海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2005年07月29日(金) 滋賀県産酒絶賛!


田崎真也氏が主催する雑誌『ヴィノテーク8月号』で「京都」と「滋賀」の酒が特集されました(http://www.vinotheque.co.jp/)

「日本名門酒会」の副本部長、飯田永介氏と、全国屈指の地酒酒販店「横浜君嶋屋」店主、君嶋哲至氏のおふたりがテイスターをつとめられ、京都の地酒29種と滋賀の地酒35種をブラインドできき酒されたそうです。

20点満点の絶対評価で15点以上の評価を受けたお酒が紙上で発表されていたのですが、京都のお酒が4種に対し、滋賀のお酒は19種と圧倒的に滋賀県勢が評価されておりました(うちのお酒は「吟花」と「花嵐」両方とも掲載していただきました)。

きき酒後の感想も、京都についてはサラリと流しておられましたが、滋賀県のお酒についてはかなり詳しくコメントを書いておられます。

滋賀県産酒が共通してもつ「味わい深さ」「ボディ」「ボリューム」「バランスのよさ」「コストアンドパフォーマンス」を、おふたりとも驚きをもって評価しておられました。

酒の専門誌なので販売店は限定されており、袋とじ記事なので(笑)1050円也を出していただかないと読めないのですが、機会があれば読んでみてください。(滋賀県では彦根市銀座のヤマガタヤLIQUORでお取り扱いしておられますが、念のため在庫の有無を確認の上おでかけください)。

PS.書籍ネット通販のアマゾンでも販売されているそうです。



2005年07月21日(木) ひさしぶりにお勉強

日本酒造組合中央会が主催する「近畿支部経営幹部研修会」なるものに出席してきました。

会場のホテルグランビア京都は、近畿圏の蔵元さん多数と税務署のお酒担当の面々、メルシャンや協和発酵といった原料アルコールの営業担当でごったがえしておりました。

卑下するわけではありませんが、灘、伏見のナショナルブランドの重役、社長連中が大勢おいでになってますので、零細蔵元のほろよいはお尻がむずかゆくてしかたありません(今年は滋賀と京都が幹事役で、午後の部の司会をやらねばならなかったしねえ)。

中央会の報告では酒税法の改正について言及があり、10種11品目に細分化されている酒類の分類を整理する方向で検討がすすめられているとのこと。

酒税のがれのために、発泡酒やら第3のビールやらへんてこなアルコール飲料ができているため、もっとおおまかに分類して課税しようというわけだそうです。

日本酒においても、純米酒とアルコール添加を行なう本醸造や普通酒のどこかに線引きをして酒税に軽重をつけようという構想があるようです。

ほろよいなんかは、純米酒とそれ以外に分けてもらい、純米酒の酒税は安く、一滴でもアルコール添加したお酒は酒税を高くしたほうが、消費者さんが一番わかりやすくてよいし、グローバルスタンダードじゃないかなと思うのですが。

その結果、ほろよいの蔵で造っている純米酒が「清酒」で、本醸造が「リキュール類」という法定表示になっても一向かまいません。

だって、すでにビールのバッタ物が「その他の雑種」なんて表示になっているのですが、けっこう売れているじゃないですか。消費者さんはそんなこと意に介してないように思うのですが。

お酒の輸出については「国分」の貿易担当からお話がありましたが、各国いろいろと事情を抱えていて、片手間ではなかなか輸出は難しいようです。

船便を使う限り、現地につくまでの運賃やら手数料はたいしたことがないのですが、現地で物品税やら酒税がかけられてかなり割高になってしまう例があるとのこと。

たとえば日本国内で720ml460円(メーカー出しの価格で、日本国内の酒税はかかってません)の純米酒を、20フィートのドライコンテナ(温度管理しないコンテナ)に満載して輸出した場合、こんなふうになってしまうのだそうです。

アメリカ/ロサンゼルス
現地到着時点(運賃+保険)526円→輸入通関後574円(関税や物品税等支払い後)

台湾/基隆       501円→ 972円
カナダ/バンクーバー 528円→1.045円
ドイツ/ブレーメン   518円→ 642円
シンガポール      503円→2.788円
中国/上海       500円→ 998円

台湾では現地人がつくる「玉泉」というブランドがシェアを確立しているため、なかなか参入がむつかしかったり(関税をはらったら価格が倍ちかくになってしまうのですから価格競争力では太刀打ちできませんなあ)、

