おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦十一月十九日 冬至
おひさしぶりです。 日記は数えてみると5ヶ月ぶり・・。 本当にすみませんでした。 この間、臨時の窯を借りながら、新しい炭焼きの場所探しをしていましたが、この度ようやく焼かせていただける場所が決まりました。 場所は今まで焼いていた「日の出町」の隣の「檜原村」です。 プロ野球選手の契約みたいですけど、途中経過を日記やHPに載せるのはなんとなくよくないかなと思いまして、日記が書けませんでした。
この数ヶ月考える時間があり(檜原村は3ヶ月前からお話があったのですが延び延びになっていました)、これからどんな炭焼きをしたいのかいろいろと考えました。 まず、会社組織でない個人レベルの炭焼きをするのだから、個人だからできるものってなんだろうと。 また、何百年も炭焼きの村として続いてきた檜原村で何をしたいのだろうと。(今は炭焼きを本業としている人はいません)
ぜんぜんわかっていないのにこんなことを言うのはおこがましいのですが、山に感謝し、山と共に過ごしてきた檜原村の方々のこころと、炭焼きの技術を学びながら、こころを込めて炭を焼いていきたいと思いました。
その一つに、竹は私が手ノコで切らせていただいたものだけを使うことにしました。 また、こころを落ち着かせて焼いていきたいので、窯の見学はお断りすることにしました。 見学希望の方にはたいへん申し訳ないのですが、何とぞご理解ご協力のほどをお願いいたします。 他にも今まで効率性を重視して、やりたくてもこだわれなかった事をすべてやろうと思います。
このことを決めたら、(実行するのは大変でしょうが)とても気持ちが落ち着いて、とても楽しみになってきました。 それと想うままに炭を焼かせていただけることに本当にありがたく思います。
現在は森林組合の方に頼んで敷地内の樹木の伐採をしています。 それから整地をし、そのあと窯づくりに入ります。 これからもどうぞよろしくお願いいたします。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦六月四日
お久しぶりです。 今日はお盆の迎えの日なので、亡き父の墓参りをしに行ってきました。 それで、父の魂が我が家に来て、帰りはナスとキュウリに麻がらを4本挿して足にして、動物に見立ててそれに乗って帰っていただくということですが・・。 仏前の前でそのナスとキュウリを見ながら、 私:「これはなんの動物だったっけ?牛とキリン?」 母:「なに言ってんの?牛と馬でしょ!」 私:「あ、そうか。これは首が長かったから・・」
また、仏前の生けてあるユリを見てて、 私:「え〜と、このユリ、名前なんだっけ? らっぱユリ・・らっきょうユリ・・え〜と・・」 母:「てっぽうユリでしょ・・」
なかなか笑えないボケですが、亡き父はニガ笑いぐらいはしてくれてるでしょうかね。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦三月十五日 満月
お久しぶりです。 すっかりご無沙汰してしまいましたが、最近いろいろあり過ぎて書く余裕がなくなってました。 まず、大きな出来事を書きますと、今まで焼いていた窯が地主さんの諸事情で焼けなくなってしまいました。
本業としてやり始めてしまってから、生産量と質の向上の為にもう二窯も三窯も作りたくなっていたのですが、今までの場所はもうそんなスペースがなく、新しい場所を探さなければならないと考えていたので、逆にいい機会になりました。 ここでは始めは趣味ではじめ、途中でなんだかんだで仕事として始めてしまったので、地主さんにはとてもご迷惑とおかけしたことと思います。
それで運がいいことに急に頼み込んで「日の出太陽の家」という福祉施設にある炭焼き窯を3ヶ月ほどお借りすることができ、どうにか仕事的にも繋げられそうです。 ということで、当分「太陽の家」に通いながら、新天地を探します。
太陽の家のHPは http://www.taiyonoie.org/
もしその新天地はもう存在してると考えてみたら、いったいどこなんだろう、と楽しくなりますが(まったくもってノンキですが・・)、とにかくあらゆるところに当たってみます。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦正月十五日 十五夜
