま貯蔵しておくと、甘味と旨みが増し、黄土色をしたペースト状のいわゆる「奈良漬粕」ができあがります(「踏み込み粕」という場合もあります)。
板粕の中には、お酒の発酵に利用した「液化酵素」や「糖化酵素」が失活せずに残っており、お酒にならなかったお米由来の「デンプン質」もたくさんありますから、春から夏へ気温が上昇していくと酵素活性が増して、デンプン質が溶けていきパサパサした状態からペースト状に変化し、旨みと甘味がでてくるわけです。
塩漬けして水分を抜いた、キュウリやウリといった夏野菜を奈良漬粕につけこむと塩分が粕に移行し、逆に粕のエキス分や甘味が野菜に移って、美味しい奈良漬が出来上がります(土用丑の日に、うなぎ丼をかきこみながら、おいしい奈良漬をポリポリかじるのはたまりませんですなあ)。
ほろよいの地域では、兼業とはいえ農家がけっこうあって、これから夏野菜がどんどん取れてきますので、奈良漬粕の需要が昔からけっこうあります。
最近では大手酒造メーカーがパック酒のような経済酒をたくさん作られますので、昔のような酒粕が十分に供給されなくなっています(お米をなるだけ酒に変えようという考え方で発酵させますので、出てくるのは文字通りの「カス」としかいいようのない代物)。
ごく普通に、昔からの酒造りをしているだけなのに「美味しい酒粕ですなあ」と誉めていただくのは、なんとも面はゆいものです。
↑第5巻の表紙を飾っているのが、本日のお題「ケムール人」です。
「ウルトラQ」という番組を御存知でしょうか。ほろよいが小学生2年生くらいのころ(昭和40年代はじめ)、TBSで放送されていた特撮番組です。
「ウルトラマン」による「怪獣ブーム」の先駆けになった記念碑的な番組で、ほろよいの少年期の記憶に色濃く影を落としています。
ガラモンや海底原人ラゴン、バルンガ、ペギラなんてえ怪獣を、両親の背中に隠れながら「恐いもの見たさ」でこわごわ見ていたものです。
中でも「ケムール人」は怖かった。あの異形の怪宇宙人は、ほろよいの中に「トラウマ」を残し、夜道でもしや遭遇しないかとビビリながら歩いた記憶があります(昔は街燈もあんまり明るくなくて、今に比べると夜の闇はけっこう深かったですからねえ)。
というわけで、ウルトラQのDVDをアマゾンで買っちゃいました。
お久しぶりのケムール人はなにやら滑稽で、なんでこんなものが怖かったのだろうと不思議なくらい。まるで30年以上会わなかった初恋の彼女に突然再会したような感覚です。思い出は、思い出としてそのままにしておいたほうがよかったのかもしれません。
小3の息子にみせてやったら「フフン」と鼻で笑って、向こうへ行ってしまいました。ったく近頃の子供ときたら映像的な刺激には、慣れっこになっているのでしょうなあ。
こどもたちにせがまれて蛍狩りにいってきました。
この間30匹ほどつかまえたことに味を占めて、家族みんなで出かけました。
蛍の季節としては最後のほうなので、小型のヘイケボタルばかりでしたが、先日たくさんいたところに車を止め、ハザードランプを点滅させますとけっこう田んぼやら、川すそから小さな光がわいて出てきます。
ハザードランプの点滅を仲間と思うのか、暗がりのままでホタルを待つよりずっと効果的にホタルがあらわれてきます。
たっぷり1時間半ほど蛍を楽しんで帰ってきました。
2004年07月01日(木) |
彦根城下のプレミアムかき氷 |
午後から彦根にでむき、夏の新しい展開に向けて取引先と打ち合わせをしてきました。
お店の名前は「さわ泉(せん)」さんといって、もともと多賀大社の門前町で和菓子屋さんをしておられたのですが、今の御店主になってから彦根城下の「いろは松」にお店を移され、観光客のみなさんに自慢の和菓子を販売しておられます。
