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おさむ日記
窯主のノンキな炭焼き生活日記
おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
2004年05月05日(水)   新居決定

旧暦三月十七日 満月

檜原村で新たに建てた公営住宅の入居者を募集していたのですが、私が入居できることに決まりました。

昨年に地主さんの自宅に移り住んでいた新参者の私なので、とても望みが少なかったのですが、運良く入居することができました。

うれしいことは続くものですね。
ほんとありがたいです。

これでより落ち着いて、炭焼きに専念できそうです。


おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
2004年05月01日(土)   塩釜神社への奉納

旧暦三月十三日

先月お参りした塩釜神社で竹炭と竹酢液を奉納させていただいた時に、宮司さんとお話する機会があり、「塩竈桜」などの境内の樹木に撒く炭を探しているというお話を聞いて、新たに初窯の粉炭と灰と竹酢液を奉納させていただくことになり、3日前に発送しました。

これは焼き手の私にとって、なんにも変えがたいほど嬉しいことでした。
ご神域内の樹木の根元に埋められ、その竹炭はこの先ずっと樹木を支え続けてくれるのですから。

初窯の炭は大部分が灰で、残った炭も軟質のものでしたが、いくら軟質でも私の中では特別なものなので、大事に扱いたいと思って販売せずに保管していました。
そんな時にこのお話をいただいたので、とてもタイミングが良かったです。

しかも、樹木にとってはミネラルの溶出が良い軟質の炭の方が良く、灰は特に良く、最適なのです。

すごく励みになり、これからの炭焼きをさらに大事に行っていきたいと思いました。




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2004年04月29日(木)   無限窯のウェブショップ開店

旧暦三月十一日

昨日の更新に引き続き、ウェブショップもよ〜やく立ち上がりました。

準備が整っていないので、品目がすごく少ないです。
まるで「しょうゆラーメン」しか出さないラーメン屋みたいで・・。

その分、しっかりとしたものを提供していきたいと思っています。
他に粒炭・粉炭・お風呂用・アイマスク・まくら・アクセサリーなどあるのですが、順にUPしていこうと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。


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2004年04月05日(月)   お宮参り

旧暦 閏二月十六日 満月

昨日、宮城県にある塩釜神社にお参りに行ってきました。
御祭神の塩土老翁神は「竹の神さま」と言われていると聞いてから、いつかお参りさせてもらいたいと思ってましたので、来れてほんとよかったです。
(こちらのお祭り〈帆手祭3/10〉が私の誕生日でして、ご縁があるのではと勝手に思い込んでます)

今回、初窯でとれた竹炭と竹酢液を奉納させていただいたのですが、こういったものを奉納させてもらえるのか心配だったのですけど、とてもこころよく受け取っていただいて、本当にありがたかったです。

こちらの境内には「塩竈桜」というサトザクラ系の八重桜があり、桜の美しい神社としても有名のようで、あいにくまだつぼみの状態だったのですが、たくさんの木々に囲まれて、遠くには塩釜港・松島湾・牡鹿半島・金華山も望めて、とても気持ちの良いところでした。

「塩釜」の名の由来になった塩づくりが神事として行なわれてまして、末社の御釜神社には古来から使われている鉄釜が奉安されています。
その神釜はつねに海水を湛えているのですが、鉄製にも関わらず何百年も錆びずにいるそうです。
ふつう塩水に漬けていると鉄は必ず錆びるものなのですが、ふしぎですね。

今年はもう窯づくりで行けそうにありませんが、来年の桜の満開時にまたお参りに行きたいです。

塩釜神社のHPは『鹽竈神社・志波彦神社』


塩釜神社楼門(随身門)にて


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2004年04月01日(木)   桜さく

旧暦 閏二月十二日

今日はいい天気でした。
遠出をするために新しいロードマップを買いに本屋に行ったのですが、道中どこにいっても桜・桜・桜。
道端にはあちこちからいろんな芽が出てきてるし、春はやっぱりきもちいいですね。
こんなにどこもかしこも桜を植えて、まったく日本人って・・と思いながら、どこにいっても飽きずに見とれている自分に気づいて、あぁ日本人だな・・と。
やっぱり桜はいい・・。

買ったロードマップには桜の名所も載っていて、その多さにまた驚いたのですが、さらにどこ行っても温泉があるのに改めてびっくりしました。
すごい数ですよね、温泉。

たいした話じゃないのですけど、つくづく日本人って桜と温泉が好きなんだなと思ったのでした。


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2004年03月26日(金)   炭やき中の夢

旧暦 閏二月六日

まいど更新がのびのびになっています。

先日、2回目の炭の窯出しをしましたが、まだ窯が湿っていることから収量は少なかったのですが、今回は最後の精錬も420℃(煙突)ほど上がりましたし、ようやく皆さんにお渡しできる硬質の竹炭が取れました。よかった・・。

