2013年10月02日(水) |
聞きたくなかったひとこと |
父が検査入院している。 過労からの体調不良。 そして、循環器系統の検査を重ねている。
少し体力的に大変だという検査の日、 どうだったかな、と思って電話してみた。 病院に行っていると思われる母に。 個室は携帯の使用も許されている病院だ。
父は丁度次の検査に行ったとかで、 憂鬱がっていた検査は無事に、 しかも大したこともなく終わったという話だった。 そんな話をしていたところ、 2つ目の検査からも父が戻ってきたのだった。
実に元気そうな「よそ行き」の声が電話にも入ってきた。 看護師さんたちや先生に使う「作った声」だ。
病室に父が入り、母は電話を父に渡そうとした。
「勘弁してくれ」
という父の声。 いつもの、この台詞を言うときのぶっきらぼうな声。 顔も表情は想像つく。 これまで、何度この不快な声と表情に怒りを覚えただろう。
結局、父はこういう人なんだ、と思う。 でも、私の父であり、 愛情の表現がかなり間違っていても、 父なりの愛を注いでくれている。
父はわがままな人で、 本質は優しいのかわからない。 いつも人前で「あるべき姿」を演じているのかもしれない。
なんだろう・・・ 大丈夫かな〜、と心配をしていたのが 哀しいと思ってしまった。
こっちもわがまま承知で言えば、 あのぶっきらぼうな「かんべんしてくれ」で、 あたたかい気持ちに氷水を掛けられた様な気分だ。
薬をつかった検査だったから、 気分が悪かったのかもしれないけれど、 あの看護師さんへの「作った声」の後の、 その一声。
人の優しさって、無限じゃない。 父の巧妙さをいろいろと気づく今、 その父流の人との関わりのパターンを残念に思う。
知っていてもなお、 どうしても気がかりになってしまうのは、 やはり私がそんな父の娘だから。
なんだか、子供ってバカだなあ、と思ってしまう。
そうやって、父は母のことも何度も傷つけている。 そのことに気づいてもいない。
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