誰かが生まれ、誰かが死に 戦争が起きても、夜生き物が寝静まっても それでも地球は回っていく
時間、という目に見えない不思議で 実在するかもあやしい流れに乗って 行き先があるのか、来た道はあるのか。
・・・そして、長かった 長かった夜が、今明けようとしている
・・・
旅。目指すところがどこだろうが 旅には帰るところがある そう、僕も今夜帰るのだ
しかし、ずいぶん遠くへきてしまったもので 帰る道中も疲れが隠せない そこで、代行を頼むことにした。
そういえば、代行と英行は少し似ている 具体的に言うと、行という漢字が同じなところだ だが英行といっても代行ほど知られた名ではない。
そんな仲間意識を感じながらも 代行を待ちつつ、その会話に思いをはせ 予行演習をする
「はい どぉもー 本日は代行をご利用いただき ま・こ・と・に! ありがとうございます!」
『あ、ども』
「はい お客さん、本日はどちらまで!?」
『あ、○○町の・・・ いや、あの虹の向こうまでお願いします』
「えっ・・・ 虹の向こうですか」
『はい。どこまでも限りなく、降り注ぐ虹の向こうへ』
「わっかりましたぁ じゃあ、二人でドライブと行こうぜ」
ぶーん・・・
なんてな ふふ 虹の架け橋なんてでてねぇしな。 ほんと、おれと他人とにゃ心の架け橋が一本もねぇよ と、演習も終わったころに代行はやってきた
『代行、お願いします』
「はい どうもぉー ・・ってお客さん 自転車じゃ代行できませんよ」
・・・世の中世知辛い。 じゃあ自転車日本一周の人が旅に疲れたら どうやって生きていけばいいんだよぉぉぉ
気が付くと、代行の人は居なくなっていた。 ・・・もうお前になんて親近感感じてやらないんだからっ と、そっと優しく逆切れしておいた。
だが、旅は終わりを迎える。 そう・・・あの家へ数年振りに帰る付いたのだ。
これは旅の終わりではない 果てしない旅の始まりなのだ とりあえず、疲れのせいかそのまま眠りにつくことにした。
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