おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦1月17日 立待月(月のカレンダーに書いてあったのですけど・・)
ほっと二息なんて言ってられないです。心機一転がんばります。
3月には埼玉のギャラリーで竹炭アクセサリーの作品展をすることになりました。詳しくはのちほどにしますが、とりあえずたくさんのものを作ってみようと思います。
さて、今日の晩のテレビの3チャンで、循環型地域社会についてのフォーラムの番組があり、途中から見ました。 いま、全国各地でいろんな活動をされている方がいるのですね。自然な農法の畑・田んぼ、野生動物との共生、里山の保全、地域通貨、などなど。 いま、地域で盛り上がった集まりが、全国の同じ方向性を持った人たちと繋がり始めて、全体が変わりつつあるところにいると言ってました。 はじめは非営利で始まった集りが、活動をするにしたがってお金や物流のことなどに行き詰まってきて、いま地域通貨などいろんな試行を各地でされているのですね。 こういった話を聞くと、なにかしたいけど具体的に動き出してない自分が見えてきてしまいます。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦1月16日 満月
火事も起こさず無事に窯が止まって、ほっとしました。ちょっと気が抜けてしまい、竹炭アクセサリーの注文がけっこうあるのに、ほんとはゆっくりとはできないのですけど、今日はゆっくりしてしまいました。(今日もかな・・)
夕暮れ時に家をでたら、東の空にでっかい真ん丸のお月さんが登ってきてるのに気づいて、あまりに大きくていい色なのでしばし見とれてました。 元気をすこしもらった気分になります。
日の出、日の入の太陽もそうですけど、水平線にくるとなんであんなに大きく見えるのでしょうね。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦1月15日 十五夜
今日、火が止まりました。
煙が青白くなってくると、炭化の終わりに近づいてきます。 未炭化を少なくするためと硬質の炭に仕上げるために、最後に炊き口を大きく開けて空気を入れていきます。それを「精錬」または「ねらし」と言います。
もちろん酸素を入れれば燃えてしまうわけで、前の炭材を燃やし犠牲にしてまでも温度を上げていきます。 温度を上げればいい炭になりやすくなりますが、前の部分が燃えて収量が少なくなります。ここら辺がどんな炭にしたいかによって、焼く人によって大きく変わるところでしょうか。 私はだいぶ引っぱる方ですね。 なにせ個人でちんまり焼いて生計を立てようとするなら、他に真似できないほど硬質の炭を焼いて、硬さを必要とする竹炭アクセサリーなどでやっていかないといけないですから・・。 大きなところはやはり質より収量が大事というところが多いです。
それに硬く焼けるとその分重くなるので、精錬を長くやっても短くやっても体積が変わるだけで全体の重さはたいして変わらないので、やっぱり良いのを望みます。 かといって、温度を上げさえすれば硬質になるかといえば、またわからないんですよね。上げ方によるというか・・、私にはまったくさっぱりわかりません。
ということで、毎度手探り(適当というか勘というか)でどうにか火が止まりました。 どんな炭になるか結果がすべてですが、煌々と光る炭火をみつめるこの時間は変えがたいものがあります。
<今日の精錬時の竹の炭火です>
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦1月14日
窯のとなりの傾斜には柚子畑があります。 ま〜1年中窯の煙を浴びてますから、農薬はやらなくても虫が付かず、すごくおいしい柚子が取れます。
かと言ってまったく虫がいないってわけでもないです。 ここは夏場にはいろんな種類のアゲハチョウがたくさん飛びかっていますが、アゲハチョウの幼虫は柑橘類の木の葉しか食べないそうです。 そう言われてから、最近注意深く柚子の木を見てみると、います、います。 枝と同系色に変色したサナギが・・。 きっと普通だったらここしか柑橘類の木がないので、葉っぱが無くなるほど食べられてしまうと思うのですが、この竹酢液(木酢液)の自動散布でほど良いバランスが取れているんではないでしょうか。
ということで、窯は明日に止まりそうです。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦1月13日
排煙口の温度が80℃ぐらいになってくると、なんとも甘いような酸っぱいような匂いがしてきます。特に竹の場合は甘く感じます。 いよいよ炭化が始まりました。 竹酢液も採り始め、これからです。
