無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年08月04日(土) やっと入院準備/映画『猿の惑星』/『20世紀少年』6巻(浦沢直樹)ほか

 入院二日前。
 いい加減、準備もしなきゃいけないが、前売券を買っておいた『猿の惑星』も、今日あたり見に行っておかないと、もう時間がない。
 てなわけで、しげと久しぶりに(本当に久しぶり!)、キャナルシティに向かう。
 AMCに行く途中、ジョイポリスの横を通るのだが、しげが「あ、こんなところにもアレ売ってる!」となにかを見つけた模様。
 「なにを売ってるって?」
 「カフェ・イン・コーラ」
 「……つまり何かい、コーラとコーヒー混ぜたヤツか」
 これが21世紀を象徴する飲み物なのかなあ。なんかイヤだなあ。

 夏休みに入っているせいか、朝も早いというのに、AMCの前は長蛇の列である。『ジュラシック・パークⅢ』も今日から公開だし(そのワリに以前ほど盛りあがってないよなあ)、『千と千尋の神隠し』を見に来た客も多いようである。少し早目に着いたのに、並んでいるうちに上映時間直前になってしまった。

 おお慌てでパンフレットとジュースを買って、劇場に入る。
 客の入りはそう多くない。せいぜい四分と言ったところか。公開1週間しか経ってないのに、この程度と言うのは、あまりヒットしてないのか、時間が早かったおかげなのか。
 予告編はそれほど引かれるものがない。『トゥームレイダー』のアンジェリーナ・ジョリーのハードアクションにちょっと目を見張らされてくらいで、『ヤマカシ』も『キス・オブ・ザ・ドラゴン』も、ありきたりのアクションという印象。というか、どうしてこうアクション映画しかないのだ。
 館内は今一つクーラーが効いていなくて、私には熱っぽいくらいだったのだが、しげにはこれがちょうどいいらしい。どうも私としげとでは体感温度に差があるので、いっしょに行動しにくいのだ。

 それでもじっとしていれば自然に汗は引いていく。
 夕べはゆっくり寝ているし、途中居眠りすることもないだろうと、期待しながら見た『猿の惑星』であったが。

 うーん、悪い出来だとは思わないけれど、『アウターリミッツ』か『トワイライト・ゾーン』の一本として見せられたら「面白かった」と言える程度の作品なんだよねえ。実際のところは。
 というか、元々この作品のSF的アイデアといか、センス・オブ・ワンダーってのは、「人間が猿に支配される」って点にしかないんだよね。よく言われる前作の衝撃のラストとか(今回も別パターンの衝撃のラスト用意してるけれど)、付随的なものに過ぎないんで、「なぜ猿たちが英語を喋ってるのか」ということに整合性を与えるとしたら、自ずと答えはいくつかに絞られてしまう。結局、予想の範囲内でしか物語は展開しないのだ。

 冒頭、宇宙空間に突如発生した磁気嵐を探索するために、一匹の猿が探査ポッドに入れられて、宇宙ステーションから打ち出される。しかし、その磁気嵐の中で行方不明になった猿を救出するため、主人公もまたポッドで後を追いかけるのだが……。
 SFに慣れた人なら、ここで結末までのストーリーがいくつか浮かぶだろう。その中で一番陳腐なものを選んでみると……。はい、それがこの映画のオチ(^_^;)。
 キャラクターどうしのからみあいも妙に薄味で、盛りあがりに欠けてたなあ。

 まあ、SF未経験者に対して、入門的に見せるのにはちょうどいいかなあ、という程度の映画だなあ。
 映像的にもこちらがドキドキするようなビジュアルが少なかったのが残念。
 香港映画がアメリカでもブームになっちゃったせいか、猿のジャンプがやたらとワイヤーワークで表現されるんだけど、アレは一つの様式としては面白いんだけど、リアルさはないんだよね。わしゃ別に『里見八犬伝』や「猿之助歌舞伎」を見に来たわけじゃないんだけど。


 何だかよく分らないが、しげが「カードがほしい」と言うので、マクドナルドでバリューセットを頼む。キャラクターのカードがオマケに付いてくるらしいのだが、私にはなんのキャラかよく解らない。時代はどんどん私を置いて流れて行くのだな。
 
 近所のホームセンター「GOODAY」で、明後日の入院のためのブツを買いこむ。ホントは殆どありもので済ますつもりだったんだけど、ついでだからってしげが「ほら、スリッパは? 靴も要るでしょ? 寝巻きは一着じゃ足りないじゃない」ともやたらと世話焼き女房のフリをするのだ。
 ……世話を焼くなら、病院まで通って、洗濯物持ってってくれるほうが安上がりだと思うんだけどなあ。要するになんかイベント的にしか私の入院を考えちゃいないのだよ、しげは。

