一橋的雑記所

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2006年01月02日(月) ※ホントは、060815.有り得ない位突貫(何)。

つか。
全然行き当たりばったりな下書き状態なので。
どうかお見逃しアレ。
その為の半纏…もとい反転仕様ですので……(逸らし目涙)。
完成したら、ドコゾへUPします……多分(多分!?)。



夏は帰省しないのかと。
何かの拍子に、あの子が訊いてきた。
それは確か、夏休みを目前に控えたある日の午後。
親戚周りもあるからと、お盆の頃の予定を伝えた時。
ほんの少しだけ、あの子の顔が。
いつも以上に、つまらなさそうに見えたのがずっと。
気になって、仕方が無かった。







生徒会絡みで学校行事に関する仕事があるからと。
嘘では無いけれども正確でもない言い訳を用意して。
義理のある方面への挨拶だけは最小限済ませて。
いつもより短めに、帰省を終えて学園に戻る。
送り火も見んと帰るんか、と。
身内の者には少し、驚かれたけれども。
本当の理由など、話せる筈も無い。

――ほんまに、かなんなあ……。

フェリーの船室の中、下船前の荷造りを終え。
旅行バッグの口金をそっと撫でながら独り言をそっと呟く。
今日明日の間に会えるとも限らないけれども。
そして肝心のあの子自身の予定を確認すらしていなかったけれども。
あの日目にしたあの子の寂しげな横顔が。
どうしても、胸の中に張り付いて消えてくれないから。

――しょうがあらしませんなあ。

小さく、笑った。


港からバスで小一時間、海沿いの国道を走りぬけ。
学園の正門へ向かう上り坂の手前の停留所で下車する。
随分と傾いた日が、海を茜に染めているのに目を細め。
荷物を持ち直して、歩き出す。
今は勿論夏休み、しかもお盆休みの真っ只中とあって。
正門まで辿り着いても、ひと気は全く無かった。
肝心のあの子にしたって、帰省とは無縁であっても。
わざわざこんな時期に学園に顔を出すとは思えない。
さて、どうしたものかと、並木道が交差する場所でふと立ち止まる。
取敢えず、真っ直ぐ女子寮に帰る気もしなくて。
中庭へと足を運んだ。

私服姿でこの場所を訪れるのは、初めてだった。
その事にほんの少し緊張する自分に気付いて微笑んだ。

今年の春、此処であの子と出逢った。

顔と名前は知っていたけれど。
実際に言葉を交わしたのはあれが初めてだった。

――なんや、随分と昔の事みたいやなあ……。

ほんの数ヶ月前のことだというのに。
胸に片手を添えて思い出す、あの時の。
取り付く島もないほどに鋭くそっけなさに満ちたあの子の姿と。
夏休み前の、どこか寂しげな横顔とが何故か矛盾なく。
この胸の中でそっと重なる。

――出来れば、今日にでも会いたい。

会って、いつものように微笑みかけて。
他愛の無い話をして。
時にはからかって。
そうして、自分の感情に素直に赤くなったり困ったりする。
あの子の顔を、見ていたい。

――あかんなあ……。

自分の思考に、ふと、苦笑が漏れる。
帰省を切り上げて来たのは結局。
あの子の為なんかでは無かった。
どんな理由でも構わなかったのだ。
あの子の顔を見たい、声を聞きたい。
それはただ、自分の為。