この香りはたまらなく好きでほっとします。体も殺菌されてるようで、炭焼きの前に風邪をひいてても、いつの間にか何ともなかったり、というのはよくあります。(大きな風邪は最近はひいてませんので、治りが早いんでしょうけど・・) 月に一度のこの煙浴は炭焼き人の特権でしょうか。
昔から炭焼きさんは長生きだなんてよく言いますけれど、煙(竹酢液)の効用があるかもしれませんね。 またもっと違う見方をすると、その経済性というのもあると思います。 昔は地方では、職に困って最後にたどり着く仕事とされてたようで、ホームレスの人の次に位置されるほど身分が低く見られ、儲からない重労働の仕事だったようです。 素食と運動は健康の基本ですからね。長生きするはずです。
年配の方とお話する時に「炭焼きをやってるのかね?たいへんだね〜よくやるね〜」なんてよく言われていたのですが、そういう意味合いがあったんですね。
いろんな用途に使われ始めているこれから先は、どんなふうになっていくんでしょうか。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦1月12日 立春
相変わらず排煙口の温度が60℃代なんですが、匂いが少し変わり始めてきてます。 が、もうちょっと乾燥させます。
その間を縫って今日は月に一度の「こども竹林プロジェクト」に参加しました。 今日は竹の楽器のオーケストラを指揮している柴田さんという方が講師で来ていただいて、竹の楽器を作りました。
今回は竹はいつも炭にしている太い孟宗竹ではなく、細い篠竹などを使って、横笛とパンフルートを作りました。 天然の生きてる素材の竹を使って、筒の長さを変えるだけで、いろんな音を出すなんて、なんて面白いんでしょう。
こどもたちの事を書きたいけど、窯にいかねば・・。
音を出すってきもちいいですね。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦1月11日 節分
窯の方は変わらず60℃代にキープさせてます。
さて今日は節分です。 聞いたところによると、暦などによく載っている年の運勢の変わり目は、今日の節分と明日の立春が節目だそうです。 おもしろいですね。なんで新暦や旧暦の1月1日じゃないんでしょうか。 明日からまた新しい星まわりになるそうです。
ちなみにうちでも豆まきしました。 母と姉ははずかしがってやらないので、私ひとりで神棚と玄関とトイレにやりました。 ひとりはちょっと恥ずかしかったですけど、わざわざご近所に聞こえるように大声出せるのも一年でこの日ぐらいしかないので気持ちよかったです。 母たちもやれば気分がいいのに・・。 これが小さい子がいたら、大人もいっしょにやれるんですよね。
ほんと子供はそれだけで人徳ですね。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦1月10日
ただ今、排煙口の温度は66℃。 80℃くらいになってくると、炭材が熱分解(炭化)し始め、煙がすっぱくなってきます。熱分解の際に自ら熱を生じるので、その熱で次々と炭化が進み、そうなると外から熱を送り込まなくてもよくなり、空気の調節だけしてあげます。
ですから66℃はまだまだ。 ほんとは簡単に焼こうとすれば、ガンガンに熱を送り込んで1〜2時間で80℃まで上げることができるのですが、特に竹の場合はヒビや膨れができてしまうので、ゆっくり温度を上げていってます。
私はのんびり屋なのでちょうどいいです。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦1月9日 上弦
今は炭材を乾燥させている期間で、とろとろ弱火ですが薪をくめ続けています。 ですので夜も火の番で窯の近くにいないといけないのですが、隣に家はありませんので、車での宿泊です。
さむい・・。けどこの細い体をスノーマンのように着太りさせれば、満天の星空が見える時はなんとも言えないほど、この寒さがかえって気持ちいいです。(一瞬だけ・・) ちなみにここは天の川見えます。東京なのに・・。 いいところです。
家には夜に夕飯を食べにと、翌日の朝・昼飯の弁当を取りに戻ります。
では、行ってきます。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦1月8日
待ちに待った火入れ。
火事に気をつけることと、薪を汲めることと、空気の調節をこちらはするだけで、あとは竹と窯におまかせになります。
始めの3〜4日は炊き口と排煙口を狭め、とろとろ弱火で薪を汲め続け、蒸すようにして、徐々に温度を上げていきます。
炭焼きの時の日記は、言葉少なになりそうです・・。
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