 帰宅した後、疲れ果てて夜まで寝る。
 しげが仕事に行っている間に、遅れていた日記の更新を一気に片付ける。
 ……マジでシンド。疲れたよ。

 CSキッズステーションのオリジナルアニメ『SAMURAI GIRL リアルバウトハイスクール』第一回見る。
 学園内のケンカが「K―ファイト」という名前で公認されてて、そのチャンピオンは各部活動の挑戦を受ける義務があるって設定、なんかどこかで聞いたような気がするなあ。……『コータローまかりとおる!』か? 他にもありそうだなあ。
 そのチャンピオンを女の子に設定したのはウリを考えてのことだろうけど、超ミニスカでパンチラがあったりして、ちょっとアザトイ。
 しかも、ラストでいきなり異次元の怪獣バトルに突入って、……なんじゃそりゃあ!? かえってここまでデタラメだと、あと面白くなるかもしれない。
 でも入院するんじゃ第2回以降が見られないじゃんか(T_T)。


 マンガ、浦沢直樹『20世紀少年』6巻。
 とりあえず「オッチョ」は生きてたな。
 かつての仲間たちが21世紀を境目にどうなったのかを少しずつ明かしながら、いまや陰で世界を操っているらしい「ともだち」の謀略も描いていくそのストーリーテリングはうまいのだが、あまりに定番過ぎるキャラクターが散見するのもちょっと興ざめの部分はあるのだ。
 警察がほぼ「ともだち」の支配下にあることはこの時代では常識になってるんじゃないのか? それに気づかない蝶野刑事のキャラクターはいくらなんでもマヌケ過ぎるぞ。もう少しマシな人物造形にしておかないと、読者は腹を立てるだけだって。結局こいつのドジのせいで、ニューハーフのブリトニーちゃん、死んじゃうんだから。
 ……結構このブリちゃん、いいキャラだと思ってたのになあ。ここで死なせちゃうのはちょっと中途半端じゃないの? 秘密を知った者が次々消されていくってのは、確かにお約束の展開ではあるんだけど、だったら最初から死体で登場させなきゃ。ある程度読者を引くだけ引いて、キャラクターに感情移入させといて、なのにあんなバカげた展開で殺しちゃあ、ドラマはそこで収束しちゃうじゃないか。
 助かりそうにないものをいかに助けるかってこと、それを考えるのが本当の「ドラマ」ってもんだぞ。安易に人を殺すな。
 浦沢直樹、小学館漫画賞及び講談社漫画賞をW受賞ってことだけど、『20世紀』のほうはまだ先の展開が見えないだけにちょっと早すぎるように思うんだけどなあ。


 影一族保存会編『RED SHADOW 完全攻略極秘ガイド』。
 果たして映画を見に行けるかどうか分らないので、解説本を買ってしまった。
 予想してた通り、原作はほぼ無視するらしい。白影はやっぱり凧に乗ってるみたいだけど。
 その思いきりのよさはなかなかいいんじゃないかな。旧作をリメイクしたって現代的な面白さが生まれるわけじゃなかろうし。今時、巨大ガマだの大まんじだの出したってねえ(^o^)。
 あまり詳しく読み込むと、見たときに面白さが半減するので、ビジュアルなどの設定資料を中心にして読み、ストーリーのあたりは出来るだけ目を通さないようにする。
 ヒロインは二人ともなかなかかわいい。欲を言えば忍者の女の子はもう少し精悍な感じのほうがいいけど、かといって女子プロレスラーあたりを連れて来られても困るからなあ。脇役も谷啓さんやきたろうさんとか、結構好きな俳優が多くて、期待は起こる。
 けど、見る前に文句を言うのもなんだけど、キャラクターのネーミングがあっさりしてるのはどうもなあ。「不動」とか「金剛」とか「乱丸」とか「力丸」。原作には「不動金剛丸」ってのがいたけど、名前を分けた分、強さも半減、いや、三分の一くらいになっちゃった感じなのだ。演じるのも藤井フミヤだし。
 やっぱりさあ、敵の忍者の名前ってのは、「むささび道軒」とか「不知火典馬」とか「猩猩左近」とか、「肩書き」がほしいわけよ。根来の頭領はやっぱり「根来弦斎」なんて普通の人の名前じゃなくて、「暗闇鬼堂」ってくらいにおどろおどろしくあってほしいんだけどなあ。
 そう言えば、かつて赤影を演じた坂口祐三郎さん、今は故郷の福岡県久留米市で演劇塾を開いておられるのである。分校が福岡市内にもあったはずだから、公演でもあれば見に行きたいんだがなあ。

2000年08月04日(金) 特許成金、夢じゃない?/『20世紀モノがたり』(紀田順一郎)ほか



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