疾走黒羊!
DiaryINDEX|past|will
2004年05月12日(水) |
資料に活を=愛すべき人々(^^; |
フカノさんは「可能を不可能にする男」と呼ばれている。由来は入社挨拶で「不可能を可能にするフカノです」の準備ネタを、素で間違えて以来変わらぬご愛顧になった。こうなると不可能の単語的意味は超越して記号・暗号・ツボ・キャラの代名詞になっている。だからフカノウさんと呼びたい。 営業同行で先に資料を渡し、客先で落ち合った。開口一番 「黒ちゃん、資料は?」 「ぁ?忘れちゃいました?」 「うーん見当たらないのよ。ごめんごめん」 「んじゃ僕ので行きましょ、控え有りますから。お客の分はこいつを出して下さい」 「ん、よかった。よろしく。ちょっと読み込むから」 10分後「んじゃ行きますか?」で彼の顔を見ると何故かプチ土気色。しかし時間が無いからそのまま訪問。 プレゼンは好評、資料を渡すタイミングで、「んじゃ黒ちゃんお願い」とフカノウ氏。 「?」僕のはアンチョコなんで書き込み沢山、段取りどおりにお願いしたい。 「私のはちょっと汚れているので、先輩のを」←良いフレーズ。さりげなく思い出していただく気配り。 が、何故かもじもじする先輩。 実は彼は書類などについつい落書きをする癖が有る。「活を入れる」の言ってるが、常人にはわからない細密画の目とか唇とか。アートなのだ。つまり大きな目が表紙に鎮座しクライアントを睨んでるのね。お守りじゃないんだから絶体絶命。説明に行ってお土産無し、最悪。 ひらめいたのは「イイスヨに届けさせる」それならば可能だ。30分でOK。早速メモで伝えたが、悲しそうな顔でちょいちょいと手招きするフカノウさん。 断りを入れ中座、「どうしたんすか?」 「実はね、預かった2部とも活入ってるの」 「へ?」 顛末はこうである。会社で読みながら1部自分の資料に「目」を入れ命を吹き込んだ後、ついつい提出用の落丁などを調べながら、ついついこちらにも画竜点睛を欠いているので「活」を入れてしまったとのこと。コドモかよアンタは。 んーん仕方ない。資料は後日で了解を取り退散。一見落着っす。 「茶でも飲みます?」と近くのスタバに。 「すまんね」 「いいすよ、受けは良かったし、約束も入りましたから」 「そーかな」 つぶやきながら彼は、 スタバのレシートに「活」を書き入れていた。しかも3色ボールペンで。 緑色の瞳には悲しみがにじんでいた。やや血走り気味であるが。 素敵な人なのだ。
kuro_hitsuji
|