「……静留?」

だから。
少し遠い背後からその声が聴こえた時は。
一瞬、己の耳は愚か、正気を疑った。

「ああ、やっぱり……」

振り返ると、いつもの制服姿のあの子が。
少し驚いたような顔で、中庭へと降りる階段の半ばに佇んでいた。

「なつき……」
「帰省してたんじゃ、なかったのか」

軽く小首を傾げながら歩み寄って来るその姿は。
どうやら幻ではなさそうだった。

「ええ…生徒会の御用があるから、少ぉし早よ帰ってきたんよ」

ふうん、と興味なさげに鼻を鳴らすあの子を間近に眺め。
ふふ…っと声を立てて微笑んだ。

「何だ?」
「なつき、ひょっとして、補習組やったん?」
「……!」

正直に頬を染めて絶句したあの子に、一層頬が緩む。

「お誕生日の前の日や言うのに、大変やったね」
「別に……」

言って背けかけた顔が、はっと此方を向く。

「何で……」
「ふふふ……個人情報やけど、一応うち、生徒会役員ですさかいに」

高等部の生徒会執行部程ではなくとも。
中等部の生徒会の権限も世間一般の中学校のものよりも。
かなり強いのが我が学園の特徴だった。

「気に為る子ぉのプロフィール位はチェック済みどす」
「……職権濫用だな」

吐き捨てるように呟いた横顔が、夕映えだけでもなく薄っすらと染まる。

「ふふ…そんな日ぃに真面目に補習受けてたなつきには。
 ご褒美差し上げんとあきませんなあ」
「ご……っ?」

何だって、と言いたげなあの子に、ちょお失礼、と背を向け。
足元に降ろした旅行バッグの口金をそっと外す。

「頭使ぉた後なら、丁度良かったかもしれまへんなあ……」

そんな事を、わざと聞こえる位の声で呟きながら。
鞄の中、外の荷物に潰されないよう大事に入れていた。
包みをそっと、取り出した。

「お口に合ぉたらええねんけど」
「……って、食べ物か?これ」

深い緑色の紙包みを手渡すと、不思議そうな顔で手の中のそれを見下ろす。

「あけてみて、そないに変わったもんでもあらへんけど」

軽く眉根を寄せて、でも躊躇わずに包みを開き始めるあの子の目に。
抑え難い好奇心に満ちた光を認める。
それだけで、電車とフェリーとバスを乗り継いできた甲斐があったと。
心から、満足を覚える。

「……金平糖?」

かさりと音を立てて開いた包装紙の中には二種類の金平糖。
それぞれ、小さな竹籠に懐紙を敷いた上に盛られ。
透明な袋に包まれている。

「ええ、ちょお珍しい味のんがありましたから、お土産にと思うて」
「珍しい……?」

どこが、と言いたげに更に眉根が寄る。
爽やかな水色と、鮮やかな紅色のそれらは一見。
確かに何処にでもある金平糖にしか見えないけれども。

「青いのんが、ソーダ味。赤いのんは、トマト味」

歌うように説明すると、予想通りあの子は驚いて顔を上げる。

「と、トマト?」
「冷凍庫で冷やすと美味しいんよ?
 けど、マヨは掛けへん方がよろしおすな」
「ばっ…! いくら私でもするか! そんなこと!」

叫ぶように言い放つと、険しい表情のままで。
視線を再び手の中の金平糖に落とす。
小さなツノを幾つも張り巡らせた二色の砂糖菓子。
父に連れられ挨拶周りをこなしていた道すがらふと思いついて。
表通りから路地へ少し入った所にある老舗に足を運んだ。
懐かしいあの子の好きな色を思わせる、青。
そして、その傍らに寄り添わせたかった、赤。
夏場にしか店頭に姿を見せないそれらを見つけた瞬間。
これしかないと、思っていた自分を思い出す。

「変な取り合わせやけど、面白いか思いまして」
「……確かにな」

トマトか…と、胡乱げな眼差しで見やった後。
あの子は、無造作に青い方を包装紙ごと。
スカートのポケットに突っ込んだ。

「あら嬉しい。味見、してくれはるん?」
「め、珍しいからな」

透明な包みを、思いのほか繊細な手つきで開くと。
あの子は慎重に、赤い粒を幾つか指先に摘みあげた。

――なんや、ドキドキしますなあ。

そんな事を考えてしまうこちらの気持ちなどお構い無しに。
摘み上げた分を一気に口の中へ放り込む。

「……どうどす?」
「……うーん……?」

軽く唸り声を上げたあと、顰められていた眉がぱっと開く。

「……ホントだ……トマトの味がする……」

へえ……と。
打って変わって感心したような顔で包みをみやるあの子の横顔に。
胸の動悸が更に忙しなくなる。

「常温と、凍らした時とでは味が変わるんよ」
「へえ……」
「良かったら、試してな」

いつもとは違う、年齢相応に幼い表情を湛えた横顔。
それが、手を伸ばせば直ぐそこにあって。
何かを一心に見つめている。
その顔を見たかった。
その顔を見ることが出来たら嬉しいと。
でも、どうやら。

