2001年07月26日(木) |
「草食動物と肉食動物」
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「肉食か草食かで言ったら、 アツシ君は、ぜったい草食動物だよね」
と女は言った。
のんびり平和そうに見えるということだろうか。 人と競い合ったりしないイメージだろうか。
「ふっ。俺も男だ。 たまにはオオカミになって、お前を食べちゃうぞー」
なんて台詞はもちろん吐くことはなく、 「確かになぁ、野菜好きだし」 なんて答えた。
しかし ふと考えてみる。 男たるもの草食動物で良いのだろうか。
どんな意味で女が「草食動物」と言ったのか、 定かではないが、時にはやはり肉をバクバク食べる 強い所も必要な気がしなくもない。
いや、もっと ふと考えてみると、 僕の周りにいる人を「肉食」か「草食」かに 区別してみたら、
みんな「草食動物」な気がする。 そんな気がする。
「人間、きっとみんな草食動物なんじゃない?」 と僕が言うと、
「そんなことはない。肉食の人はいっぱいいるよ」
と彼女は言った。
そうなのか。 きっと僕は、あっという間に肉食動物の人間に 食べられてしまう気がする。 しかも、食べられていることすら気付かぬうちに、 ぺろっとね。
「食われる前に食っちまえ」とは思わなく、 (抽象的だけど、つまり僕を蹴落としたり、 利用しようとする人間に対して・・・)
僕を食べて、もしもその人が幸せになれるんなら、 食べられてもいいかなぁとか、 そんな のんびりしたことを考えてしまう。
きっと僕は草食動物だ。
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