2004年5月16日(日) 豪雨
私は初参加になる みんなの顔を見れるのが楽しみだ 既に四回参加している先輩たちから 「来たら絶対楽しいし気分転換になること間違いなしよ・・」と何度か聞かされていた
始まりの時間をかなり遅れて友人のお寺に着いた 新しい建物は門徒の方たちの法事などに使われるそうだ 夜なので暗くてよくは見えないが滝のような音がして さながら高級料亭のような佇まい 玄関を入ると予想以上に上質な音が聴こえてくる
おやっと思いながら進むとみんなに混じってH先生と先生の後輩に当たるかつて私たちを指導してくれたNさんがマンドリンパートをリードされていた みんな緊張気味で昔のような練習風景だ
私は調弦が巧く出来ていないのを是幸いとしばらく先輩の横に椅子を運んで楽譜を覗いている 目が合って先生と会釈を交わす
それにしてもみんな何て真剣なのかとひとりづつ顔を眺めて 表情を見始めた 一番上の先輩と一番下の後輩とは8学年の開きがある 学生時代は誰しも卒業された先輩たちに畏敬を感じ話をするのにもとても緊張し怖かったものだが 今ではほぼ対等で年齢差を感じない
一曲終わって先生に挨拶し「とても弾けそうにない、それにまだ調弦も出来てないから」と言うと「すぐに出来るからギターを」と・・・3〜4分で先生自ら調弦され私は已む無く演奏の中に入ることになった
楽譜を見て次にギターのフレッドの位置を目で確認するようなレベル・・・ 隣の先輩を見るとさすがかなりの音が出ている この日ギターは先輩と私のふたりだけだが・・ とてもじゃないが初見状態の私がましてや間違いだらけの音 を出す勇気はない
演奏に入ると更に困難を極める ベース音と簡単でゆるやかな音だけを狙って弾いてみるが音楽記号を見て飛ぶ先や戻るところを追いかけているうちに迷子になってしまう
それにしても案外気楽に構えていたものだから・・・ こんな状態でもあまりプレッシャーを感じなかった こんなことでいいのか・・・ひとり苦笑い
結局先生が持って来られた新しい曲2曲を含めて3曲の練習をして2時間の練習を終えた みんなは私が行く一時間前からしていたので3時間になる
お茶をしながら代表格の先輩が「先生、私たちは楽しむために今回練習を始めたのですから・・・」と冗談のように先生に水を向けた 「僕はみんなのことを聞いて内心かなり酷い状態だろうと今日来てみたんだけど・・たいしたもんだよ 昔取った杵柄・・すぐにかなり弾けるようになれるよ」
先輩の少し嫌味をこめた冗談は通じなかったらしい とても満足そうに話された
先生を送った後、その先輩が 「前回まではほんとに楽しくてね 気分転換できる最高の時間だったんだけどね」ととても疲れた顔
その先輩はみんなと先生の間を繋ぐお役目・・・ まさかこの練習のことがこんなに早く先生の耳に入ることになろうとは・・ もう少し自分達だけで気楽にやりたかったね 先生の指導はまだ先でよかったのに・・・・ これがみんなの本音なのである みんなお互いに頷きながら・・・
先生はきっと楽しみになさってまた来られることだろう
私はまだ先輩のような真剣さに欠けているらしい まだお気楽でいられる
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