――それだけでは、十分とは思えんらしいなあ、この心は。

その想いを、自嘲じみた呟きでそっと抑えて。

「どうやら、喜んで貰えたみたいやね」
「ん……あ、ああ」

上の空で聞いていたあの子が、ふと我に返ったように振り返る。
照れ臭げに引き結ばれた口元が目に止まる。
そこから、そっと視線を外して、にっこりと笑って見せた

「ほな、これがうちからの御土産、兼、お誕生日のお祝い」

一緒くたにして悪いけど、と続けたら。
あの子の口元が一瞬、震えた、そんな気がした。
そこから再び視線を外して……。

あの子の顔が見えない角度から、そっと、その肩を抱き締めた。

「お誕生日おめでとさんどす、なつき」
「ば……っ! 何するこんなとこで……!」
「あら、そないに嫌がらんでも」

案の定、慌てて振り払おうもがき始めたその身を離さないように。
両腕に力を込める。 

「これはお祝いの抱擁やねんから」
「い、いらん! 暑い!」
「ううん、いけず」
「………っ! 静留……っ!」

力ずくで引き剥がす素振りを見せるあの子の耳元に。
そっと、唇を寄せる。

「なつきの誕生日、いうことは。
 うちがなつきと逢えた事、感謝する日、いうことですよって」
「な……っ」
「ちゃんと、お祝いしたいんよ」

言って、そっと、腕の力を緩める。

「おめでとう。それから、御土産よろこんでくれておおきに」

にっこりと笑って見つめたあの子の顔は。
夕暮れ時の中にあってもそれと分かる位に真っ赤で。

「……変な奴だな」

力を抜いた腕の中からそっと抜け出しながら、顔を背ける。

「土産を持ってきたのはお前の方だろ……礼なんて」
「そうどすか」
「そうだ」

言って、顔を背けたまま、躊躇うように唇を少し開いた後。

「……有難う」

呟くように零す、小さな声。
それだけの事に、耳まで赤く染めたあの子が愛しくて。
愛しくて、堪らなくて。
そっと、気付かれない位にそっと。
少し、足を引いて、微笑を返した。


これは、あの子の為やない。
そうやない。
この先、何度と無く繰り返し。
呪文のように確かめる事になる想いを胸の中に抱きながら。
ただ、あの子を見つめて、微笑み続けた。





時間切れ。
今日の日付の内に直せたら、奇跡(え)。
<060815>



ちなみに、この金平糖は実在します。
此方様ですh足してGo!(えー)→ttp://www.konpeito.co.jp/


2006年01月01日(日) 8月の台風。※ホントは060808.

そんな感じで。
元旦な日付に書いてますけれども。
今の己は、06年の8月台風7号アジア名MARIA様が。
関西に最接近なされた日に存在しておりますです(何)。

さて。
某mixi日記にメモって置いた事を。
もうちょっと補足しつつ此処にもメモをとか思いまして。
ええ、ホントは此処に書くのが一番相応しいだらうなあと思いつつ。
移動中に書けるのってあそこしかなかったもので(ヲイ)。

書き出しは、

>己の中のしずなつの形について。

でしたですね。つか何コレ(失笑)。
形っつーか、捉え方?描きたい方向性?
そりとも、原作アニメを見て以降。
アニメブックの『なつきのプレリュード』とか。
ドラマCDとかキャラソング集とか。
割と手に入りやすいオフィシャルなアイテムから読み取った。
なつきと静留の関係の描かれ方に己が感じた。
引っ掛かり、みたいなものかもしれないですけれども。

>「あんたの好きとうちの好きは違う」てなんやろなあとか。
>(友情と恋情の違いだけやない気が)。

これって、例の。
篠崎邸で目を覚ましたなつきとのやりとりのシーンの最後に。
静留さんが呟いた、あの台詞からだったんですが。
ドラマCD二枚目の「桜の花、咲くころ」には。
脚本の吉野氏曰く、アニメ版コンテの段階で切られたと言ふ。
直前のなつきの台詞を全部、入れたのだそうで。

「うちは……なつきが好きどすえ。
 せやから、何があったかて、うちはなつきを守ります」
「静留……。わ、私も……静留が好きだ。
 静留のような友人がいて、良かった……

色変えた部分が、そのアニメではカットされた部分どす(どす?)。

いや、これ、カットされてて良かったなあとか(何)。
上記のやりとりの後に、襖の向こうの廊下にでて、
静留さんが、くだんの台詞を口走るのですから。

「でも…あんたの好きとうちの好きは違うんどす……なつき」

カットされた台詞があったら。
友情と恋情の違い、としか受け取りようなかったと思うので。
てか、別にそりが悪いって意味ぢゃないんですけれどもね。
ただ、あくまで己の中の静留さんは。
そんな説明で納得出来るやうな理由で、己のなつきに対する気持ちを。
「邪まな恋」と言ふ一言で片付けたりはせんのぢゃないかなあと。
これが、先ず第一の、己の願望で(え)。

