baby poem
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中村が会社でみかんを 食べ続け おいしいっすよー って言っている 横顔を見て気がついたのだ そうだ 人間の 皮膚の色に影響を与える食べ物なんて みかんだけだ
それなら俺は その特性を 応用することを考えよう 俺の顔は たいがい 青い色をしているか 赤い色をしているか だから
青い色をしているときに なるべく赤い色になるよう努力しつつ みかんを食べつづける みかんの色素が 皮膚の表面に到達して 青 赤 黄色 三原色が重なり合って 黒 となる
それから俺は 夜の上野に繰り出そう 上野の森の上空は 商業ビルの光をわずかに反射しながら べッタリと塗ったような 黒 であるので
きっと居心地がよい
という話をしたら みかんの特性を活かすなら クエン酸で血液サラサラ、とか 風邪の予防にビタミンC、とか って中村が言うから
それなら俺は クエンサン と ビタミンシー を1モルずつ 180℃で6時間 分解 反応 あらたな分子 クエンサタミン と しーびん が、できた ので
クエンサタミンを しーびん に注ぎ込み 黄色くあわ立つ クエンサタミンを こぼさないよう しーびん 抱えて 帰宅する
下駄箱に しまっておいて そのまんま
下駄箱は ふだん使わないもので いっぱいだ
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