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ZS日記 「25時」-7・・・・・kisaragi - 2003年05月14日(水)

「一食くらい喰わなくても、死にやしねぇ」だと!?

このアホマリモは、一食を笑う者は、一食に泣くって言葉を知らねぇらしい・・・(俺のジジイの座右の銘だ)
そもそも、人間らしい食事って、そういうもんじゃねぇだろう?
一食くらい抜いてもなんて思ってる時点で・・・・・しかも全然一食じゃねぇ・・・
生活に余裕がなくなってるってことに、どうしてこいつは気が付かねぇ?

何か一言言ってやりたいのに、上手く言葉が見つからない。
部屋からでていこうとするゾロの袖口を掴んだまま、
空っぽの重箱に何も言えなくなる。

今朝、いつもより早く起きて、それはちっとも苦にならなくて、
きっと、なんだかんだと腹を空かせているに違いないゾロが、
がっつくのを横で見ながら、
「どうだ、クソうめぇだろう?仕方ねぇから、また作ってきてやるよ」
って言うつもりだった。

もともと誰かに飯を食ってもらうのが好きな俺だけど、
誰かの顔を思い浮かべて作るのは、また別の楽しさで・・・・・
なんでこんなことになっちまうんだよ・・・・・

ぎゅうっと唇を噛み締めたまま、ゾロの袖口を離せない。
口を開けば、仕方のないことを口走ってしまいそうだ。

「悪ぃ、サンジ。腹へってたんだ・・・・・お前の弁当、すげぇ美味そうで、
食ってみたら、ホントに旨くて、止めらんなかった」

見れば、叱られた仔犬のような顔をしたルフィがいる。
大雑把なようでいて、この新人は、実は人の心の動きを、
野生動物のように察知する。
恐らくは、ゾロと同様に、ルフィもまともに飯を食っていない。
そのことにようやく思い至った。
「旨かったか?」
「すっげぇ旨かった!!」
思いっきり、体全体で旨いと表現されれば、
もう、許す以外に何ができるというのだろう?

ゾロに喰ってもらいたかったけど・・・・・
「じゃあ・・・・・また作ってきてやる、そのかわり、
人の分まで手ぇ出すなよ?
おい!ゾロ、お前の分も作ってやっから喰え、いいな?」

言って徐に、自分の机まで引き摺って来て、
鞄の中から、夜食にと思っていたパンを出す。

「とりあえず、これでも喰っとけ」


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リーマンZS日記
『世界で一つだけの…』

Ⅰ「タックル」1~8
Ⅱ「25時」 1~12
Ⅲ「 海 」 1~14
Ⅳ..writing now..
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