寿司ブームに沸くフランスでは、日本食レストランの経営者のほとんどが中国人やらベトナム人など日本人以外のアジア人で、安酒志向がつよく純日本産の清酒が売り辛かったり、

中国への輸出は商取引などでいろいろと問題が多いため(対中直接取引はほとんど行なわれていない)、香港に陸揚げし香港の業者が中国向けに販売する方法がとられていたりと、なかなかお国によって深刻な事情があるようです。

(中国でのビジネスで苦労している日本人のHPは以下の2つがおもしろいです)

中国でお酒を造っている、奈良の中谷酒造さんのHP
社長さんの中国日記は出色
http://www.sake-asaka.co.jp/index.html#index-2


中国の農村部でお仕事をしている「らんさん」のHP
ちょっぴり感情的な記述もありますが、毎日じっくり読ませてくれるプログです。「ほんとかなあ」と思うほど深刻なお話も。
http://chinalifecost.seesaa.net/ 

午後からはガラリ趣向がかわり、浮世絵から江戸時代のお化粧を研究している先生のお話があって「美艶仙女香(びえんせんじょこう)」という白粉のお店が、浮世絵の版元と協力して美人画や役者絵の中に自分の製品をそれとなく描きこませるという、現代広告会社顔負けのPR手法をとっていたとか、浮世絵で美人と老婆と猫が描かれていたら、その女性は「お妾さん」だとかというトリビアを教えていただきました。

老婆はお妾さんの身の回りの世話をする一方、主人以外の男性と浮気しないか監視する役どころだそうですが、なぜもうひとつが猫かというと、それはココの「蚤とり侍」の解説をごらんください。

会場では酒粕の問屋さんがおみえになり「酒粕を売ってください」と蔵元のみなさんに名刺をくばってました。清酒生産量の減少と、大メーカーで経済酒製造のための液化仕込みがさかんに行なわれていて、まっとうな酒粕の供給が非常にタイトになっているそうです。いよいよお酒より酒粕が高く売れる日も間近か!(笑)

↓一日お勉強の後、滋賀の若手蔵元連中と祇園方面に消えたほろよい。写真はホテルグランビアから眺めた京都の背骨「烏丸通」の夜景。


















2005年06月23日(木) おもしろくなってきた

6月1日付、大阪国税局 課税第二部 鑑定官室長名で「秋の新酒鑑評会/燗酒用清酒の部への出品希望製造場の確認」という文書が先日まいりました。

あくまでも実施計画案の段階なのですが、お酒が充分に味乗りする秋(品質評価は10月中旬、一般公開は11月上旬を予定)にお酒の鑑評会をやろうというのです(すでに他局で実施されているところもあるのですが、大阪局がこんなことを言い出したのはこれがはじめてです)。

出品区分は以下の通り6つです。
イ)平成16酒造年度に製成した吟醸酒の原酒(純米吟醸を含む)
ロ)燗酒用清酒(市販酒規格に割り水したもので酒造年度は問わない。精米歩合は60%より黒いものとし、きき酒評価温度は45度)
ハ)生もと系清酒(市販酒規格に割り水したもので酒造年度は問わない)
ニ)長期貯蔵酒(貯蔵期間3年以上で市販酒規格に割り水したもの)
ホ)低アルコール酒(アルコール分12%未満で酒造年度は問わない)
ヘ)その他(ハ〜ホに該当しないもの)

いかがですか、特にロやハの部門は個性的で味わいのしっかりした滋賀県の地酒にお誂え向けとは思いませんか。今津酒造組合の会議で出品の意向を聞かれ、ほろよいはもろ手をあげて参加表明しました。

大阪国税局鑑定官室といえば清酒製造の技術的な部分で、近畿圏の蔵元を統括し、灘、伏見という2大清酒生産地をかかえています。

ナショナルブランドのメーカーのほとんどが傘下にあり、退職された鑑定官も何人かは各大手メーカーに顧問や研究室長として再就職しておられるため、酒類行政はどうしても地方の蔵元の振興より、大手の方に向いてしまう傾向があったのですが、どうやら新しい鑑定官室長に代わられてから風向きがかわってきたようです。

灘には「剣菱」「白鷹」といった燗酒にめっぽう強いメーカーもあるので油断はできませんが、面白くなってきました。








2005年06月22日(水) 怪発光体?



