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彼が一番好きな作家を、なぜか食わず嫌いでずっと読まずにいました。ちょっとしたきっかけがあり読みはじめたら面白くなってきて、Hが亡くなった時もその作家の本を読みかけていたところでした。「ここまで読んだよ」「じゃあ、これからもっと面白いよ」なんて会話をしながら。何かしていないと震えと涙が止まらない電車の中でむさぼるように続きを読み、読み終わったら感想が言えなかったとまた泣きました。 今また、その作家の別の本を読みはじめました。結構長いシリーズでまだまだ先は長いのですが、とてもおもしろくて、おもしろいから切ないです。Hも勿論好きだった話ですが、Hのお兄さんがこれを一番好きと何度も言っていて、お通夜でもその最後のシーンに主人公が言うセリフをなんどもつぶやいていました。まだそこまで辿り着いていませんが、とても前向きなかっこいいセリフで、「あいつは絶対そう言いながら行ったんだ、そう信じている」と。 単純に面白くて、どんどん読み進めていますが、最後のその言葉を読む瞬間が、少し、恐いです。
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