炭もできたし、いよいよネットショップを立ち上げようとしていますが、まいどのことでなかなか。
ショッピングカートなどの設置技術もさることながら、どうゆう商品で、どこをこだわっているかなどの説明の文章がうまく表現できずに四苦八苦してます。
一応日本人なのですけど、日本語ムズカシイです・・。

さて、今日は先月の2回目の炭焼きの時に見た夢の話をします。

そういえば、初窯がどんなだったかも話していませんでした。
初窯には、割った板の竹は入れずに、直径10cm以下の筒の竹だけを詰めました。
だいたい2・3回目までは、「窯が濡れているので、窯が乾燥するために炭化の熱が奪われて、収量も質も良くない炭ができる。初めは窯を焼きあげるのが目的と思った方がいい」と師匠に言われていたのですが、案の定、いえ思った以上に初窯の炭は収量が少なく、軟質の炭しかできませんでした。
それというのも、乾燥に2週間、炭化に1週間、全体で3週間かけたのですが、乾燥の初期に炭材に火が着いてしまい、それでも乾燥を続けたことから、その間も炭材は燃えて続けてしまったようです。
また、炭化が始まってから(80℃代になって薪をくべるのをやめてから)、周りから熱を奪われてしまうにも関わらず、熟窯と同じように温度が下がるか下がらないかのギリギリのところまで窯口と煙突口を狭めたので、炭材がより多く燃えてしまいました。
しかし、80℃台(煙突)を長くキープしたこともあり、なぜか竹酢液は今までにないほど透明できれいなものが採れ、また窯自体もヒビがすごく少なく、想像以上に良く焼きあがったので、初窯はこれで最適の出来だったのではと思っています。

で、その後の2回目なので、初期に炭材に火を着けないよう、乾燥を低火力で進めるために、切りたての水分を多く含んだナラの生木だけをくべることにしました。
今回は当初、乾燥1週間、炭化1週間と考えてまして、乾燥は日中0.5〜1時間ごと、夜中は3〜4時間ごとに薪をくべました。

そんな中の3日目の夜、小屋の暖かいストーブ前でウトウトと寝てしまった時に夢を見まして・・。

舞台は「ロード・オブ・ザ・リング」のようなところで、服装もあんな感じで、武器も持っていて、4・5人の仲間と(指輪を捨てる目的ではないのですが)敵を倒しに行くという設定で旅をします。
それがすっごく長い旅なんです。
果てしなく長くてヘトヘトになりながらも、いろんな難関を乗り越えていきます。
そして、最後(?)の数人の強敵が現れて、仲間といっしょに懸命に戦うのですが、これがすごく手ごわくて、私は息を切らして眉間にしわを寄せながら、「強い・・とても倒せそうにない・・」と思います。
そこでその隣で、仲間のホビットのような小人(or子ども)が、目をキラキラ輝かせながら、この戦いを遊んでるかのように楽しんでいるのに気づき、すごくハッとさせられます。
こんな大変な時になんて子だろう、と胸が熱くなって、そこで夢から覚めます。

で、炭焼きの方はと言いますと、生木を燃材にしたことから、なかなか温度が上がらず、乾燥が予定より長引いて、8日・9日と過ぎてしまい、寝不足もあり、だんだん精神的にもクタクタになって「このままずっと温度が上がらないのでは・・」と思ってしまいます。
これって数日前に見たの夢のまんまじゃないかと気づいて、ハッとさせられました。
私は、大したことでもないのに、いろいろと考えすぎて、身動きが取れなくなってしまうところがあるのでした。
もっと楽しんでいいんだと思うようになったら、だいぶ気が軽くなり、結局乾燥は12日ほどかかったのですが、そのあと炭化は順調に始まって、精錬もよくかかり、どうにか終えることができました。
温度を上げたのに天井のヒビがすごく少なかったですし、窯の特徴もだいぶ把握できましたし、今回も良い炭やきでした。

臨機応変に対応するところが足りないとつくづく感じましたが、それはゆったりと楽しんでいるところからも始まるのかなと思いました。

ということで、夢は面白いですね。


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2004年02月14日(土)   ようやく2回目の火入れです

旧暦一月二十四日

いつものことになってしまっていますが、予定がだいぶ遅れてしまって、ようやく炭材をつくり、窯に詰め終わりました。
ほんと計画性がない・・。
昨年なんて、春の計画では昨年中に窯が2基出来上がっている予定だったのですけど、とんでもなかったです。
その経験から今年は初めから1年がかりで2基目の窯づくりを考えているのですが、この分だと相当ピッチを上げないと危ないかもしれないです。
なにせ檜原村の冬期は−10℃にもなるので、窯づくりの途中で冬は越せないのです。
またその反面、2基目は少し構造が変えたりするので、また一人でじっくり作るのは楽しみでもあります。

ということで、明日か明後日に火を入れます。
2週間ほど泊り込みますので、メールや掲示板の返信はその間できないと思いますが、ご了承ください。
今回は新月から満月の期間にというのは少しずれ込んでしまいますが、何が違うか見てみようと思います。(まだそこまで繊細に分からないと思いますが・・)
では、行ってきます。


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2004年02月06日(金)   月面着陸?