ほろよいとは、新近江商人塾という勉強会で御一緒して以来、お付き合いがはじまったのですが、7年ほど前一般小売酒販免許を取得され、地酒の販売もはじめられ、弊社は「さわいずみ」というPBラベルのお酒を納品しています。
本業の和菓子については「自分の子供に、自信を持って食べさせられるお菓子を作る」ことをモットーとしておられ、すべて手作りを貫かれており、今では外注がほとんどになっている「あんこ」も自分で作っておいでです。
夏にはこれまた自家製の蜜を使った「かき氷」を販売されているのですが、これまた美味で、縁日で売っているような食べたら舌が紫になったり、青くなったりするチャチな代物とは次元がちがいます。
辛党の私でも、いきなり2杯目をお代わりしたくなるような「かき氷」なので、いちど彦根の御城下においでになられたらお試しください。
はあー、それにしても異業種の人とお話していると刺激がちがいます。同業者同士ああでもないこうでもないと鳩首会談しているくらいなら、違う分野の人とお話したほうが、建設的でいい知恵が浮かんでくるような気がします。
どの酒屋さんにどんな商品を流していくか、けっこう頭の痛い微妙な問題です。
酒屋さんの商品知識やら、貯蔵管理能力で当然出せる商品は決まってきます。たとえば「純米大吟醸斗ビン取り生原酒」なんて商品を、常日頃レギュラー酒しかあつかっていない、冷蔵庫にはビールと発泡酒しか入っていない酒屋さんにはすすめられません。
チルド流通の能力のない問屋さんのルートに生酒を流すわけにもいけません。最近はさすがになくなりましたが、真夏に「○○支店吟醸生酒720ml3本届けてください」なんてえ非常識な注文をしてくる会社が本当にありました。「あなた会社の研修で生酒の扱い方習っているはずでしょう。チルドでお届けしなければならないんですが、マキノからあなたの支店まで自動車走らせて2時間かかるんです、バラ3本のためにうちが自腹を切らねばならないんですか、せめてケースで御発注ください」とさすがにいいかえしたことがあります。
気に入った商品を、自分の商域で独占販売をしたい酒販店さんも多いようです。たとえばA市にP酒店とQ酒店という競争関係にある酒屋さんがあるとき、P酒店とお取引している場合は、Q酒店と取引を控えることがこの業界では往々にしてあります。
P酒店さんとしては、せっかく努力して自分の商域で、ある程度売れるようになったお気に入りの商品を、競争相手が仕入れて販売し、お客さんを取られてしまうのは許せないことでしょうし、その考え方はほろよいも理解できます。
ただ、今は日本酒不況の時代で、いくら1エリア特約店1店舗制をとってもエリア外から売りこみにくる酒屋さんが増えてきています。ネットで有名地酒を取り扱う酒屋さんもふえていますので、なかなか完全な独占販売とはいかないようです。
きのうも取引先の酒屋さんと一杯飲んでいたら、昨年末、弊社の「初しぼり」をその酒屋さんの近くの量販店に卸したことに触れられ、酒の勢いも手伝ってけっこうキツイ物言いで叱られてしまいました。
ほろよいとすれば、「初しぼり」という商品は、年末のバタバタした時期に、広いチャンネルで、太く短く販売するにはもってこいの商品だと考えて、量販店(といっても、平和堂やダイエーなんて本格スーパーではなく、地元のAコープなんですが)に流したのですが、その酒屋さんは少なからず影響を受けてしまわれたようです。
こんなに日本酒が売れない時節に、酒屋さんの顔をうかがって自己規制をかけてばかりではいけないのですが、今の御店主のお父さんの代から親しくさせていただいていた酒屋さんのお叱りなのでいささかショックでした。
ハー、日本酒っていうやつは、造るのもしんどいですが、売るのもしんどいですなあ。
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