今日は旧暦のはじめの十五日です。 月の本を書いていたり、月カレンダーを製作している志賀勝先生が「昔のある地方では旧暦正月の15日を年始めとし『暦開き』として祝うのだそうで、今年は皆さんで祝いましょう」と、「暦開きの会」を企画しまして、私も今夜参加させてもらいました。
ん〜おもしろかったですね〜。 月の本やカレンダーを作っている志賀先生の知り合いなので、今回の集まりは「月」つながりですので、面白い人ばかり集まってました。 整体師の方で「月の満ち欠けで人体の骨盤やどこどこの骨が微妙に動く」という話や、月夜の海のムーンロードを泳いだ話や、盲目の方で月をいつも感じて暮らしているという話や、また、満月の舞や歌を披露してくださったり、と盛りだくさんでした。 ほんと竹だけが月と密接な繋がりを持っているのではないんだな、とつくづく・・。
月の周期を意識して生活することって、私たちの意識と体にとって自然に還るきっかけになるんだな・・、としみじみ思いました。
おっと、窯を見に行かないと・・。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦一月十二日
今日はTBSラジオで無限窯を中継で紹介していただけるということで、てんやわんやの日でした。 打ち合わせはすこし炭や私のことの雑談をしただけで、「こう聞きますから」という台本のようなものは聞かされなかったので不安でしたが、「そうゆうものはないほうがいいんです!」というスタッフの方の言葉どうり、来た質問にそのとき思ったの答えを話すほうが、けっこうすんなりといくものなんですね。さすがプロ・・。 それにしても小心者なので緊張したのですが、レポーターの山中伊知郎さんがはじめに「マイク1本さらしに巻いて、街に出るのが私の修行!〜ちぃーくぅーたぁーん!」と絶叫したのですが、これで思わず緊張も緩みました。(それまでおとなしい人だったんです・・)
もっといい言い回しもあったよな、とも思いましたけど、まあ、ほんといい体験をさせてもらいました。 ちょっと癖になりそうな・・。 でも焼くほうが本業なので、(今日から火が入ったので)気を入れて見ていこうと思います。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦一月一日 新月
あらためまして、明けましておめでとうございます! 旧暦では今日が年明けです。 最近はこちらの元旦の方が重みを置いてまして、まあ何することもないのですが、気持ち的に心機一転しようと思います。
今日はいい天気で、最高の小春日和でした。 昼間は枕用の粒炭を粉砕してフルイで選別する作業をしたのですが、きもちよかったです。 川のせせらぎと鳥の声とぽっかぽかの天気とすがすがしい空気のなか、炭の粉で顔が真っ黒になりながら、ここちいい時間を過ごせました。(鼻の穴もまっくろなので、いつも北島三郎になってしまうのですが・・)
幸先のいい、始まりの日でした。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦十二月十七日 満月
今夜は満月。 午後6時半、いったん家に戻る運転中、東の空にまんまるのお月さんが町の建物の隙間から急に出てきたので、すっごくドキッとしました。 今回はちょうど今夜、これから精煉(最後の硬質の炭にするための作業です)をし始めようとするところです。 一週間ほどかかる窯なので、おおざっぱにしかいつ火が止まるかわからないので、こうもぴったりと満月の夜に精煉の光を見れるのは何ヶ月ぶりでしょうか。 やはり夜の窯止めは暗いので、炭の光がよく見えていいです。 しかも今夜は快晴で、寒いですけど、いい時が過ごせそうです。
では、行ってきます。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦十二月十三日
どうもお久しぶりでした。 すっかり新年も明けて間もないですが、窯の方はようやく今年の初窯に火が入りました。 ただ今、炭焼き中です。 今回はほとんど太いところだけの竹を詰めて焼いています。 太さが均一の方が、同時に炭化するのでいいのだそうです。 しかし、細いのだけで焼くと、その細いのが(太いのと混ぜた時と比べると)あまりよく焼けてないように感じます。(今までの浅い経験では・・) 特に細い筒竹などは、筒竹だけだと、空気の通りが良すぎるのか、割れが多くなってしまいます。 これもやり方次第なのでしょうか。 いろいろ試してみないとわかりませんね。
