読書記録

2024年11月25日(月) 滅私 / 羽田 圭介



 愛着が湧く前に捨てる。それが鉄則だ――。
ライター業のかたわら、ミニマリストな生活を発信する男、冴津。貰った物は家に帰ると捨て、家具や服は極力減らし、無駄を削ぎ落すことを追求する日々。そんな「身軽生活」を体現する彼の前に現れた“かつての自分”を知る男。その出会いは記憶の暗部を呼び起こし、信じていた世界を徐々に崩壊させていく



若いときの無茶を思い出させる人物の登場で最後は・・・・死ぬのか??



世界中の人々がもし、僕やコミュニティの面々みたいに、物や無駄を捨て経験を大事に生きるという考え方だったらどうか。必要以上に装飾された陶器や洋服を買う人がいなければ、世界中のそういった品々は洗練されないままだったであろうし、華美な建築物だってなかった。
そういった物を作る職人や地域の経済発展、人々の生活や思考の多様性もなかっただろう。無駄の産物ともいえる文化は、それを求める人が必要だ。だから無駄遣いをしないというのは、褒められた行いでもない。





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