それに基づいて、次に書き書きしたコレが来るのです。

>なつきをありのまま受け入れ包み込むだけでええ、いうのと、
>「なつきをうちのもんに」いうのと間にある相違、
>ある意味相反する感情の在り方とか。
>その辺が気になり続けていて、だから書き始めたのだといふこと。

同じくドラマCDの同トラックに。

「いつか、なつきがうちの思いを受け入れてくれるかもしれへん。
 そんな夢みたいなこと、心の底でずぅっと期待してた自分に」

って台詞があるのですが。
ええ、蝕の祭りのカラクリを、初めて凪に聞かされた時の、
裏エピソードとして。

この、「うちの思い」ってのが、どうにもこうにも気になって。

素直に聴けば、

「なつきが側に居てくれさえすれば、それで幸せやと思うてました」

いう台詞から繋がる展開ですし。
「友情」優先、良いお友だち、良い先輩に収まって見守る事で。
満足出来ると自分を誤魔化していたのが、HiMEの運命を知って。
ある意味、後が無い状態になって開き直ったっつーか。
いずれ誰か一人しか残れない状態ならいっそ……みないな。
一種の自棄に陥って、恋情の暴走がスタートした、と。
そう解釈すればある意味事足りる展開やと思わんでも無かったのですが。

でも、逆に却ってそれが。
己の中にある、引っ掛かりを更に。
大きく膨らませていく事にも繋がったのですよね、恐らく。

まあ、これ以上突っ込むと。
ちょっとややこしいっつーか。
ちょっと恥ずかしい(何)話まで展開する事になりそうなので。
シャイな己は逃げを打ちますけれども(何々)。

要はあれです。
静留さんの「思い」の中身を、己は多分、知りたくて。
でもって、それを。
「異性愛しか受け付けない相手に対する同性愛の悲恋」では。
片付けられないっつーか、片付けなくないっつーか。
そんな方向で、色々考えてみたりしている訳で。

もっと言ふと。
25話の、直接対決の最後に、なつきが静留に贈った最後の口付けの。
あの意味も、もうちょっと掘り下げたいっつーか。
その辺も、色々考えてみたりしている訳で。

まあ、某mixiのメモの続きはその辺を。
更に胡乱にごちゃごちゃと説明してみたくて。
でも仕切れなくて書いた、追記だったのですけれども。


つーことで。
こりもあくまで、己の個人的なメモ書きみたいなもので(え)。
この先、自分が何を書こうとしていたのかを。
見失わないやうにするための、覚書でもありましたのです。


うっかりお付き合い下さる羽目になられた方には。
お目汚し、失礼を致しましたです、はい(平伏)。


2005年12月31日(土) 倍増し(何)。※ホントは050804.

昨日と一昨日付けに書き残した。
しずなつ小話の分量比較どす(どすて)。

なんつーかあれですね。
なつきちさん語り過ぎ(過ぎて)。
時間軸設定は二人出逢って間もない頃ですから。
ホントはもっと幼くてもええかなあと思いつつ。
中学生の心理なんて最早遠い過去過ぎて。
どうも加減が分からん胡乱な己(ヲイ)。
静留さんは、ええんどす(だからどすて)。
中学生やろうが小学生やろうが静留さんやから(其処?!)。

明日とか明後日とか時間があったら。
まったりと書き直ししたいなあとか思いつつ。
そんな時間取れるんかいなとか。

最近お休みの度にぐったりしてしまって。
もうなんつーか。
お料理するか音楽聴くかぼんやりネット巡回するか。
Youな管でアニメ観る(え)位しか出来ないんですよね。
気力が衰えつつあるのをまざまざと実感する今日この頃でありますです。
お若い方々が「寄る年波」だの「もう歳だから」だのを。
何気なく使っているのを拝見して。
「……まだだ、まだそんなもんぢゃ……」と。
軽く殺意を含ませつつ呟いてしまう位に、ええ(冗談です)。

あ、御免なさい姐さん初めシニアチームの皆さま。
決して嫌味なんかぢゃなくってよ?
てか、シニアチームの皆さまは多分。
此処なんかご覧になってないと思われるのですが念の為(笑)。

さてさて。
頑張ります。
頑張ると言ふ言葉を自分に向けて語れる間は。
ええ、頑張りますです。


一橋@胡乱。 |一言物申す!(メールフォーム)

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