僕の声は届いていますか…?
MUTSU



 カミングアウトとあやふやな記憶と。

私は昔、大罪を犯しました。一生忘れられない事をしました。

知っている人は、7人。

いや、当時の彼氏も含めると8人。

…何で、今更言ってもいいかなとか思ってるんだろう…。
言ったところで、周りに変な気使わせるだけだろうなぁ。
…と、思ってたからあえて言わなかったけど。

もう、みんな大人だよね。
でも、一生親にだけは言わない。



2001年2月13日 婦人科にて【7週間】の宣告。
迷わず「無理です」と言い切った自分。
その後はサクサクと書類の説明と、サインの話と、手術日の予約。
体調の異変と吐気に、薄々感じてはいたが、覚悟はしていたが。
いざ、宣告され、「無理」と言い。手術日の決定と…準備。
その足で、彼氏の家に駆け込んだ。何事もなく話そうと思ったが、自分でも何をしているのかわからない状況。
言うだけ言って、泣き叫ぶしかなかった。

次の日、普通にバイトに行った。何事もなく。
自分の犯した事に実感がなく、一緒にバイト上がった親友にだけロッカールームで言った。
「うち、7週間らしい。来週、手術するんだ…」
泣き出した彼女を見て初めて、実感するずるい自分。

その後3回も普通にバイト行った。
バイトは婚礼関係していたので、何だか痛い時もあったり…
体調的に苦しい時もあったり…
でも体調が苦しければ苦しいほど、自分のお腹の中の「命」に実感してしまう。

今だけ「母親の気分」になるのはおこがましいかな、とか
この豆粒にも満たない「命」を何て呼べば良いのか…とか
「あぁ、あと何日で私は人間になれたかもしれない命を殺すんだなぁ」…とか
自分勝手なSEXで、必然的な受精で、なのに なのに何で自分はこんなにまだ自分勝手なんだろうと。
人事の様にも思えたり、彼のせいにして逃げてしまいたくなったり。
その後、彼とはこの話題には不自然なほど触れなかった。


2001年2月19日【堕胎手術】を受けました。
8週目直前でした。
手術は寝てる間に終わってました。
医者に「全く問題ありませんでした(成功しました)」といわれました。

当時の彼氏が本当は終わり頃、迎えに来てくれるはずでした。
でも、「眠いから」と言って、来てくれはしませんでした。
お腹が空いていたので、病院の近くのミ●ドで何か食べて、だらだらと彼氏の家へ向かいました。
何だか、その日は普通に何事もなく、何が起きたのかもわからない一日でした。

2001年10月2日【出産予定日】でした。
自分だけは、覚えておこうと思った。でも彼はそんなもの覚えても、気にもしてなかった。
もし、生まれていたら今日は5歳の誕生日だったんだね。


一番、自分がどれほど酷いかと言うと、
全く「後悔」をしていない所…
あの時、あの判断が一番の選択だったと思うこと。

そして、今の自分がいます。
後悔はしていないけどトラウマにはなってます。
軽々しく「欲しい〜」とか言わない様にしてる。
自分にはそんなこと言う資格もなく。

ここ最近、身近に急増し本当に可愛いとは思う。大好きです。
でも「羨ましくもない」自分がちょっと残ってたり…最悪だな。


結婚式が終わって「家庭」を改めて見直したときに、なぜか無性に隠し切れなくなった自分の感情垂れ流し〜…

気分悪くされた方、ごめんなさい。

2006年10月02日(月)
初日 最新 目次 MAIL


My追加