旧暦一月十六日 満月



今夜の関東地方の満月は快晴で、ほんとにきれいでしたね。
この写真は、満月ということで月面の写真を載せたわけではなく、前に話していた窯の天井です。
これでは今ひとつわからないと思いますが、なんとなく塩っぽい。
でも、試しになめたら「うえ〜」でした・・。
竹か土の成分が地表に出てきたそうなので、何回か焼いていくうちになくなってしまうかもしれません。
それでも気に入ってしまったので、「塩釜一号」と呼ぶことにしました。

ちなみに、竹の筒に塩を詰めて焼き上げてつくる「竹塩」は、実は炭焼き窯でもやろうと思えばできます。
前の日の出町での窯では、師匠の金太郎さんから聞いて、手前の灰になる部分の竹の筒だけに塩を詰めて、何度か焼いたことがあります。
売っているものと同じように、ちゃんと硫黄の匂い(と言うよりゆで卵の匂い)がして、味もまろやかになっておいしい塩になりました。
ですけど、今回の窯はいい竹炭と竹酢液だけを目指したいので、竹塩・お花炭・木炭の飾り炭などは一切やらないことにしました。
それだと本当の「塩釜」になってしまいますし・・。


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2004年01月04日(日)   火起こし

旧暦十二月十三日

その「御火鑚具(みひきりぐ)」なる火起こし器を地元の木工職人さんに作ってもらい、試しにやってみると、これが火がつかないんです。
それというのも、直接教えてくれる人はなく、形やサイズも伊勢神宮のHPの画像で目見当で決めて、やり方も火起こしのHPを探して参考にしただけだったのです。
舞きり式という火起こし器なのですが、二本の棒を十字に通して、横の棒を上下に振ると縦の棒が回転して、その縦棒の先端にV字の切り込みを入れた板に当てて擦り合わせて、その摩擦で火を起こすというものなのですが、きっとこの説明では分かりづらいですね。


無限窯の御火鑚具


参考に
http://www7.ocn.ne.jp/~hiokosi/hiokosihouhou.htm

そうこうしているうちに、火入れ前日の夜中。
いろいろと改良を重ねてようやく進展が・・。
心棒と板が擦れて炭に近い黒い粉が出てきて、そこに微かな明かりが見えてきました。
それを粉が飛ばないほどの息を吹きかけると、少しずつ大きくなり、やっと種火(炭火)ができました。
そしてまず、種火を消さないように杉の粉(知人からもらった杉のお香)を足して種火を大きくして、さらに麻の繊維を加えれば発火が!
と思ったのですが、これがなかなか炎が出てこないのです。
杉のお香もあって、仮眠小屋は煙だらけ。
咳き込み、涙と鼻水をぼろぼろ流しながら、さらに吹きつづけ、しかし麻の繊維は赤くなるだけで発火せず・・。
それを10分ほど繰り返しているうちに、ようやく他の素材を使おうという考えに気づいて、杉の皮を細くして加えました。
そうすると煙の中から、ほぁっと眩しいほどの炎がでて、用意しておいたロウソクを掲げて移し、ようやく火が灯りました。
人里離れた山小屋で一人、小川のせせらぎしか聞こえない静かな夜の中、何ともいえない驚きがありました。
まるで小さな火の神さまが歌舞伎役者のように「テケテンテン!」とお出でになったような。
なんて火は尊いのだろう、と思いました。
補足すると、この火だけでなく、そもそも火とはすべて尊いものだったんだ、と。

この初めて灯った火を朝までロウソクで灯しつづけて、初窯の火入れに使わせていただきました。
ですので、私にとって今までの炭焼きとはまったく意識の違う炭焼きになりました。



おさむ日記/炭焼き生活日記 〈竹炭・竹酢液の無限窯〉
2004年01月03日(土)   今年も窯づくりの年です

旧暦十二月十二日

実は前の元旦の日記は年賀状を丸写ししたものでした。ご了承を・・。

さて、昨年はなかなかHPを更新せずに野放し状態にしてしまい、訪れてくださっている方々には本当に申し訳ありませんでした。
今年はいよいよネットショップを始める予定です。
しかし今年も窯をもう一つ作るので、炭を焼くのは2〜3ヶ月に1度で、また丸一年かけた窯づくりの年になりそうです。
でも今年はHPに力を入れて、たくさん更新しようと思っていますので、よろしくお願いいたします。

初窯はいろいろと感じたことが多かったので、書きたいことはいっぱいあります。
たとえば、火入れ。
今回の新しき檜原村での炭焼きから「御火鑚具(みひきりぐ)」と呼ばれる火起こし器を使って、始まりの火を灯すことにしました。
この火を「忌火(いみび)」と言って、清浄な火として、伊勢神宮ではすべての神事に使用しているそうです。

こちらの伊勢神宮のHPに写真が載っています。
http://www.isejingu.or.jp/maturi/maturi3.htm

ということで、続きはあした。


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