↑委員会終了後、気分転換にホタル狩りに。ほろよいのデジカメではホタルの光だけを写し取るのがやっと。なんともはやライトグリーンのきれいな色をしていますねえ。


マキノ生活プラザ(仮称)設立準備委員会なるものに出席。

マキノ駅前に小型のショッピングセンターつくろうということで、マキノ商工会が音頭をとってさまざまな方法を模索しているのですが、なかなかコレというような決定打がありません。

いろいろな立場の方が意見を戦わせるのですが、中心になるべき物販関係の人材が手薄でなかなか前向きの話になりません。

月に1度、ログハウス風の仮説店舗を組んで「あったか市」開催し、ショッピングセンター設立の気運をもりあげていき、熱のある賛同者をつのっていこうということになりました。

本業の酒がこんなに落ち込んでいるのに、他人様のことまで心配するのかといわれそうですが、地元が活性化しないと「竹生嶋」も売れていきません。

乾いたタオルを絞って、数滴の水をしぼり出すような努力が続きそうです。




2005年06月20日(月) 棚卸し

ちょっとワケありで、2時間がかりで吉田酒造の全在庫を棚卸し。

冷蔵庫のスミに隠れていた、2年前のにごり酒が数本ひょこっとでてきたり、15年前の大吟醸が出て来たり、帳面にはのっているはずなのに姿の見えなくなった酒があれこれでてきました。

当時は、売れるだろうと思って詰めたんですが、1回は売れても、後続の注文がこなくなってお蔵入りなんて酒がほとんどです。

御時世のならいで、少量多品種化はやむを得ないのですが、スポットの限定商品はもっと厳しく生産数を吟味しなくてはいけませんね。

自戒の意をこめて、2年前の雪花にごり酒を今夜きき酒といきましょうか。



2005年06月17日(金) 突然の銃声



↑漁船からカワウを駆除するIさん。たまに鹿刺しを頂戴します。

早朝6時すぎ、琵琶湖の方からパンパン!パンパン!と乾いた破裂音が断続的に響いてきます。

すわ!一大事と窓から湖をのぞきこむと、近所のIさん(猟友会所属)が漁船に乗りこみ、猟銃をかまえているではありませんか。

ああそうだった、今日はカワウ駆除の日だったわいと、きのうの防災無線のお知らせを思い出しました。

ここ10年ほど琵琶湖にカワウが大繁殖し、鮎を食い荒らすわ、竹生島の木を枯らすわ、大きな被害がでています。

数匹が羽を乾かしている姿は、ユーモラスでのんびりとしたものですが、何百羽(もしかすると千を超えるかもしれません)ものカワウが黒い編隊を組んで乱舞する姿は壮観というより、不吉で禍禍しいものを感じてしまいます。

殺生は好きではありませんが、こんなに増えてしまったのですから、やむを得ないのかもしれません。

滋賀県農政水産部水産課のHP
http://www.pref.shiga.jp/g/suisan/kawau.html
http://www.pref.shiga.jp/hodo/e-shinbun/2005/5/18/0518gf00.pdf

滋賀大学教育学部で湖沼学の教鞭をとる遠藤修一先生のホームページより(http://www.sue.shiga-u.ac.jp/~endoh/)荒れ果てた竹生島の現状をごらんください。

↓湖面に落とす深緑の姿を、緑樹影と謡われた竹生島も今は地肌をむきだすのみ。
http://www.sue.shiga-u.ac.jp/~endoh/kojitsu2002/kj2002-2.jpg



2005年06月12日(日) 勤労奉仕デー

愚息が通うマキノ東小学校の資源回収と環境整備の日

古紙はあんまりお金にならないので、一升瓶、ビール瓶、アルミ缶のみの回収で、一升瓶はほろよいの会社が買わせてもらっています。

集まった600本強のラベルを見ると、簡単な地元の市場調査ができてしまいます。まだ半分くらいは「竹生嶋」のラベルですが、やはり焼酎のビンが増えてきました。もらい物とおもわれる地方地酒のラベルもちらほらあるようです。

うちのラベルのビンが3分の1を割り込んだら、いよいよ廃業ですな(笑)

つづいて校舎まわりの草刈を2時間ばかり。うちの学校はそのほかにもビオトープ学習をしている西内沼と、奥田沼をかかえていますので、親があちこちにちらばってしまい、けっこうな仕事量です。

ちょっと気が向いたので、お昼は奥様のかわりに、ほろよいが野菜のてんぷらと冷麦をこしらえ、冷たいビールををゴクリといっぱい。いい汗をかきました。


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