flimsy−eXcuse
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誰かが「青鬼は嫌い・・・」と言った。 するとまた誰かが「私も青鬼は嫌い・・・」と言った。
僕は「何故?」と聞いてみた。 「だって青鬼は嘘つきだから・・・。」
「どんな嘘を吐いたの?」 「・・・僕の見る月は碧いって。。」
僕たち赤鬼は月は紅いモノだと教え込まれてきた。 でも僕はそうじゃない事を前から知っていた。 僕は何だか可笑しくてケラケラ笑った。
何故だか僕は『青鬼』を知りたくなった。 というか仲良くなりたかった。
青鬼は赤鬼と価値観が少しだけズレている。 月を一緒に見ても青鬼の表現は神秘的で面白かった。
いつかの帰り道―。 『月は見る人によって色が変わるんだよ。』青鬼は言った。 確かにその日の月は僕には碧く澄んでいるように見えた。
気付いたら青鬼に惹かれている自分が居た。 『僕の見る月はいつも碧くて歪んでいるんだ・・・。』青鬼は言った。
僕は青鬼を抱きしめたくなった。 同じ月を見てもこうも見え方が違うのかと切なくなった。
―いつか僕の紅で君の碧い月を紫に変えるよ―
僕は誓った。 もし今日が特別な日と言うのなら月を紫に染めて下さい。
紅くしてなんて贅沢は言わない。 せめて青鬼が紫に見えるように少しだけ紅を注して下さい。
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