天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

どう思う? - 2008年10月22日(水)

日本に行くことになってしまった。11月に。

どうしようかどうしようか迷って、迷いながら迷いながら毎日飛行機のチケットの値段をチェックうちに、帰国を決めた途端に値段が跳ね上がってしまった。

1500ドル。15万だって。最低。格安チケットのはずなのに。

帰って来てくれと毎晩のように電話してくる父に、返事を伸ばし伸ばした挙げ句「2週間だけだけど帰るよ」って約束したからにはもうあとには引けない。っていうか、$1,479 の文字に驚いて反射的に「購入」をクリックしたからにはもう行くしかない。

いやだ。行きたくない。ものすごくものすごく心が重たい。憂鬱。吐きそう。落ち込む。

東京の友だちにメールしたらなんかすっごい喜んでくれて、それでちょっと気が楽になって、嬉しくなって母に電話したら「ふうん、そう。気をつけて帰っておいで」。妙に淡々と言われてまたがっくりしてたらすぐに携帯から「11月、楽しみだね。何が食べたい? うちに泊まるなら私と一緒のベッドだよ♥」ってウキウキメールをくれて、「何が食べたい?」じゃなくて「どこに行きたい」が先じゃないの? とか思いながら会いたくて泣きそうになった。

それでもやっぱりどっと黒いかたまりが胸の中に押し寄せてくるのは、なんでなんだろう?

今回は、帰国するのに大使館に行かなきゃいけないとか、そのための書類とか弁護士さんに用意してもらってとか、ああパスポートサイズの写真も要るんだとか、そういうのがいろいろめんどうでしかたないけど、黒いかたまりはそれのせいじゃない。

胸が苦しくておなかが痛くて肩が重たくて、病気になりそう。やだ。やだなあ。なんでだろ?


そんな気分の毎日。仕事してても憂鬱が取れない。

お昼休み。白衣のポケットに忍ばせてる「禁止」の携帯が鳴る。ID がブロックされてる。誰かな、って電話を取ると、日本語が聞こえた。日本に行くのがやだから耳がハルシネーションしたのかと思った。

声がわからなかったなんて。

あの人の声がわからなかったなんて。

「僕だよ、わかる?」って言われて、エレベーターホールに天使の名前を呼ぶわたしの叫び声がエコーした。

天使。天使と話してる自分の声が信じられなかった。雑音だらけで聞き取りにくいからこっちが大声になって、お昼休みで人だらけになったエレベーターホールの視線を一斉に浴びてしまった。

日本語はどんなふうに聞こえるんだろ。イタリア語とスペイン語が似たように聞こえるみたいに、パンジャビ語とヒンディー語の区別がつかないみたいに、日本語は中国語とおんなじように聞こえるのかな、ってあとから考えてた。

たくさん話せなかった。ううん。わりとたくさん話したかもしれない。アパートが火事になってチビたちが死んでしまったこと話したら、天使が泣きそうな声出した。


会えるのかな。わたし、会いに行くのかな。時間あるかな。わたし、会いたいのかな。会いたいに決まってるよ。もし会えたら何年ぶりかな。8年? すごいな。天使は変わってないだろうな。わたしは年取っちゃったよね。でもまだ歳よりうんと若く見えるらしいから、平気かな。

わたし、会いに行くのかな。どう思う?











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