baby poem
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2004年07月04日(日) にゅるんとしたもの

にゅるん、としたものがある。
夏の間使われない居間のファンヒーターの前
長さ30センチくらい、くすんだ水色
たっぷり液体を含んでいるので表面から蒸発熱が奪われ
温度は周囲の気温より少し低く保たれている。
ちょっと涼しげ。
その家族は、なるべくそれを見ないようにしている。

床がぬれて困るので、家族はそれ用のトレイを用意した。
百均で買ってきた、青い透明なトレイ。
液体があふれそうになったらティッシュでトレイをふき取る。
思い切って、お父さんが提案したのだ。
気がついたらそこにあって、それが何なのかわからない
そのにゅるん、としたものは、生きているのかいないのか。
からだにいいのか悪いのか。

家族は日中いないので、日の当たらないその場所は
だいたい一日薄暗いまま
レースのカーテンも揺れもせず
テーブルの上には、フタつきの灰皿、シャープペン、リモコン、昨日とった電話番号のメモ・・・
時間だけが過ぎていく。

家族が帰ってきて、でんきをつける。
テレビをつける。晩飯を作って食う。
にゅるん、としたものは、トレイの上で光を映す。
冬になったらファンヒーターで乾燥して、干し柿みたいになってしまうかもしれない。
今はそれについて考えないようにしている。


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