さて、今夜の月はきれいですね。
先月の年の暮れの満月の日に、月の本を書いている志賀勝先生の、月大好きのお友達が集まった会合に顔を出したのですが、ほんと面白かったです。 月の話で盛り上がるなんて、なんて楽しいのでしょう。 そのお仲間のひとりは、小さい頃から望遠鏡で月を観察していて、ほとんど毎日のように月を見ているので、昼間でも今どこに月がいるかわかるそうで、部屋の中であそこら辺にいるなと思って、窓から顔を出してみると、そこに月がいて、ニンマリとするそうな・・。 雨の日も今あそこら辺にいるんだろうな〜と思って過ごしているんだそうです。 へ〜こんな人いるんだな〜。なんかうれしくなりますよね。 自転をしている地球の表面に自分がいて、その周りに月が廻っているって立体的に感じているんでしょうね。 それで、その方にその時に「満月の東隣りにある二つの明るい星のうちの下の星が土星、西隣りにある明るい星が木星だよ」と言われていたのでした。 (肉眼でこれが土星、木星って見たことがなかったので、えらくうれしかったので、それから会う人会う人に「あれが土星で・・」と話してしまってます・・。) それが、今夜のお月さんを見たら、あれ!?先月とほとんど同じ配列でいるじゃないですか。 へ〜1ヶ月で月が一周してきたんですね〜。(見た目の話ですが・・) よく見ると、土星と木星との位置も先月と少しずれてました。 おぉ、あの光は惑星でほんとに動いているだなー。
とまあ、まいどこんな感じですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦十一月九日 上弦
いやはや、日記はだいぶごぶさたしてました。 一度書かなくなると、ずーとそうなってしまいますね。
さて、今日火入れです。 今月はもうちょっと早く火を入れて、年の瀬はゆっくり来年の準備を・・なんて思ってたら、やっぱり上弦に火を入れることになって、窯止めは29日の満月頃になる予定になってしまいました。
毎回炭材の詰め方が微妙に違うので、今回もまた楽しみです。
いろいろ書きたいことが一杯なんですが、遊びで「全国炭やき情報サイト【炭すみネット】http://www.sumisumi.net/」というのを作り始めてまして、そっちも早急にちゃんとしたいです。
そうです。掲示板を付けました。 日記のご感想・ご意見などもありましたら、どうぞ書き込んでみてください。
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
旧暦十月四日
前回の日記では、「またあした」なんて言ってましたけど、ぜんぜん書けませんでした・・。
今日は月に一度の炭焼きの定例会です。 環境NGO「西多摩自然フォーラム」の集まりで、普段は会員の人が5〜10人で比較的ひっそりと炭焼きしているのですけど、誰でも参加自由としているので、たまにとんでもなく大人数になる時がありまして、今日はそれでした・・。
横浜や埼玉からわざわざ来ていただいたり、フォーラムの人も自分たちの田んぼから採れたお米を食べようということで大人数が来たので、総勢30人ほどなってしまい、それに加えて、午後に多摩市からハイキングで来た団体さん20人ほどがお花炭を焼きにドドッと押し寄せてきたので、えらい賑わいになってしまいました。 こんな山奥に・・、と考えるとおもしろかったです。
竹きり(切ってあったのでほとんど竹運び)や炭焼きもしましたけど、ほとんど宴会でしたね。 それがフォーラムが手入れをしている里山から採れるいくつものキノコが入ったキノコ汁もでまして、私も食べれるシンプルなキノコ汁にしてもらえたので、おいしかった〜。 ありがとー西田さん! しかも、みんなの新米を竹筒と薪で炊いたご飯も甘くて、これもおいしかった・・。 私はほんと花より団子だな・・と感じてしまう一日でした。
ということで、台湾の話はまた後日・・。
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