盛岡に引っ越してきてからというものずっと気になっていたのですが、 このたびやっと、読みやすそうなものを1冊購入しました。
期待通り、美しい言葉であふれていて、感動。 新しいHPタイトルも、詩集のなかから選びました。 「私の生活」というよりは、もっと個人的な、内面的なHPにしたいと思って。
この詩集はしばらく持ち歩きそうですが、小説も盛岡にいるうちにゆっくり読みたいな。
2004年07月17日(土) |
「海のふた」/よしもとばなな |
よしもとばなな最新作です。2回読みました。夏のお話。
作者のHPの日記を読んでいたので南の話なんだろう、と思ってましたが、今回の話は作者の大好きな海をベースに、人や自然や、いろんな周りのとりまく環境の、心の美しい部分をそのまま大事にしよう、とゆうようなメッセージが溢れている気がしました。
最近のよしもとばななには自然崇拝じゃないけど、何か「根本に還ろう」と言った雰囲気を感じます。オカルトチックとかいろんな言い方や言われ方があるけど、
旅行に行った時ヨーロッパの古くからある教会や大聖堂を見たりして、 またフラやヨガをやっていて思うんだけど、「昔から今に伝わって現在あるもの」は大なり小なり宗教や、その土地の神様を崇拝する心、が関係してくることは当然だと思う。昔の人は皆、何かを神様として奉ったり祈ったりして、そうして人間の文化が進んできたのだから。 で、それをわざわざ避けて似たようなものを現代で作ろうとするとどうしてもケミカルチックな感じが避けられない、気がするのは私だけでしょうか。
「自然に還ろう」という言葉もよく聞かれますが、これから自分が何を心に持って生きていくのか、そうゆうことって自分自身にすごく大事なんじゃないかなーと思います。自分の信念のようなもの。 宗教とか無宗教で徹するとか以前に。・・・とゆうことを時々、考えます。 (本のレビューとはかなりかけはなれちゃいました)
2004年07月10日(土) |
「思うわずらうことなく愉しく生きよ」/江國香織 |
3姉妹の物語、ということで、自分もそうだし、期待して読んだのですが、 うーーーーん。
結婚して長い長女、同棲中の次女、彼氏の定まらない三女、の物語なんだけど、 それぞれの性格もよく出ていていいんだけど、
なんてゆうか、みんなが自分の生活や暮らしの中で「男の存在」や「セックス」に重きを置きすぎている気がして、なんか不自然さを感じてしまいました。
そうゆうのは人によって違うしこれは小説なんだけど、私が思うのは、
恋愛や結婚をしていて、相手(男性)は自分の中で大きな位置を占めるのは否めないけど、 なんて言えばいいんだろう、 自分の価値観が疑問に思えるときって時々あると思うんだけど、 「自分はこれでいいのかな」みたいな、
そうゆう疑問を持たずにただ自分だけの正論を貫いて生きることが、 それが悩みとかから回避する理由でそれが「愉しく生きる」とゆうことだったら、 それはちょっとむなしいんじゃないかなぁ、と思えたのでした。
大事なものの優先順位はひとそれぞれなんだけど・・・
2004年06月15日(火) |
「博士の愛した数式」/小川洋子 |
小川洋子の違う本を読もうと思ったんだけど「本屋大賞1位!」にひかれ買ってしまいました。 読んで単純に「良い」本だと思った。例えて言えば、「中学生に夏休みに読ませて感想文を書かせたい」感じ。博士と主人公の息子・ルートとの交流・関係に心温まりました。
関係ないかもしれないけど、最近少年犯罪がニュースでよく話題になり、その「少年」の育った環境の複雑さが取り沙汰されるけど、やっぱり周りの大人の関わり方が子供の性格とゆうか心にすごく影響するんじゃないか、とこのごろ思う。 てゆーか、大人と少年を区別しようとするから先に進まないんだと思う。 博士とルートみたいに友達になって、いろんな体験を一緒にしてみれば気持ちがわかるのに。 とかこれを読んでまた思いました。
2004年06月08日(火) |
「生まれる森」/島本理生 |
以前雑誌で見かけてからずっと読みたいと思っていて、やっと読んだ。 島本理生の本は初めてです。 (最近、いろんな人の本を読もう、と思っているんだけど。)
初めの方から主人公のツラさ?イタさ?がせつなすぎて、一度本を閉じた。
「それは彼がふとした拍子に見せる攻撃的なものの言い方や神経質な性格が原因ではなくて、もっと奥のほうにかかえた強い不安が一番身近な人間の心を容赦なく揺さぶるからだった。そばにいると苦しくてたまらないのに、離れようとすると大事なものを置き去りにしているような気持ちになった。」
「楽しいこともあったけど、いつも洗い流せない疲れ」に身に覚えがありすぎてズキズキした。
こうゆう恋愛はしない方がいい。と知識で知っていたとしても、落ちてみないと「こうゆう」恋愛なんて分からない。 そして望まなくても落ちていくものだ。
読み終えて、これは再生の話ではなく、この後も長い時間をかけて苦しみながらも少しずつ癒される、その過程の話なんだろうな、と思った。
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